ニューヨークのメトロポリタン美術館は、たくさんのアート分野を網羅した、世界でも有数のコレクションを誇る、とても大きなミュージアムです。丸一日かけても全てを見て回ることが難しいとても巨大なミュージアムなので、初めてメトロポリタン美術館を訪れる人、何度も訪れているけれど普段とは違った視点から作品を見てみたいという人は、ガイドツアーに参加してみるのもおすすめです。
ガイドさんの引率により、短時間で、ハイライトを巡ってくれ、メトロポリタン美術館の全体像を掴みながら、代表的な作品の詳細についても知ることができます。英語はもちろん、日本語など様々な言語でツアーは行われていて、中でもおすすめは、ミュージアムのハイライト作品を回る、ミュージアムハイライト (Museum Highlights) ツアーです。
メトロポリタン美術館でガイドツアーに参加しよう!
ニューヨークには、数多くのミュージアムがありますが、中でも見逃せない人気の美術館が、世界最大規模の広さとコレクションを誇るメトロポリタン美術館です。エジプト、ギリシア、ローマなどの古代文明から近現代アートまで、様々な時代と地域のアートが揃った見どころいっぱいの総合美術館です。初めて訪れる人は、どこから回ろうか、何を見ようか、迷ってしまう人も多いと思いますが、そんな人におすすめなのが、メトロポリタン美術館に詳しいボランティアガイドさんが、様々な分野のハイライトを紹介してくれる、ハイライトツアー (Museum Highlights) です。
ツアーでは、館内を色々巡ってくれるので、短時間で、美術館の雰囲気を感じたり、美術館の全体像を掴むことができます。もし、時間があるならば、まずツアーに参加して、ミュージアムの広い館内を色々と巡り、途中、興味惹かれる作品やギャラリーに出会ったら、場所を確認して後でもう一度戻って来てじっくり鑑賞するのがおすすめです。
メトロポリタン美術館では、定番のハイライトツアー (Museum Highlights) をはじめ、様々なテーマのガイドツアーが連日開催されています。ツアーへは、美術館のチケットがあれば、誰でも無料で参加でき、英語のツアーの他、日本語など各国語ツアーも開催されています。予約は必要なく、当日、集合場所へ直接行けば、ツアーに参加できるので、ツアーの時間に合わせて、美術館訪問のスケジュールを組むのもおすすめです。
日本語のツアーは、ハイライトツアー、30分ツアー、印象派・後期印象派ツアーなどがあり、ツアーのスケジュールは、こちら で確認できます。
同じツアーでも、ガイドさんによって、または時期によって、巡るコースが変わることもあります。例えば、今だと、今の時期しか見られない、クリスマスツリーのギャラリーも巡ってくれたりします。以前、ツアーに参加したことがあるという人でも、久しぶりに参加してみると、また違った体験ができると思います。
ガイドツアーの集合場所は言語により分かれています。
日本語をはじめ外国語のツアーは、グレートホール (The Great Hall) の北側、古代エジプトギャラリーの入口の手前が集合場所になります。「こんにちは」と書かれているパネルが目印です。開催時間は日によって変わり、当日は時間ピッタリにツアーがスタートするので、ツアーのスケジュールを事前に確認してから訪れましょう。
日本語などの多言語ツアーとは違い、英語のツアーの集合場所は、グレートホール (The Great Hall) の南側、古代ギリシアギャラリーの入口の手前になります。こちらの Tour Meets Here のパネルが目印です。英語のツアーは、ツアーの種類が多く、ハイライトツアーも一日に何回も開催されているので参加しやすいです。
ちなみに、自分で見たい作品がある程度決まっている人は、自分のペースで、オーディオガイド(有料 $7)を借りて回るのもいいと思います。オーディオガイドは、チケット売り場で借りることができ、日本語を選択することもできます。
ハイライトツアー
数あるガイドツアーの中でも最も多く開催され、人気があるのがハイライトツアーです。ハイライトツアーでは、館内を広く動き回り、ガイドさんのセレクションにより、西洋絵画、古代エジプト、アメリカンアートなどメトロポリタン美術館の多岐に渡る分野の代表作を紹介してくれます。ツアーでは、8-10点程の作品を詳しく解説してくれ、公式には1時間のツアーとなっていますが、盛りだくさんのため、最後まで参加するには、一応1時間15分程かかるとみておいた方がいいと思います。
メトロポリタン美術館の代表的なギャラリーは本当にたくさんあり、どこを回るかは、参加するツアーのガイドさんにより、当日のお楽しみとなりますが、ツアーで回る代表的な場所を一部紹介しておきます。
🔶 ヨーロッパ絵画、印象派
ヨーロッパ絵画、印象派絵画は、素晴らしいコレクションを誇る、見逃せない、ハイライトのセクションです。
以前、参加したツアーでは、例えば、こちらの作品を紹介してくれました。17世紀、黄金時代のオランダ、デルフトで活躍したアーティスト、ヨハネス・フェルメールの「水差しを持つ女」です。
日本でもフェルメールの特別展が開かれ、フェルメールファンが多いと思いますが、そんなフェルメールファン必見の作品がメトロポリタン美術館には実はたくさんあります。フェルメールの作品が5点もあり、以前は、2階の西洋絵画のギャラリーで展示されていましたが、現在は、ロバートリーマンギャラリーの地下で、レンブラントらオランダ黄金時代の著名アーティストの作品と一緒に展示されています。フェルメールの展示場所が変わっているので、自分で見に行く場合はご注意下さい。
ヨーロッパ絵画セクションでは、スペインの有名アーティスト、ゴヤの作品「Manuel Osorio Manrique de Zúñiga」もあります。ゴヤは、18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍したスペインを代表するアーティストの一人です。
日本人にも大人気のもう一人のアーティスト、クロード・モネ。モネの「睡蓮の池」など、モネの作品もたくさんあります。
モネの他、ルノワールやマネ、ドガ、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホ、ピカソ、マティスら、印象派・後期印象派のアーティストたちの数多くの作品が展示されています。ハイライトツアーでも回ることが多いセクションですが、印象派の絵画好きの人は、印象派・後期印象派の作品に特化した「印象派・後期印象派ツアー」に参加してみるのもいいと思います。ハイライトツアーに比べて、より深く詳しくアーティストや作品について紹介してくれます。歴史的背景や描き方、他の作品との比較など、色々な見方ができる面白いツアーで、日本語ツアーもあります。
メトロポリタン美術館の印象派・ポスト印象派の西洋絵画の見どころは、こちらの記事でも紹介していますので参考にしてみてください。
🔶 近現代アート
バラエティに富んだ、館内の色々なギャラリーを巡るハイライトツアーでは、こちらの近現代アートギャラリーにもやってきました。近現代アートの有名なアーティスト、ジャクソン・ポロックの「秋のリズム」(Autumn Rhythm/Number 30) という作品です。近現代アートギャラリーでは、アメリカ、そして日本などヨーロッパ以外のアーティストの作品も展示されています。
🔶 中世ヨーロッパアート
ホリデーシーズン中、期間限定のハイライトとなっているのが、中世ヨーロッパアートセクションです。中世ヨーロッパアートセクション自体は、普段から素敵な雰囲気の場所なのですが、ホリデーシーズン中だと、そこに美しいクリスマスツリーが飾られ、さらに魅力あふれる場所に変身します。
こちらで紹介していますが、クリスマスツリーの場所は、わかりやすい場所にありますので、ツアーで行かなかった場合も、自分で見に行ってみましょう。
🔶 ヨーロッパ彫刻
ヨーロッパ彫刻のコレクションも見応えがあります。
1階中央真中に位置する中世ヨーロッパアートのギャラリーの両隣には、ヨーロッパの彫刻のギャラリーがあります。
例えば、ギャラリー503 では、現在、ボルゲーゼ美術館 となっているかつてのボルゲーゼ家の邸宅にあったとされる、ミケランジェロ作の天使像が展示されています。
🔶 アメリカ美術
メトロポリタン美術館の美しいアメリカ美術ギャラリーもツアーで訪れるハイライトのひとつです。アメリカ美術ギャラリーの中心に位置する広場が The Charles Engelhard Court です。中央には、黄金のダイアナ像がいて、かつてウォールストリートにあった銀行のファサードや、ルイス・カムフォート・ティファニー邸宅のファサードなどが移築されて展示されています。ティファニーのステンドグラス作品の数々も展示されており、中でも有名なのが「Autumn Landscape」です。アメリカを代表する建築家、フランク・ロイド・ライトの展示などもあります。
🔶 古代エジプト
1階正面右手にある、巨大な古代エジプトのギャラリーもとても印象的なセクションです。中でも有名なデンドゥール神殿は、紀元前10世紀までに建造された、古代エジプトの神殿で、20世紀中頃に、エジプトからアメリカに寄贈され、メトロポリタン美術館で、1978年から展示されているものです。
🔶 古代メソポタミア
2階の古代メソポタミアギャラリーでは、メソポタミア文明の遺品が展示されています。世界の著名美術館でもお馴染みの古代アッシリアの宮殿に飾られていたという、迫力ある、半獣半人像、Lamassu が飾られている、人気のセクションです。
初めてでどう回ったらいいかわからない人は、まずハイライトツアーに参加し、美術館の全体像をつかんでみるのがおすすめです。また、初めての人だけでなく何度も訪れている人でも、ツアーに参加すると新たな発見があると思います。ガイドツアーは、ハイライトツアーの他にも、印象派ツアーなど、特定の分野に絞った色々な面白いツアーも開催されています。日本語ツアーは開催日時が限られているので、参加したい場合は必ずチェックしてから訪れましょう。
メトロポリタン美術館のおすすめと全体像については、こちらでも紹介しています。
メトロポリタン美術館のチケットは、ニューヨーク州在住者以外は、大人 ($25) です。
お得に訪れたいという人は、お得なニューヨークの観光パス が色々ありますので、利用してみるのもおすすめです。メトロポリタン美術館だけ行きたい場合もビッグアップルパスでは、割引で購入できます。