ニューヨークは、ニューヨークハーバーや、ハドソンリバー、イーストリバーなど水に囲まれた環境にあるので、たくさんのカモメたちがやって来ます。気持ち良さそうにウォーターフロントを飛び回ったり、芝生や氷の上で休憩したり、水浴びや羽繕いをしたりと、セントラルパークやニューヨークハーバー沿いの公園などでのびのびと過ごしています。遠くに群れになっているカモメたちを見ていると、ぱっと見るだけでも、大きさの違いや、羽の色の雰囲気に違いがあることは分かりますが、種類を判別するのは意外と難しいんです。ニューヨークで一年中よく見られる、くちばしに黒い輪の模様がある、クロワカモメ (Ring-billed Gull) というのをはじめ、渡り鳥として冬など季節限定でやって来る珍しいものまで、よく見てみると楽しめる、ニューヨークハーバー周辺で見られる、カモメを紹介します。
ニューヨークでは、川沿いの遊歩道、広々とした駐車場、さらにエサを探してごく普通の街角をうろうろしていたりと様々な場所でカモメに出会うことができます。その中でも、マンハッタンでカモメと言えば、思い浮かぶのが、カモメが大集合している、セントラルパークのジャクリーヌオナシスケネディ貯水池で、冬は、特に多くなります。貯水池の中央に浮かんでいたり、貯水池上空を飛び回っていたり、氷の上で休憩している姿もよく見かけます。
貯水池には、たくさんのカモメがいますが、少し距離があるところにいつも集まっているので、なかなか肉眼で観察するのが難しいのが難点です。双眼鏡やズームで見てみると、本当に色々な種類がいるのが分かります。
一番大きな違いは、体の大きさで、大きなカモメと中型のカモメが混在しています。
大型のカモメは、セグロカモメ (Herring Gull) というカモメで、よく見てみると、くちばしに赤い斑点があり、足が淡いピンク色です。羽をバタバタさせているのが、セグロカモメです。
セグロカモメより小さく、くちばしに黒い輪の模様があり、黄色いくちばしに黄色い足のカモメもいます。こちらは、クロワカモメ (Ring-billed Gull) といいます。
カモメは、同じ種類でも大人と子供で姿が大きく変わります。大人は、白x灰色、または、白x黒になりますが、子供は、白x茶色の斑模様となることが多いです。大人のカモメを見分けるのも大変ですが、子供のカモメの見分け方は、さらに難しくなります。
セグロカモメのドアップ写真は、こんな感じです。
こちらが、クロワカモメです。
リバティステートパークなどニューヨークハーバー沿いの公園では、カモメをもっと近くから見ることができます。雪が溶けた雨上がりの快晴の日、水たまりでは、カモメたちが気持ち良さそうに、羽をバタバタさせながら、水浴びをしていました。
特に、白と茶の斑模様の子供のカモメがたくさんいて遊び回っていました。セグロカモメ (Herring Gull) か、アイスランドカモメ (Iceland Gull) の亜種の子供だと思うのですが、羽をバタバタさせながら、とても楽しそうに水浴びしています。
水しぶきが上がる中、ぴゅーっと飛び立つ姿がとても美しいです。
生き生きとしたカモメたちは、こんな様子です。
ニューヨーク周辺では、この他、セグロカモメよりさらに大きく、グレイの羽がより濃く黒い感じになった、オオカモメ (Great black-backed gull) もよく見かけます。大カモメは、カモメの中で最も大きな種です。
春から秋にかけては、面白い鳴き声の渡り鳥、ワライカモメ (Laughing gull) もよく見られます。
冬には、大型の渡り鳥のニシセグロカモメ (Lesser black-backed gull) や、アイスランドカモメ (Iceland Gull)、シロカモメ (Glaucous gull)、小型のボナパルトカモメ (Bonaparte gull)、ユリカモメ(Black-headed gull) などほかにも稀に見られるカモメが色々います。
セントラルパークで人気者となっているフクロウをはじめニューヨーク周辺で見られるフクロウについては、こちらで紹介しています。