ニューヨークのアメリカ自然史博物館は、1869年に創設したとても長い歴史を誇るミュージアムで、2019年にはいよいよ創立150周年を迎えます。そんな150周年という記念すべき区切りの年を迎えるに向けて、ギルダーセンター (The Gilder Center) の 拡張プロジェクト が進行中ですが、今回、宝石と鉱物のホール (Halls of Gems and Minerals) も2019年に向けて一新されることが発表されました。新デザインは、現在の採掘場を連想させる暗い雰囲気のデザインから大きく変わり、明るい光りと開放感のあるホールとなり、宝石や鉱物が最も美しい状態で見られるように照明にもより工夫が凝らされたものになるそうです。
(AMNH & Ralph Appelbaum Associates)
自然科学の分野の様々な展示を楽しむことができるアメリカ自然史博物館ですが、宝石と鉱物ホール (Halls of Gems and Minerals) は、館内1階の南側、77 ストリート沿いのコロンバスアベニューに近いエリアにあり、地球の存在の不思議さと、宝石や鉱物の美しさと多様さを実感することができる展示内容となっています。現在のホールは、正面玄関から遠く、袋小路となっているため見過ごしてしまうことも多い展示ですが、新デザインでは、コロンバスアベニュー側にも入口ができ、明るい雰囲気の展示となり、より見やすい楽しめる身近な展示となると思います。
早速、リノベーションプロジェクトがスタートするそうで、今月、10月26日から宝石と鉱物ホールは閉鎖となるそうです。その代わりとして、77ストリート沿いにある南側の入口には、こちらの見事な世界最大級のとても巨大なアメジストジオード(Amethyst Geode: 晶洞)が、今年のホリデーシーズンいっぱい展示されます。
キッズたちも思わず夢中になってしまう、とても美しい石です。
新デザインの宝石と鉱物ホール
(AMNH & Ralph Appelbaum Associates)
全く印象が変わり、まさに新しいミュージアムのような感じを受けます。新ホール名は寄付者の名前を冠し、Allison and Roberto Mignone Halls of Gems and Minerals と名付けられています。デザインは、ミュージアムのデザインを専門にしている Ralph Appelbaum によるものです。
(AMNH & Ralph Appelbaum Associates)
こんな未来的なデザインもかっこいいです。よりストーリー性のある展示となり、展示スペースの一部は特別なテーマに焦点を当てた、期間限定の特別な展示となるそうです。
(AMNH & Ralph Appelbaum Associates)
透明感がある展示で、全形を見られるディスプレイがより人々の好奇心をひきたてます。
(AMNH & Ralph Appelbaum Associates)
ミュージアム創設150周年となる2019年にオープンが予定されています。
現在の宝石と鉱物ホール
キラキラと美しいこちらのコレクションは、カリフォルニアゴールドです。こちらは、イエール大学から借りているもので、返却してしまうので、新ホールでは展示されません。見るなら今です。
美しい宝石のコレクションは、どんな宝石屋さんをも超えるコレクションかもしれません。美しく輝く宝石の素晴らしいコレクションです。
翡翠も人気の美しい石です。
メトロポリタン美術館からやってきている、こんなに大きな翡翠も現在展示されています。
地球のものとは思えないほど、幻想的で美しい大きなトパーズ。
アメリカ自然史博物館で昔から展示されている有名な巨石 (Azurite/Malachite Ore) です。アリゾナからやって来たものです。
巨大なアメジストジオードの展示されている 77 ストリート沿いの入口には、他にも何点から鉱物と宝石が展示されています。こちらは、輝安鉱 (stibnite) 。
翡翠 (Jade)。
これから新しい展示ホールに登場する未公開の貴重な宝石と鉱物
自然史博物館で実際に展示され見ることができるのは、ミュージアムの膨大なコレクションの中のごく一部で、実は数多くの貴重な宝石や鉱物が倉庫に眠っています。
アメリカ自然史博物館の2019年の宝石と鉱物の新ホールが完成した際に、新しく展示品として仲間入りする可能性のある美しい宝石や珍しい鉱物の数々を見せていただきました。
宝石と鉱物セクションの責任者のキュレターさんが詳しく解説してくれました。
グレーの石の板にしか見えなかったものに、ライトを当てると、あら不思議、赤く光る石が浮かび上がってきました。まるで魔法使いです。こういう石のミラクルも新しい展示ホールでは、表現できるようになっていくようで、とても楽しみです。
アメジストは、光を通すととても美しく輝きます。
ボールのようなガーネットは、ニューヨークの地下鉄工事で見つかったことから、The Subway Garnet と呼ばれているそうです。
小さなポットの形をしたただの置物ではなく、実は立派な翡翠で、やはり光を当てると、新しい色味を見ることができるのです。
美し過ぎる宝石のコレクション。
宝石も光を当てると輝きが増し感動します。
大切そうに小さな木箱を開けると、こんな立派な美しい石が。
見たことないような不思議な鉱物が世界にはたくさんあります。
まるで金箔のような美しさ。
1976年から利用されてきた現在のホールは、10月26日から閉鎖となるので、最後に一目見ておきたい人は、急ぎましょう。2019年の新ホールのオープンが楽しみです。
じっくり見ているといくら時間があっても足りない見どころいっぱいのアメリカ自然史博物館。
おすすめの見どころと回り方はこちらです。