クールな街ニューヨークに、なんと世界最高のフリーフォールのアトラクションをつくるという奇抜なアイデアが出ていて話題になっています。
そのフリーフォールのアトラクションを作る予定地は、ニューヨークのペンステーションの上!高さ 360m にまで到達する、世界最高点からのフリーフォールを目指しているそうです。この奇抜なアイディアの発端は、現在、ペンステーションとそのお隣の郵便局 (USPS) のビルの再開発計画です。その再開発計画の一つのアイデアとして登場してきました。
以前、ポートオーソリティ(Port Authority of New York & New Jersey) 管轄のラガーディア空港、ニューアーク空港、そしてバスターミナルの大規模な再開発計画について紹介しましたが、同様に設備が古くなり、快適でない場所としてペンステーションが挙げられます。今となっては、建設当初想定していた利用者の3倍もの人々が毎日使用しているそうで、その混雑具合はかなりのものです。
そのペンステーションと、その隣のUSPSの建物 (James A. Farley Post Office) を ”Empire Station” という駅とし、それらを中心とした複合施設として、再開発するという計画がニューヨーク州知事、Andrew Cuomo さん主導で出ています。
少なくとも$3 billion(約3000億円)はかかると言われているプロジェクトですが、そのほとんどは民間のビジネスによって賄われる予定で、具体的にどうやってその金額を工面するか、採算を取るのかは未定で、民間からアイデアを募っているところです。
そんな中から登場したアイデアの一つが Brooklyn Capital Partners による提案で、AE SuperLabによる設計のHalo NYCです。ペンステーションまたは James A. Farley Post Office の上に、高さ 360m のライドアトラクションを建設するというものです。時速100マイルに到達するという世界最高のフリーフォールのようなものからゆっくりと摩天楼を眺められるようなエレベーターのようなものまで、それぞれの好みに対応できるよう11種類のスピードのライドを提供するというものです。また外壁部分は一際目立つ巨大ディスプレイとして様々な情報をリアルタイムに、インタラクティブで提供するとともに広告スペースにもなっていくのではないかと思います。
計画によるとゴーサインが出てから20か月で完成するそうで、ライドは一回 $35 とし、800万人程度が利用し、駅部分の再開発に大きく貢献できるとしています。このアイデアが採用されるかは分かりませんが、面白いアイデアです。
ところで、こちらのツイートでも述べられていますが、1910年に完成したかつてのペンステーションはグランドセントラルステーションに勝るとも劣らない、荘厳な建物でした。
The original Penn Station first opened in 1910 and was the grand and triumphant entrance that New York deserved. pic.twitter.com/yowGOrr38O
— Archive: Governor Andrew Cuomo (@NYGovCuomo) January 6, 2016
残念ながら1963年にオリジナルの建物は壊され、現在に至っています。
こちらのビデオではそんな様子が解説されています。
ちなみにニューヨークのランドマークの建物の保存に関する法律は、このペンステーションの古き良き建物を壊してしまった反省を踏まえて登場したそうです。
今となっては、かつての荘厳なペンステーションを復活させるのは不可能ですが、多くの人が楽しめるようなアイデアが採用され、結果的に、都市の基本的なインフラストラクチャーである駅の再開発がより進んでいくと嬉しいですね。