イースター (Easter) の日曜日がもうすぐやってきます。アメリカでは、イースターのシーズンになると、街中で可愛い卵やウサギなど、イースターのデコレーションが見られるようになります。そして、イースターの当日は、「ハッピーイースター!」のあいさつが飛び交う、春の訪れを祝う楽しい一日となります。
イースターは、毎年、3/22 から 4/25 の間の日曜日にありますが、2021年のイースターは、4/4(日)となります。
イースター(復活祭)とはどんな日なの?イースターでは、どうして卵やウサギがシンボルなの?イースターの日の楽しみ方を紹介します。
イースターとは
イースター (Easter) は、イエス・キリストの復活 (Resurrection of Jesus) をお祝いする日です。
復活の祝いの日ということで、日本語では、イースターのことを「復活祭」と呼んでいます。
イエスキリストの誕生日である「クリスマス」と、イエスキリストが復活した日である「イースター」は、キリスト教の人々にとって、とても大切なお祝いの日ですが、特に、イースターは最も重要な日とされています。
イエスキリストが十字架にかけられた日が「グッドフライデー」(聖金曜日)でした。弟子ユダの裏切りにより、十字架にかけられますが、その死から三日後である、「イースター」(復活祭)の日曜日に、イエスキリストは復活したと伝えられています。しかも、イエス・キリストは、3日後に復活すると予言していたといわれています。
イースターという言葉は、ヨーロッパの土着の宗教 (Paganism) の春を祝うお祭り Eostre に由来します。その Eostre のシンボルであったのが、うさぎなのですが、イースターでも、うさぎが象徴となっています。
イースターの日はいつ?
2021年のイースターは、4/4(日)です。
イースターの日は、実は、毎年同じ日ではありません。
イースターの日程 2021年 – 2025年 を見てみましょう。毎年日にちが違います。
2021年 → 4/4
2022年 → 4/17
2023年 → 4/9
2024年 → 3/31
2025年 → 4/20
イースターは、毎年必ず日曜日ですが、3月22日から4月25日の間の期間の日になり、イースターの日にちは毎年変わります。
イースターの日にちの決め方は、春分の日の後の最初の満月 (Paschal Full Moon) の次の日曜日とされています。
アメリカでは、イースターは、クリスマスのような祝日の扱いではないので、普通の日曜日であり、翌月曜日のイースターマンデーも休日ではありません。
ちなみに、旧約聖書など、キリスト教とも関係の深いユダヤ教では、以前、マッツォ の記事で紹介したことがある、パスオーバー(過越)が行われます。2021年は、ちょうどイースターと重なり、3月27日から4月4日までがパスオーバーです。
イースターの日を迎えるまでの色々な日
イースターの日を迎えるまでに、実は、一か月以上も前からイースターの日を迎える準備が行われていることを知っていますか?意外と知らない人も多いのではないかと思う、興味深い、キリスト教の習慣です。
レント Lent
日本語では、大斎(四旬節)と呼ばれますが、イースターの40日前から始まります。
レントの期間は、厳格なキリスト教の人々は、お肉を食べないなどの食事の節制をします。
レントが始まる前日を「太った火曜日 (Fat Tuesday) 」と呼び、思いっきり食べて飲んで楽しみます。フランス語ではこの日を「マルディグラ」と呼ぶのですが、実は、有名な ニューオーリンズ のマルディグラのカーニバル(謝肉祭)は、Fat Tuesday の最後の日のお祭りなのです。
灰の水曜日 Ash Wednesday
欲望を満たした「太った火曜日 (Fat Tuesday) 」の翌日には、悔い改める印として、「灰の水曜日 (Ash Wednesday)」という日を迎えます。ニューヨークでもこの灰の水曜日の日に、おでこに灰色の印がついている人を見かけたりするのですが、この日は、教会で、おでこに灰を受ける儀式があります。
ホーリーウィーク Holy Week
そして、イースタの前の5日間を「ホーリーウィーク」(Holy Week) 、または「聖週間」と呼びます。
ホーリーウィークの最初の日を、パームサンデー (Palm Sunday) または パッションサンデー (Passion Sunday)(受難の主日) と呼び、その日が、イエス・キリストのエルサレム入城の日とされています。
グッドフライデー Good Friday
そしていよいよ、イースターの前の金曜日、グッドフライデー があり、聖書では3日3晩と表現されていますが、その2日後がイースターの日となります。
イースターの象徴 うさぎと卵
イースターの象徴的なものといったら、「うさぎ」と「卵」です。イースターの時期には、どこのお店に行っても春らしいイースタームードになっていますが、可愛いうさぎと卵の飾り付けがよくされています。
卵
卵がイースターの象徴となっている理由は、生命の象徴であり、豊穣の象徴だからです。
うさぎ / イースターバニー
うさぎがイースターの象徴となっているのは、ちょうどイースターの時期の早春によく姿を現し、たくさんの子供を産むことから、豊穣の象徴となっています。
イースターバニー (Easter Bunny) がイースターエッグを運んでくるというドイツの伝説からきているようです。ドイツ系移民を通してアメリカに伝わり、現在のようにイースターの習慣が広まっていったそうです。
イースターは何をする?イースターの楽しみ方

イースターサンデーには、教会で特別のミサがあったり、イースターエッグ探しをしたり、うさぎのチョコレートを食べたり、様々なイースターにちなんだイベントも行われ、春の到来が感じられる日です。
イースターエッグ作り
イースターのお祝いの日を迎えるのに、イースターエッグを用意して飾ります。イースターエッグはカラフルに色付けされ、とてもかわいいパステルカラーの卵がよく飾られています。
イースターのシーズンが近づくと、子供たちと一緒に、飾り用のイースターエッグ作りを楽しんだりもします。卵の底に穴を開けて、卵の中身を抜き出し、空になった卵、または、茹で卵の殻に、ペインティングを楽しみます。イースター用のキットも売られています。
イースターの礼拝をしている教会へ行く
キリスト教ではイースターは一年のうちで最も大切な日で、この日は正装し家族で教会を訪れる人も多くなります。
そんなイースターは、キリスト教にとってとても大切な日であり、毎年教会でミサが行われます。
ニューヨークでは、セントパトリック大聖堂が人気で、イースターの日は、チケット制となります。昨年から、セントパトリック大聖堂のミサは、バーチャルで参加できるようになっていますが、イースターやホーリーウィーク中のミサも重要なものは、ライブストリーム されます。
エッグハントを楽しむ
子供たちは、イースターに、エッグハントを楽しむ習慣があります。エッグハントの卵はプラスチックケースの卵で中にお菓子などが入っています。その卵をお庭の芝生に隠して、みんなでカゴを持って、卵ハンティングを楽しみます。
おうちのお庭でやったり、街のイベントとして、公園で行われたり、この時期色々なところでエッグハントが行われます。例年、ホワイトハウスなどでも子供たちを呼んで楽しむイースターイベントが開催されたりします。
ごちそうを楽しむ
敬虔なキリスト教のおうちでは、レントといって、イースターの40日前の灰の水曜日の日から、イースター前日の土曜日まで、肉や乳製品、卵を食べないといった食事制限を行います。また、イースターの前一週間は、イエス・キリストの受難にちなんだ、Holy Week と呼ばれる週となり、その解禁日がイースターの日です。解禁日のイースターには、晴れてみんなで豪華なご馳走を食べるのです。イースターの日はブランチのレストランが混んでいることも多く、卵やお肉など美味しいものを食べたり、家族で豪華なディナーを食べたりします。
ニューヨークにあるたくさんのチョコレートショップでは、例年、店内がイースターのチョコレートでいっぱいになっています。季節ものなのでいつも立ち寄ってみたりしています。
イースターボンネット

ニューヨークでは、毎年イースターの日曜日、イースターパレードと、イースターボンネットフェスティバルが行われます。ただし、今年は、バーチャル での開催となり、インスタグラムのアカウントで、#EasterOnFifth で投稿することで、誰でも参加することができます。
例年の楽しいイベントの様子は、こちらです。
お店のショーウィンドウめぐり
イースターの時期のお店のショーウィンドウを見るのも毎年楽しみです。
イースターってなあに?をもっと知りたい人はこちらのビデオをどうぞ。
イースターの時期には、例年楽しいイベントが色々と行われますが、今年は、自宅でささやかに家族だけでお庭でエッグハントを楽しんだり、オンラインでイースターのミサに参加したりという人も多いかもしれません。是非、来年は、ウイルスを気にせずみんなで楽しめるイースターを迎えたいですね。