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いつもと違うニューヨークの空?!西海岸の山火事の煙が東海岸に到来中

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ニューヨークでは、二日程前から、ちょっと空の様子がいつもと違います。快晴で雲がないお天気のはずなのに、真っ青な空が見られず、少し弱々しい感じの太陽光の中、白くもやがかかった感じの空模様が続いています。実は、この現象は、アメリカの西海岸のカリフォルニア州、オレゴン州、ワシントン州で、現在起こっている、大規模な森林火災の煙が、アメリカ大陸を横断して、ニューヨークをはじめ東海岸にまで達して起こっています。アメリカ西海岸の山火事がずっと続いていて大変だと思っていましたが、遠く西海岸で起こっている大規模な山火事の影響がまさか東海岸の空にまでやってくるとは思ってもみませんでした。山火事によって大気中の粒子が変化する自然現象が起きていて、ニューヨークの空の色が不思議に変化していたり、気温の低下を引き起こしたりしています。

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ニューヨークでは、ここ数日、空には雲一ついないのに、白く淀んだ感じの霞がかった不思議な天気が続いています。昨日は一日気温が低く、最高気温が摂氏20度以下と9月にしては、珍しい肌寒い一日になりました。実は、これらの現象は、西海岸で起こっている大規模な山火事の煙によって引き起こされているもので、今週いっぱいは続く予報になっています。

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山火事の煙で霞がかった空になっていると聞くと、もしかして、空気が濁って大気汚染のような状態で体にも影響があるのかと心配になってしまいますが、この煙の粒子の層は、上空 4500 – 6000m (15,000 – 20,000 feet) と、かなり高い位置で流れているため、東海岸周辺では、エアクオリティも高く、特に心配する必要はないそうです。

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(AirNow Fire and Smoke Map)

こちらの地図では、煙の濃度が表示されています。ノースカロライナ州以北の東海岸がすっかり覆われてしまっています。
やはり空は繋がっているんですね。巨大なアメリカ大陸の西側で起こっていることが東側にも影響を及ぼすんですね。

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(noaa.gov)

ニューヨークでは現在、空を見上げてみると、太陽周辺の空が白く、太陽からだんだんと遠く離れるにしたがって、白味がかってはいるけれど少しずつ青さが戻ってきているような空の様子が見られます。色の不思議と言えば、先日、訪れたばかりのアメリカ自然史博物館の 色をテーマとした特別展 が思い出されますが、空の色はなぜ青いんだろう、夕焼けはなぜ赤くなるんだろう、雲はなぜ白いんだろう、などなど空に関する疑問は、誰もが抱いたことがあると思います。

今回の白い霞の原因は、水滴のかたまりである雲が白く見えるのと同じメカニズムで、山火事の煙により、大気中に太陽光の波長と同程度以上の粒子が存在することにより、イメージ的には、白色光が、強度を弱めながら、そのまま透過する感じになり、白味がかって見えます。粒子が高濃度であればある程、赤外線も弱くなり、気温が上がっていきません。ちなみに、光の波長と同程度の粒子による散乱は、ミー散乱 (Mie Scatteering) と呼ばれています。

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こうした様々な自然現象やそのメカニズムには、いつも感動させられますが、青い空や赤い夕焼けなどお馴染みの美しい光景が見られるのは、光が自身の波長より十分に小さい空気の粒子中を通過する時に、波長の短い色が強く散乱されるためで、この現象は、レイリー散乱 (Rayleigh scattering) と呼ばれています。
太陽が頭上にいる時は、レイリー散乱により、青など波長の短い光が強く散乱し、空が青く見えます。青より波長が短い紫は、紫外線にも近く、人の目には写りにくいようです。こちらは、デンバー近郊の 4000m以上の山でドライブで訪れることができる、マウントエバンス という場所なのですが、標高の高い場所では、大気を通過する距離が短くなる影響もあるのか、高い所を見上げると普通の青い空よりもさらに藍色っぽい空も見えたりします。

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所変わってこちらは、フロリダ州サラソタにある シエスタビーチ という場所なのですが、白砂の美しいビーチで、とても夕日が美しいスポットです。日の出や日の入りの時間は、太陽が低い位置にあり、光が大気中を通過する距離が長くなるため、青い光が手前で既に散乱してしまい届かず、オレンジや赤など散乱しにくい高波長の光が届き、美しい朝焼けや夕焼けが見られるのです。

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2日前のニューヨークの沈む前の太陽です。まるで満月のような感じで、赤く輝いていました。この太陽を見たときに、あれ??いつもと何か違う?と思い気づいたのですが、いつもだったら眩しいくらいあたり一面が明るく照らされる夕日の時間帯なのですが、雲もないのに、なぜか、太陽がいつもの輝きを失っている感じで、本当に月のようでした。

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ニューヨークでも変わった空模様となっていますが、サンフランシスコなど山火事の現場に近いエリアでは、さらに凄く、一週間程前に、日中にも関わらず、まるで火星か何かのような不思議な感じのオレンジ色の景色が広がっていた日もあるようです。どうしてオレンジになるんだろう?と気になりますが、これは、火山が噴火した時などにも見られる光景で、高濃度の煙の粒子群との何度もの衝突により、青をはじめとする波長の短い可視光は、夕焼け時同様、早々に散乱してしまうので見られず、残された高波長の可視光により、オレンジや赤の幻想的な景色が作り出されていたのではないかと思います。
こちらの映像では、映画、Bladerunner 2049 の音楽に合わせ、まるでフィクションの世界のようなサンフランシスコの様子が描かれています。

今年は、様々な試練がやって来ている感じですが、西海岸の山火事も一刻も早く収束することを願っています。

いつもと違うニューヨークの空?!西海岸の山火事の煙が東海岸に到来中 was last modified: 9月 16th, 2020 by mikissh