アリゾナ州、カリフォルニア州、ニューメキシコ州などアメリカ南西部は、先住民であるアメリカインディアンの部族が現在でも暮らしている居住区が点在しています。アリゾナ州の州都、フェニックスのダウンタウンには、そんなアメリカインディアンの伝統工芸やアートを今に伝える歴史ある博物館、ハードミュージアム (Heard Museum) があり、博物館周辺にも、ネイティブアメリカンらしいパブリックアートが数多く飾られています。
ハードミュージアム(Heard Museum)は、1929年に、Heard夫妻により、フェニックスに設立されたネイティブアメリカンの文化をテーマとしたミュージアムで、あまり他で見かけることのないアメリカ南西部のネイティブアメリカンの部族の文化、伝統工芸、アートなどを垣間見ることができます。
テキスタイルが名産のナバホ族の立派なマントなども展示されていました。
アメリカ南西部のインディアンの間で、様々な精神が宿るとされる Kachinaと呼ばれる人形がずらっと並んでいる様子は圧巻です。
先住民であるアメリカンインディアンは、かつて、こちらの 地図(PDF) にあるように北米中に様々な部族がいたのですが、現在では数少なくなってきています。アリゾナ州には、グランドキャニオン国立公園周辺のナバホやホピなど様々な部族の居住区が残っており、それぞれ独自の文化も残されています。
伝統工芸品である籠や壺も展示されています。
ネイティブアメリカンの女性アーティスト、Pablita Velarde さんの工房が再現されていたりとアメリカンインディアンのアートが色々な形で紹介されています。
館内にも、様々な彫刻作品が飾られたスカルプチャーガーデンがあります。
雑貨としても可愛い印象的なこんな作品もあります。
広々としたホールには、グランドピアノが置かれていました。
20世紀の代表的なネイティブアメリカンアーティスト、T. C. Cannon さんの特別展も行われています。
ネイティブアメリカン特有のアート、ノートにスケッチした感じの作品 (Ledger art) も展示されていました。
このアートどこかで見たことあるなぁ、と思っていたら、そう、ニューヨークにある国立アメリカンインディアン博物館で見かけました。19世紀から20世紀初頭に流行したネイティブアメリカンの間で流行したアートフォームで、近年そんなスタイルを復活させた作品が数多く生まれています。
館内は2フロアあり、コロニアル風な建築となっています。
アートだけでなく、歴史を伝える博物館でもあるハードミュージアムには、19世紀、アメリカ政府により、強制的にネイティブアメリカンの子供たちを政府のボーディングスクールへ入れ西洋式教育を行っていたという衝撃的な歴史の一幕も紹介されています。
ミュージアムの外には、本屋さんや本格的なインディアン工芸品のブティックショップなどもあります。高級な品物も多く、ギフトショップというよりはデパートの一セクションのような専門的なお店になっています。
水と緑が豊かな噴水やパブリックアートが飾られた休憩ができるくつろぎのスペース。
普段、あまり見かけることのないアメリカンインディアンの文化に特化したミュージアムで、1時間半から2時間程で一通り見て回ることができます。
ハードミュージアム Heard Museum
2301 N Central Ave, Phoenix, AZ 85004 MAP
スコッツデールにあるこちらのミュージアムも、ネイティブアメリカンの文化も含め、広くアメリカ南西部の文化やアートを学ぶことができます。
スコッツデールでアメリカ西部を体感!ウエスタンスピリット・ミュージアムオブザウエスト Western Spirit: Scottsdale’s Museum of the West