ミシガンのデトロイト周辺観光で最も有名な場所の一つとなっているのは、やはり、ヘンリーフォード博物館 (Henry Ford Museum) です。車の街デトロイト、なだけあり、やはりナンバーワンスポットがこのミュージアムになるんですね。車マニアが行くと楽しいミュージアムなのかな、と思いながらも、せっかくミシガンにやって来たので、この人気のスポットを取り敢えず見ておこうと思い訪れてみました。ところが、これがなかなかすごいところで、夏休みだったこともあり大人気となっていて、まるでテーマパークのようになっていました。まさにミシガンのディズニーランド的存在のミュージアムだったのです。
ヘンリーフォードミュージアムは、ミシガンのモータウン、デトロイト近郊にあり、ミュージアムの周辺は、フォードのビルに囲まれていました。さすがフォードのお膝元ミシガン、Dearborn という町に巨大な敷地を有しています。そして、夏休みの真っ只中とあり、フォードミュージアムの駐車場は車がいっぱい、本当にそれだけでも人気アミューズメントパークに来た気分、ここまで人気の場所なのかと期待が高まります。
フォードミュージアムは、3つのチケットのオプションがあります。
正直どれを買えばいいか迷います。まるで3大テーマパークがあるディズニーワールドのようです。
1. ヘンリーフォード・ミュージアム (Henry Ford Museum)
フォードのコレクションした歴史的な遺産が展示されています。
2. グリーンフィールド・ビレッジ (Greenfield Village)
昔のアメリカの光景を残した村に昔の車が走っていて、
クリスマスなどイベントの日は特に楽しめます。
3. フォード・ルージュ・ファクトリーツアー (Ford Rouge Factory Tour)
フォードの工場へ行き、車が作られる様子を見学できます。
時間的に1日で3つはさすがに無理そうです。どの2つを行こうか迷いましたが、ミュージアムと、ファクトリーツアーにしてみました。
ヘンリーフォードミュージアム
まずは、フォードミュージアムの中心的存在、ミュージアムから。
ミュージアムは、モーターショーみたいに、とにかく車がずらりと並んでいるだけなのかと思っていたのですが、意外と楽しい雰囲気でした。かわいい絵になるポップな展示が多く退屈しません。
ミュージアムの展示の途中に、突然、ダイナーが現れます。バスをレストランに改築した、Lamy’s Dinerです。
今でも販売されている、アメリカに古くからある商品の昔のポスターとかも色々あり楽しめます。なんだか、古き良きアメリカらしさが伝わってきます。
車だけでなく、鉄道や、動力発電など、歴史的にも貴重であるだろう、巨大な展示品がいっぱいあります。
リンカーンの像があり、リンカーン大統領にまつわる歴史的な展示が始まります。
リンカーン大統領の暗殺の歴史がここで出てきます。劇場で撃たれたリンカーン大統領。
その事件の時に、まさにリンカーン大統領が座っていた椅子までコレクションされています。
その他、ジョージ・ワシントンが戦闘中に使っていた移動用のベッドなども展示されています。
ワシントンが座っていた椅子とバイブルも。
ケネディ大統領の車など、歴代大統領たちが乗っていた専用車もたくさん展示されています。
ポリスはこの車を追い越してはいけません、の注意プレートが車についています。
このバスは実は歴史的に有名なバスです。後に、市民権運動で有名になり、新しい10ドル札の候補にも挙がっている黒人女性、Rosa Parks さんが白人に席を譲らず逮捕されたという事件の時の実際のバスで、彼女が座っていた席はここだよ、と教えてくれます。
他社のクラシックカーも展示されています。
昔の雑誌が並んだニューススタンド
アメリカのドライブコース、ルート66の展示コーナーは、かわいい楽しい雰囲気の展示になっています。
絵になる場所がいっぱいで、写真も楽しめます。
発明品的な家の展示もあります。
ギフトショップのアメリカンなセレクションがなかなかかわいいです。
フォードミュージアムは、まさにミシガンのディズニーランドのような場所となっています。
フォード ファクトリー ツアー
次は、フォード・ルージュ・ファクトリー・ツアー (Ford Rouge Factory Tour) です。ファクトリーツアーは、まずはバスでファクトリーまで移動します。チケット売り場の前からバスが出ているのでそれに乗り、ファクトリー見学へと向かいます。
ファクトリー到着後は、まずは3D映像を見ます。フォードが目指す未来や、創業者ヘンリー・フォードの成功の歴史とかがかっこよく描かれている映像なのですが、これがなかなかおもしろいのです。今までのフォードのイメージが覆される感じを受けるかも。
ヘンリー・フォードは、実は車自体を発明したわけではありません。フォードがしたことは、車の製造方法を工夫することです。流れ作業方式を編み出すことによって、より効率的に多くの車を作れるようにしたのです。それがすごく画期的なことでした。それまで一台の車を作るのにかかっていた時間が大きく短縮され、より多くの台数の車が、より安く作れるようになったことで、それまでの高級車だけの市場から、一般車の市場へと拡大していったのです。
フォードが生み出した雇用の数と、その雇用者たちへの給与は、当時の平均値を遥かに上回るレベルのもので、フォードで働きたいと、人々が仕事を求めて殺到したそうです。
人々が高い給料をもらうようになり、一般車を買えるようになり、一般の人々へも車が普及するようになりました。こうして一般車の普及を加速させ、よりスケールするビジネスを生み出しました。
ヘンリー・フォードがどれだけ多くの人々の生活を変えたか、ひとりのアントレプレナーとして、彼の功績は感動させられるものがあります。
ヘンリー・フォードは、すぐ起業して成功したわけではありません。エジソンの会社で働いていたこともありました。自身で車会社を立ち上げ、失敗したこともありました。Dodge Brothersらから出資を受け、1903年にフォードモーターの会社を立ち上げたのが成功への階段の始まりです。会社設立5年後の1908年に、当時、他社の車と比べて圧倒的に激安な車、”Model T” を完成させ、これにより、一般大衆車として車の普及が劇的に進むこととなったのです。
ファクトリーの中は一切写真が撮れないのが残念でしたが、ベルトコンベアー形式で、車のパーツが順番に組み立てられていく様子はなかなかおもしろいです。この工場では、実際にトラックのF150が作られています。車って、こんな風に作られているんだ、意外とおもちゃの組み立てみたい?って感じるかも。裏側ではスピードテストとか、耐性テストとか色々なテストも行われています。
ファクトリーには展望台があります。最後は、ガラス張りの明るい展望台から周辺の景色をみます。エコですね、できる限り緑を増やすようにしているそうで、どの建物も屋上は緑でいっぱいでした。
ヘンリ・フォード博物館 Henry Ford Museum
20900 Oakwood, Dearborn, MI 48124 MAP