ハイブリッジパーク ニューヨーク最古の橋を散策!歴史ある水道橋と水道塔が絵になるハーレムリバー沿いの公園

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ニューヨークのマンハッタンは、四方を水に囲まれた島で、ブルックリンブリッジ、ジョージワシントンブリッジをはじめ数多くの橋が架かっています。そんな数多くの橋の中で、ニューヨークの現存する最古の橋が、マンハッタン北部のワシントンハイツとブロンクスを結ぶ、ハイブリッジ (High Bridge) です。ハイブリッジは、1848年水道橋として建造された、古代ローマの水道橋を少し彷彿とさせる、美しい石造りのアーチが印象的な橋で、19世紀後半には、人気の観光スポットだったそうです。入ブリッジは、水道橋としての役割を終え、1970年以降閉鎖されていましたが、修復され、2015年から歩行者や自転車で通行できるようになっています。ハイブリッジ周辺、ワシントンハイツのハーレム川沿いのマンハッタン側には、細長い、ハイブリッジパーク (Highbridge Park) が広がっていて、ローカルに人気の公園になっています。

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マンハッタン側で、ハイブリッジの最寄り駅となっているのは、A、C 線の 168th St 駅で、駅の中には、レトロなハイブリッジのかつての姿が描かれています。

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ハイブリッジパークがあるのは、マンハッタン北部のワシントンハイツの東側、ハーレムリバー沿いで、南北に細長く広がっています。ハイブリッジは、園内の 173ストリートと 174ストリートの間にあり、ブロンクスへと続いています。

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(Google Map – The High Bridge)

駅から歩いて10分ほどで、ハイブリッジパークに到着します。ブロンクス側から訪れることもでき、その場合の最寄り駅は、4番線の 170 St 駅で、徒歩10分程で、ブロンクス側のハイブリッジに着きます。

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ニューヨーク最古の橋のハイブリッジがある、ハイブリッジパークは、南北に細長いハーレムリバー沿いの公園で、園内には、たくさんの木々に囲まれた遊歩道がある他、野球場、テニスコート、プール、マウンテンバイク用トレイルなどが点在し、色々なアクティビティが楽しめます。

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秋も深まり、だいぶ落ち葉が増えてきていますが、まだまだ美しい紅葉を見せてくれている木々もたくさんあります。

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ハイブリッジパークのアイコンとなっている歴史的な建造物が、173ストリートと 174ストリートの間にある、ハイブリッジウォータータワー (High Bridge Water Tower) です。1866–1872年にかけて建てられ、ハイブリッジを通ってやって来た水を、現在はプールとなっている、塔の脇にあった貯水池に汲み上げるという役割を果たしていました。

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ただし、現在は、リノベーション工事の真最中で、その美しい姿は見られず、完成は、2021年の来春となる予定になっています。

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水道塔から階段を下りて行くとハイブリッジに到着します。

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ハイブリッジは、19世紀中頃に完成したというニューヨークに現存する最古の歴史ある橋で、完成した年である 1848 が刻まれています。

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橋は、歩行者及び自転車専用で、散歩やランニング、サイクリングしている人がいる他、途中、休憩できるようにベンチも用意されています。ハーレムリバー越しの素晴らしい景色が広がっていますが、橋の両脇に金網が張り巡らされているのが、少し残念です。これは、橋の下には、川だけでなく、道路や線路もあり、落下を防ぐという意味合いがあると思われます。

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こちらは、ハーレムリバーの上流の景色です。手前には、アレクサンダー・ハミルトン・ブリッジ (Alexander Hamilton Bridge)、奥には、ワシントンブリッジ (Washington Bridge) があります。Alexander Hamilton Bridge は、高速道路で車専用ですが、Washington Bridge には、サイドウォークがあり、徒歩でも渡ることができます。

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そして、こちらが、ハーレムリバー下流で、川は左方向に蛇行して行きます。マンハッタン側の川沿いに Harlem River Drive があり、ブロンクス側にはメトロノースが走っています。

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遠くには、ミッドタウンのエンパイアステートビルや One Vanderbilt、57th St のスーパースレンダービルのシルエットが見えます。

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ブロンクス側からは、橋と水道塔の全景が見渡せます。現在は、周囲の森も美しく紅葉しています。

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橋には、ハイブリッジの歴史に関するいくつかの記念板が刻まれています。ハイブリッジは、John B. Jervis、James Renwick Jr. らによって、古代ローマの水道橋を模してデザインされ、19世紀前半に整備された、ニューヨークの水道システム (Croton Aqueduct) の一部として実際に使用されていた水道橋です。水道システムプロジェクトで、アシスタントだった James Renwick Jr. は、その後、スミソニアン協会の建物や、セントパトリック大聖堂をデザインしたことでも知られています。

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現在は使用されていませんが、1842年に完成したニューヨーク最初の水道システム、Croton Aqueduct は、ウエストチェスターのクロトンリバーから約66km 離れたマンハッタンまで水を引いていました。現在のセントラルパークのタートルポンドやグレートローンにあった貯水池 (Receiving Reservoir) に水は貯められ、さらにニューヨークパブリックライブリーやブライアントパーク辺りにあった分配用貯水池 (Distributing Reservoir) に繋がり、そこから各所に分配されていたそうです。19世紀前半に、ウエストチェスターの Croton-on-Hudson 近くの水源、現在では、New Croton Reservoir と呼ばれている湖からハイブリッジを通って、マンハッタンのど真ん中まで水が引かれていたことに驚きました。Croton-on-Hudson には、クロトンポイントパークなどがあります。

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(Wikimedia)

ニューヨークのセントラルパークに現在も残っている、ジャクリーヌケネディオアシス貯水池は、当時の水道システムのバックアップ用の貯水池でした。

ジャクリーンケネディオナシス貯水池 美しい紅葉に囲まれたニューヨーカーに人気のセントラルパークのジョギングコース

こちらのNYCのサイトによると、現在のニューヨークでは、主にキャッツキル/デラウェア水系(Catskill and Delaware watershed system) の水が使用されている他、19世紀から使用されているクロトン水系(Croton watershed system) の水も10%程度使用されています。

ハイブリッジには、1864年には歩行者道が完成し、1870年から1910年頃まで、ニューヨーカーの日帰り人気観光スポットだったそうです。

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ブロンクス側にも小さいですが、公園があり、現在、拡大リノベーション工事中です。ハイブリッジは、お天気のいい日のお散歩コースにおすすめのスポットです。

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ニューヨークで見逃せない橋と言えば、ブルックリンブリッジ。

ブルックリンブリッジ 観光 歩いて渡る おすすめ半日プラン

またNYC から少し離れますが、ハドソン川を少し遡った Poughkeepsie には、世界最長の歩行者専用橋、ウォークウェイ・オーバー・ザ・ハドソンがあり、こちらも周囲の素晴らしい景色が見渡せる、とても気持ちのいい遊歩道です。アップステートを訪れた際は、立ち寄ってみるのもおすすめです。

世界最長の歩行者専用橋 ハドソン川の絶景橋 Walkway Over The Hudson

ハイブリッジパーク ニューヨーク最古の橋を散策!歴史ある水道橋と水道塔が絵になるハーレムリバー沿いの公園 was last modified: 11月 11th, 2020 by mikissh