アメリカ自然史博物館ヒップホップ宝石展！有名ラッパーのド派手なアクセサリーが大集合

ニューヨークの自然科学系の人気ミュージアム、アメリカ自然史博物館では、現在、意外な特別展が開催されています。リノベーションで美しく大変身を遂げ、2021年にオープンしたアメリカ自然史博物館の宝石・鉱物ギャラリーの一角では、なんと有名ラッパーのド派手なアクセサリーが大集合する、ヒップホップとジュエリーのコラボのような面白い特別展示が行われ、今ミュージアムの意外な隠れ人気スポットになっています。

アメリカ自然史博物館は、1869年に設立されたニューヨークの歴史ある自然科学系ミュージアムですが、創立150周年記念を機に行われた大規模なリノベーションで、洞窟のような面白い形の新館、ギルダーセンターが登場し美しく変身を遂げています。

最も美しく大変身したギャラリーと言えば、様々な美しい宝石や鉱物が展示されている1階にある、Allison and Roberto Mignone Halls of Gems and Minerals です。もともと素晴らしい宝石と鉱物のコレクションを誇っていましたが、以前のギャラリーとは比べ物にならないくらい、現在では、すっかり見違えるように変貌を遂げていて、館内でもおすすめスポットの一つになっています。

そんな生まれ変わった宝石・鉱物ギャラリーの一角では、今とても意外なテーマの展示、ヒップホップの宝石展、Ice Cold: An Exhibition of Hip-Hop Jewelry が開催されています。

Slick Rickの王冠、Run-DMC の金のアディダスのペンダントなど有名ラッパーたちのド派手で個性的なジュエリーやアクセサリーの数々が展示されています。
Slick Rick のコンサート (YouTube) では、帽子や眼帯と共に、巨大なペンダント、時計、リング、ブレスレットなどアクセサリーが独特の存在感を放っていて、個性的な自己表現となっています。そんなラッパーたちのヒップホップらしさを象徴するアイテムが大集合し、通常の宝石デザインにはないような贅を尽くした面白いアイテムが見られる宝石店になっています。

ミュージアムの客層も普段とは少し違った感じで、なかなか盛り上がっていました。

ヒップホップと言えば、ニューヨークシティが不況に陥り財政破綻寸前だった 1970年代中頃にサウスブロンクスで誕生したものです。ヒップホップはその後成長を続け、80年代にはレコードデビューによりスターラッパーたちが誕生するようになり、恵まれない境遇の人でも成功を掴むことができるサクセスストーリーが生まれ、大きな夢を描くことができる世界としてさらに盛り上がっていきます。そして、そんなスターラッパーたちのトレードマークとも言えるのが、自分と言うキャラクターを演出する個性的なアクセサリーでした。成功感を演出する、コラボブランドをアピールするという側面もあり、少し成金趣味的とも言える独特な存在感があるのが特徴です。
The Notorious B.I.G. の金のキリストのペンダント、Wu-Tang Clanの主要メンバーである Ghostface Killah のワシをかたどった巨大な金のアームバンドなど色々なアクセサリーが展示されています。

人や顔をかたどったペンダント、ティファニーなど有名ブランドのものなど多種多様なアクセサリーが展示されています。

宝石の展示と共に、有名ラッパーたちの写真も飾られ、ヒップホップの BGM が流れ、自然史博物館のミュージアム内に意外で独特の空間が作り出されていて面白いです。

ニューヨークのサウスブロンクスで誕生し、現在では、すっかり確立した音楽ジャンルの一つとなっているヒップホップは、2023年に50周年記念を迎え、ニューヨークでは様々な記念イベントが行われました。2025年には、そんなヒップホップの歴史など様々な側面を紹介する、ヒップホップ博物館 (The Hip Hop Museum) がオープン予定となっており、そんな新ミュージアムを先取りした感じの展示となっています。
個性的で面白いアクセサリーが多く、ヒップホップファンはもちろん、そうでない人も宝石・鉱物ギャラリーを訪れたら立ち寄ってみると面白いと思います。ヒップホップのジュエリー特別展は、2025年1月5日まで行われています。