ブルックリン美術館では、現在、東海道五十三次で知られる江戸時代末期に活躍した著名浮世絵師、歌川広重の代表作シリーズの一つである名所江戸百景の特別展が開催されています。浮世絵の展示というと、少数の作品展示となることが多いですが、今回は、ブルックリンミュージアム所蔵の名所江戸百景シリーズ全作品となる100点以上もの作品が展示される、とても豪華な特別展となっています。さらに現代アーティストの村上隆の浮世絵作品なども加わった面白い特別展です。展示ギャラリーには、浮世絵に加え、江戸時代の様々な遺品なども飾られ、ニューヨークに居ながら江戸の雰囲気が感じられるギャラリーになっています。
ブルックリン美術館では、江戸時代末期の人気浮世絵師、歌川広重の代表作シリーズの一つ『名所江戸百景』を主役にした特別展、Hiroshige’s 100 Famous Views of Edo (feat. Takashi Murakami) が開催されています。普段あまり公開されることがない、歌川広重の『名所江戸百景』のブルックリン美術館所蔵の全作品が、24年振りに揃って展示されるというとても珍しい展示です。
特別展の会場となっているのは、ブルックリン美術館の最上階 5階のギャラリーで、江戸時代の雰囲気が漂う面白い空間が広がっています。
『名所江戸百景』は、江戸時代末期の1856年から1858年にかけて制作された全119枚からなる、歌川広重の浮世絵のシリーズです。『名所江戸百景』は、歌川広重の晩年の代表作で、四季折々の江戸の名所が描かれています。
こちらは、美しい藤と太鼓橋が印象的な亀戸天神の作品です。面白いのは、赤い空と青い空の2種類の作品があります。江戸時代中期の浮世絵師、北尾重政の亀戸天神の作品も合わせて展示されています。
会場には、歌川広重の『名所江戸百景』の100点以上もの作品が並べられていて圧巻です。今の東京からは想像できない美しい自然がいっぱいの江戸の光景が印象的です。
ブルックリン美術館所蔵、歌川広重の『名所江戸百景』の全作品は、こちらで見ることができます。
歌川広重の名所江戸百景は、美しい景色のものだけでなく、可愛いもの、面白い構図のものなどバラエティに富んだ作品があります。
今回の特別展では、広重の名所江戸百景をもとに現代アーティストの村上隆が制作した巨大なシルクスクリーンの作品も合わせて展示されています。こちらでは、猫が富士山などが見える外を眺めている光景を描いた可愛い作品もよく見ることができます。
現在でも有名な上野公園の月の松を描いた『上野山内月のまつ』。芝居小屋が集まり賑わう夜の猿若町の様子を描いた『猿わか町よるの景』など独特の雰囲気がある名所が数多く描かれています。
こちらは、対照的な2匹の鶴の構図が面白い作品『蓑輪金杉三河しま』。三河島は、鶴の飛来地で餌付けが行われていたようです。どの作品も美しい青色が印象的です。
こちらも、躍動感溢れる鷲が印象的な作品、『深川州崎十万坪』。四季折々の季節感を出したり、たくさんの人や動物が登場したり、エンターテインメント性が高い作品が多いです。
そんな浮世絵の作品と一緒に、江戸時代の町人文化を象徴する様々なアーティファクトも展示されています。
江戸時代に定着した日常のお仕事着、法被(はっぴ)です。
こちらは、日本橋。名所江戸百景で描かれたシーンが、現在どうなっているか写真で撮影した作品が対比的に展示されています。
最奥のギャラリーでは、広重の作品をもとにした村上隆の巨大なシルクスクリーンの作品が並んでいます。
今でも名所になっている上野公園の 清水観音堂の月の松。美しい桜の季節に青が映える不忍池と共に描かれています。
19世紀後半と言えば、ちょうど日本が開国した時期で、日本から伝わった、葛飾北斎、歌川広重らの作品をはじめとする浮世絵は、色使い、大胆な構図、フラット感など西洋美術にも大きな影響を与えました。そんな浮世絵に大きな影響を受けた著名アーティストの1人が、ゴッホ(フィンセント・ファン・ゴッホ)です。
今回の展示では、広重の作品に加え、ゴッホが浮世絵をもとに描いた作品のコピー作も展示されています。
ちなみに、右端の作品は、アムステルダムにある ゴッホ美術館 で展示されている浮世絵をもとに描かれたゴッホの作品がもとになっています。
迫力ある鯉のぼりが印象的な水道橋駿河台を描いたものなどインパクトのある作品が色々あり、時代を越えて今でも楽しめる名作シリーズです。
ブルックリン美術館は、こんな雰囲気のミュージアムです。
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