セントラルパークに近い、ニューヨークの五番街周辺は、ホリデーシーズンの楽しい雰囲気に包まれています。キラキラのホリデーウィンドウが見られる、バーグドルフグッドマンや、伝統と格式のあるニューヨークを代表するホテルのひとつである、プラザホテル、そしてその前にある広場では噴水周辺が、クリスマスデコレーションで美しく飾り付けられ、とても煌びやかで、華やかな雰囲気になっています。そんな賑わう華やかなエリアに、今、ポップアップのアートギャラリーが登場していて、ちょっとおしゃれで楽しい作品を覗いてみることができます。

ミッドタウンの五番街沿い、バーグドルフグッドマンのある 58ストリートを少し西側に向かうと ジョアン・ミロ の彫刻が見えてきます。ミロの1966年の “Moonbird” と題された彫刻作品です。
この場所は、毎年お馴染みの可愛いキャンディケインのクリスマスイルミネーションが見られる場所で、すでに今年も楽しいクリスマスの雰囲気に変身しています。

キャンディケインが飾られているオフィスビルの一階では、そんなミロの作品に調和した感じの彫刻アートが飾られている、思わず引き寄せられてしまうカラフルなお洒落な作品が並ぶギャラリーがあります。実はここ、アッパーイーストサイドにあるアートギャラリー、Leila Heller Gallery による、ポップアップギャラリー(10 W 58th St) となっていて、ニューヨークとパリを拠点に活動するアメリカ人女性アーティスト、Mia Fonssagrives-Solow さんの個展、MIA FONSSAGRIVES SOLOW POP-UP が開催されています。

建物の外にあるミロの彫刻は黒色で、実は瀕死の動物を表現した彫刻なのですが、ギャラリーの中では、対照的に、元気そうな白い動物の彫刻像が色々飾られています。

イタリアのインテリアを彷彿とさせる可愛いポップな色使いの彫刻や絵画が並んでいて、赤と緑などのクリスマス色の作品も多く、楽しい雰囲気の空間になっています。Mia Fonssagrives-Solow さんは、ミロやヘンリー・ムーアを彷彿とさせるような、今回展示されている曲線が美しい作品を得意としている他、ロボットや恐竜など童心に帰った感じの楽しい作品も制作しているアーティストさんです。

Mia Fonssagrives-Solow さんは、もともとはファッションや宝石のデザイナーさんで、なんと70歳前後からアート制作に夢中になり始めたという異色の経歴のアーティストです。母親は、スウェーデン出身のスーパーモデル、Lisa Fonssagrives さん、父親は、著名フォトグラファーの Fernand Fonssagrives さんで、離婚後、母親が再婚し、義父となったのが、これまた著名なフォトグラファーの Irving Penn さん で、アートやファッションなどと関わりが深い、とても恵まれた家庭に育ったそうです。

Mia Fonssagrives-Solow さんは、恐竜好きのようで、こちらは、T-Rex i と名付けられている作品です。

Mia Fonssagrives-Solow さんは、アメリカ人アーティストですが、母親がスウェーデン出身だということもあり、ヨーロッパ風の感性が強く感じられます。ビビッドな色使いが、少しイタリアの著名デザイナー、エットレ・ソットサス を彷彿とさせます。

大きな彫刻と合わせて、金平糖のような可愛らしい色使いの小さな彫刻もずらりと並べられています。

ミニチュア版も様々な色合いで可愛いく、ポップな雰囲気のお部屋のインテリアに似合いそうです。

ポップアップギャラリーのすぐ側には、プラザホテルがあり、こちらも美しくホリデーデコレーションされています。
Mia Fonssagrives-Solow さんのポップアップは、2021年1月1日まで開催されているので、五番街でのショッピングやバーグドルフグッドマンをはじめホリデーウィンドウを見に訪れた際、立ち寄ってみるのもいいと思います。

プラザホテル正面の目の前の広場は、グランドアーミープラザと呼ばれていて、その中心にある噴水、Pulitzer Fountain の周りも楽しい雰囲気の赤と緑のクリスマスカラーの飾り付けがされています。ちょうど、このデコレーションを作っていて完成したばかりの時にいたのですが、遠くからでも目立つ印象的な大きく華やかなデコレーションなので、さっそく人気写真スポットになっていました。