アメリカでは、ここしばらくインフレが続いていますが、そんな中、昨年、大きな注目を集めたのが、アメリカ財務省による低リスクのインフレヘッジ預金用債券、Series I Savings Bonds です。I-Bonds は、年に2回、5月と11月に、半年間の金利とインフレ率に応じて、利率が変更され、2021年11月は、7.12%、昨年2022年5月は、9.62% の史上最高金利を更新し、話題となりました。その後、急激な利上げにより、インフレは落ち着きつつあり、2022年11月の更新では、6.89% となっていましたが、今回2023年5月の更新では、さらに下がり、利率 4.3% にまで低下しています。一方、預けている限り継続される固定の金利部分は、0.9 % と2007年以来の高い数字になっています。
アメリカをはじめ、世界各国政府は、パンデミックの経済対策として、大規模な金融緩和、経済刺激策を行って来たこともあり、株式、不動産をはじめあらゆる資産がバブルのような状態になっていましたが、その他、サプライチェーンの問題やロシアによるウクライナ侵攻などにより、実体経済にもインフレという形で波及し、アメリカでは、1970年代以来となる40年振りの高いインフレ率となっていましたが、急激なフェドレートの利上げ、FRBによる資産売却などの金融政策の効果もあり、高止まりといった感じではありますが、だいぶインフレは、落ち着きつつあります。
そんなインフレが顕著に感じられた一昨年の秋から昨年の春にかけて、注目を集めたのが、アメリカ財務省が提供している、インフレヘッジ預金用債券の Series I Savings Bonds です。利率が、半年間の金利とインフレ率のベンチマークとして都市部の消費者物価指数(CPI-U) に応じて変更されます。ゼロ金利下、一昨年の2021年11月は、年利7.12%となり、話題になりましたが、昨年2022年5月の更新では、さらに上昇し、9.62% の史上最高金利となりました。その後、急激な利上げ効果もあり、少し落ち着きつつあり、昨年2022年11月は、6.89% と下がって来ましたが、今回2023年5月は、さらに下がり、年利4.3% となっています。金利部分は 0.9% で、2007年以来最高値となっていて、この金利部分は固定で、その後のインフレ率に関わらず、継続されます。
急激な利上げにより、現在、フェドレートが、5%ほどに達し、預金口座や CD の利率も、ものによっては、上がって来ているので、短期的な預金先として、I Bonds を購入した人は、一年間は、引き出すことができませんが、そろそろ潮時かもしれません。5年以内の解約の場合は、ペナルティとして3ヵ月分の利子が差し引かれますが、他にベターな預金先があれば、移すことも考えられます。
ちなみに、現在、利上げは、まだ継続中で、5月初旬も、25bp の利上げが予想されています。
一方、長期的な預金先としては、固定の金利部分が、0.9 % と高いので、今後インフレが再燃したり、または金利が再びゼロ金利に戻るような状況を想定したら、いい預金先と言えると思います。3月には、シリコンバレー銀行、シグネチャー銀行、直近では、ファーストレパブリック銀行など破綻する銀行が出て来ていたり、銀行業界が不安定化していますが、I Bonds は、米財務省の商品なので安心です。
ところで Series I Savings Bonds ってどんなもの?の詳細については、こちらで紹介しています。
インフレでアメリカの色々なものの値段が高騰していますが、こんなときは、お得にお買い物する方法など、この機会に利用してみるのもおすすめです。