アメリカは、メモリアルデーで3連休の週末となりましたが、ニューヨークでは、すっかり夏のような陽気となりました。近年、夏になると例年より暑く、冬は例年よりも暖冬となることが多く、身近に地球の気候の変化、地球温暖化、を感じることが増えています。先日、そんな地球温暖化により、近い将来危機に瀕する可能性のある、世界遺産やそのツーリズムに対する影響に関するレポートが、UNEP (国連環境プラグラム)、UNESCOにより発表されました!
地球温暖化が世界遺産に与える影響のレポートでは、アメリカのシンボル的存在で、自由の象徴である、あのニューヨークの 自由の女神 も登場していました。
今回の レポート では、世界29か国の世界遺産31サイトが挙げられています。
ニューヨーク周辺では、2012年のハリケーン・サンディーによる被害が記憶に新しく、水没、停電したりと、その被害を身近に経験した人もいるかと思いますが、ハリケーン・サンディーにより、自由の女神のあるリバティーアイランドは75%程度水没し、さらにエリスアイランドは完全に水没してしまい、その被害も甚大でした。ハリケーン・サンディー後、自由の女神は 8か月間、エリス島は1年間、修復のために閉鎖されていたのです。
今後、地球上ではさらなる気候変動があり、温暖化により、水面の上昇、そしてより規模の大きいハリケーンが発生する頻度が増えることが懸念されています。
レポートでは、このほか、モアイで有名なチリのイースター島、イタリアのベニス、エクアドルのガラパゴス諸島、日本では知床半島なども取り上げられています。
昨年、採択され、今年の4月にサインされたパリ協定などにより、世界では国際的な温暖化対策もとられるようになってきました。地球温暖化による、世界の文化、経済に及ぼす影響とそれに伴うコストを伝えることにより、国際的な気候変動対策の大切さをアピールすることが目的だと思います。
対策を考える上で大切となるのが、まず客観的事実をシェアすることです。こちらのビデオでは、人類の気候変動に与える影響について科学的事実を解説しています。
ところで、共和党の大統領候補トランプさんは人類による地球の気候変動への影響を認めていないようで、例えば、こんなツイートをしています。
The concept of global warming was created by and for the Chinese in order to make U.S. manufacturing non-competitive.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) November 6, 2012
なぜ多くの人々が、人類の活動による気候変動への影響を科学的事実として認めて、危機意識を持つことできないのか?そんなおもしろい追究もあります。
温暖化への認識が自身の本当の考えなのか戦略なのかわかりませんが、トランプさんは、今年のアメリカ大統領選では、客観的事実やデータを無視したような、人々の感情や不満に訴えかけるような、大衆心理を巧みにつく戦略をとっています。
地球温暖化は、アメリカや日本だけでなく、世界中の国々の人々が考えていかなければいけない大きな課題です。今ニューヨークの人気観光地ナンバー1である「自由の女神」ですが、自由の女神がいるリバティ島やマンハッタンが水没するような未来がやってこないように国際的な対策が進むことを願います。