先日の日本滞在中に、久しぶりに訪れたのが、美しい朱色の海の中の鳥居で知られる、広島県の世界遺産スポット、厳島神社です。厳島神社は、日本三景の一つである風光明媚な瀬戸内海の宮島(厳島)にあります。厳島神社の創建は、なんと6世紀末の飛鳥時代とされるとても歴史ある神社で、美しい自然と日本古来の建築が融合した景観は、何度訪れても感動させてくれる絶景スポットです。
もうすぐ世界の注目が集まる、広島サミットがはじまりますが、そんな広島の人気観光スポットといえば、海中に聳え立つ朱色の巨大な鳥居がシンボルとなっている、瀬戸内海の宮島の海辺にある、厳島神社です。厳島神社は、6世紀末の飛鳥時代に創建され、平安時代には、平家の厚い信仰もあり、平清盛が、現在と同程度の社殿を築いていたとされています。その後、火災で焼失してしまいますが、現在の社殿は、鎌倉時代以降に再建されたもので、本殿をはじめ、国宝となっている建物も多く、歴史的にも貴重な神社です。1996年には、広島市にある原爆ドームと共に、世界遺産になっています。
海と山が見事に調和した美しい自然いっぱいのロケーションにあり、江戸時代には、お参りという名目の下、厳島詣が盛んに行われた理由もよく分かる、素晴らしい絶景スポットで、瀬戸内海国立公園の一部になっています。
厳島神社は、広島県廿日市の本州からすぐの距離にある、瀬戸内海に浮かぶ古来から聖なる島とされた宮島にあり、フェリーで訪れます。フェリー乗場は、広島駅から JR山陽本線で、宮島口駅下車後、徒歩5分ほど、または、広島電鉄で、広電宮島口駅下車し、すぐの場所にあります。宮島行きのフェリーは、JR西日本宮島フェリーと、宮島松大汽船の2社が運航していて、同料金です。
宮島は、弘法大師が開山し、山岳信仰の対象となっている聖なる山、弥山があるなど、起伏の激しいダイナミックな地形の島です。
フェリーからは、瀬戸内海の素晴らしい景色が見渡せたり、海からの海中鳥居と厳島神社の光景などを見ることができます。今回は、JRフェリーを利用しましたが、より鳥居に近い西側の航路になっています。
フェリーの乗船時間は、10分程で、すぐに宮島に到着します。ちなみに、島の正式名称は、厳島ですが、江戸時代以降、宮がある島ということで、宮島とも呼ばれ、現在では、宮島として広く知られています。
宮島のシンボルとなっているのが、鹿たちです。フェリー乗場から神社へと向かうと、すぐに可愛い鹿たちがお出迎えしてくれます。食べ物をねだりにやって来る時以外は、うとうとととても眠そうにしています。奈良も鹿で有名ですが、奈良とは違って、宮島では鹿にエサを上げるのは禁止になっています。
宮島は、宮城の松島、京都の天橋立と並び、日本三景と呼ばれていて、海と山の美しい光景が見渡せます。フェリーを降りてから厳島神社までは、徒歩15分ほどかかります。景色のいい海沿いの参道、または、一本入った商店街沿いの参道を通って向かいます。
美しく澄んだ水が打ち寄せる砂浜からは、遠くの山々が見渡せます。本当に美しいところです。
絶景が見渡せ、気持ちがいい砂浜沿いの堤防は、みんなの憩いのスポットになっています。日本らしく、見事にみんなが美しく一定間隔で調和して座っています。
さらに進むと、厳島神社の入口、石大鳥居があります。フェリー乗場方面から来るとこちらの入り口にたどり着きます。
石大鳥居を通り過ぎ、さらに奥に進んでいくと、待望の大鳥居が現れます。青い海に赤い大鳥居が美しい映える、右寄りからの景色が楽しめる人気写真スポットです。
そして、いよいよ、厳島神社に到着、入場します。
入口で 昇殿料 を払い、本殿へと向かいます。本殿に加え、宝物館も合わせて、訪れる場合は、共通割引券があります。
厳島神社の本殿は、平安時代の貴族の屋敷などによく使用された、寝殿造の建築です。もともとは、平清盛により、12世紀中頃に、現在と同程度の本殿が築かれましたが、その後、焼失してしまい、現在のものは、鎌倉時代以降に築かれたものです。
本殿敷地内には、本社の他、いくつもの神社があり、様々な神が祀られています。入ってすぐの場所には、国宝の客神社(まろうどじんじゃ)があります。
寝殿造りの建築の中に長く伸びた、美しい朱色の廻廊があります。東西に伸びる朱色の廻廊は様々な建物間をつないでいます。
社殿内で、最も人気の写真スポットになっているのが、海へ突き出した、大鳥居に近い場所となるこちらです。撮影の順番待ちの大行列が出来ています。
ちょうど海の大鳥居の正面に当たる場所となります。大鳥居は、3年半ほど改修工事が行われていましたが、2022年12月に終了し、美しい朱塗りの姿を再び見られるようになりました。
社殿の東側の奥に見える小高い丘には、美しい五重塔と豊国神社本殿の姿が見えます。
本社本殿は、中央にあり、こちらの建物は、国宝となっています。
本殿の横には、授与所があります。御朱印が、とても人気で、どこの神社やお寺へ行っても行列が出来ています。
厳島神社のお守りが色々あります。
本殿西側には、大国主命を祀った大国神社や、菅原道真を祀った天神社があります。
厳島神社の美しい能舞台です。こちらは、江戸時代初期に建てられたもので、その後、何度かの改修工事を経て、現在に至り、重要文化財に指定されています。
こちらは、反橋と呼ばれる、物凄い急こう配の橋です。かつては、重要な祭事などの際に使用されていたようです。
社殿を出ですぐの場所には、平家納経などで知られる宝物館があり、刀剣、鎧、書物、絵画、装束など歴史的な遺品が展示されています。
社殿の西側には、干潮時、海水が引いていき、大鳥居の方へ歩いて接近することが出来ます。こちらは、広々とした空間で、人気の写真スポットになっています。潮汐のタイミングによっては、鳥居まで歩いていくこともできます。こちらで、干満のタイミングをチェックすることができます。
さらに少し西側を歩いて行くと、平清盛を祀った、清盛神社があります。
社殿の東側の小高い丘には、美しい朱色の五重塔があります。こちらも室町時代に創建された歴史ある建物で、とても美しいです。
五重塔には、入ることができませんが、お隣にある千畳閣と呼ばれる、豊国神社本殿は拝殿できます。こちらは、豊臣秀吉により建立がはじまりましたが、死去のため完成には、至らず、後に、豊国神社となっています。どちらも重要文化財となっています。
お店屋さんが、ずらりと並ぶ参道沿いでは、お土産探し、色々な宮島名物グルメを楽しむことができます。
もみじ饅頭や焼き牡蠣などその場で食べることができるグルメが大人気です。美味しいです!
海と山の絶景が美しい宮島、厳島神社の映像は、こちらです。
実は、厳島神社も、奈良県の吉野山 同様、昔から良く知られる、桜の有名スポットなのですが、今回訪れたのは 3月中旬だったため、まだ咲いていませんでした。秋の紅葉の時期も人気です。
時間があれば、巨石で知られ、周囲の絶景が見渡せる弥山に登ってみるのもいいと思います。
広島のもう一つの世界遺産となっているのが、原爆の爆心にありながら、奇跡的に遺構が残されている広島市の原爆ドームです。
広島を訪れた際は、宮島に加え、世界の近代史で欠かすことができない原爆ドーム、広島平和記念資料館なども合わせて、訪れてみるのもいいと思います。