ジューンティーンス (Juneteenth) と呼ばれる、奴隷解放記念日、6月19日が、Juneteenth National Independence Day として、アメリカの新しい祝日になりました。アメリカ連邦政府の祝日が新しく増えたのは約30年振りのことです。6月19日を控えて、ここ数日の間、国会の上院と下院で、新祝日の法案が可決され、昨日 6/17、バイデン大統領がサインして成立しました。ジューンティーンスは、昨年、BLM 運動で一気に知名度を高めましたが、ニューヨーク州でも、州の祝日となり、他にもいくつかの州では既に祝日となっています。ジューンティーンス (Juneteenth)、奴隷解放記念日は、国レベルでの記念日として、アメリカの祝日となりました。
アメリカは、州によっても祝日が異なる面白い国なのですが、アメリカの祝日は意外と少なく、アメリカの国レベルの祝日、連邦政府の祝日となっているのは、たった11日しかありません。新しいアメリカの祝日が制定された最後の日は、1983年に加わった マーティンルーサーキングJr の日(キング牧師の日) です。アメリカの一年間の祝日の日数は、10日間の祝日に加えて、4年に一度の大統領就任式の日があり、合計、11日の祝日で今までずっと続いていました。国会での可決を受け、昨日、バイデン大統領がサインし、さっそく今年から、奴隷解放記念日、ジューンティーンスの 6月19日が新たなアメリカの祝日になりました。
Today, I had the honor of signing a bill to officially make Juneteenth a federal holiday. With this important step, all Americans can feel the power of the day, learn from our history, celebrate our progress, and grapple with the distance we still have to travel. pic.twitter.com/UN5WgCiAy2
— President Biden (@POTUS) June 17, 2021
ジューンティーンスの6月19日を目前に、上院議会では 6/15 に全会一致となり、下院議会では 6/16 に 415-14 で可決され、6/17 に、バイデン大統領がサインし、急遽、成立となりました。アメリカでは、日本と異なり、国レベルである連邦政府の祝日となっても、それぞれの州、金融市場などそれぞれで判断して祝日の扱い方を決めることができます。早速、連邦政府の職員の多くは、今年から、土曜日となる 6月19日の振替休日として、6/18(金)は、お休みとなったようです。ニューヨーク州でも、2020年に、ジューンティーンス (Juneteenth) の日が州の祝日に指定されたばかりで、州の職員も休みとなった場所がある一方、急展開での成立と言うことで、どうするか決める時間もなく、今年は、これまで通りというところも多くなっています。
アメリカで、奴隷制度の廃止と言えば、リンカーン大統領による、1863年の奴隷廃止宣言 (Emancipation Proclamation) が有名です。でもこの時はまだ南北戦争の真っ只中で、実際に、アメリカ全体として、奴隷解放を達成することができたのは、連合軍が、テキサス州ガルベストンの黒人に奴隷解放を伝えた、南北戦争終了約一ヵ月程後の1865年6月19日とされています。それから、6月19日が、ジューンティーンス (Juneteenth) と呼ばれる記念日となっています。
アメリカでは、奴隷制廃止後も、人種差別が続き、公民権運動を通じ、法的、社会的に人種によらない平等な社会の実現が、目指されて来ました。そんな中、昨年、ジョージ・フロイド事件が起こり、現在でも、人種による偏見や差別が、以前大きく存在することが明らかになり、事件をきっかけに、BLM 運動が盛り上がりました。
こちらの映像でも説明されていますが、ジューンティーンスは、奴隷制廃止における歴史的な日を祝うと共に、その後の歴史や現在の状況、人種差別のない理想の未来を考える祝日となり、様々なコミュニティで、さらに多くのイベントが開催されるようになっていくと思います。
ジューンティーンスってどんな日?
全米各地で行われる、ジューンティーンスのイベント情報と一緒に、こちらでわかりやすく紹介しています。
ジューンティーンス、アメリカの人種問題の歴史については、こちらで詳しく紹介しています。