羽を怪我して飛べない振りをするアメリカの面白い鳥!必見フタオビチドリ Killdeer の可愛い演技

Birds (13)

先日、驚きの鳥に遭遇しました。暗くなりかけた道を歩いていると、突然、鳥が現れて、怪我をしたような様子で、助けて!と言わんばかりに、羽を激しくばたつかせているのです。羽を怪我して飛べないの?と、ちょっと心配になってしまったのですが、なんとこの鳥、アメリカでは有名な怪我をして飛べない振りをする鳥で、見事に騙されてしまいました。
どうやって助けようか考えを巡らせてしまいましたが、少し離れると、普通に羽をはばたかせて飛び去って行きました。演技がうまいこの鳥は、アメリカに広く生息する、フタオビチドリ (Killdeer) です。

スローペースのこの一年、身の回りの今まで気づかなかったような自然の変化にも今まで以上に目が行くようになりました、ニューヨークでは、現在、マグノリアが満開で美しい春の景色が楽しめるようになっていますが、春の訪れは様々な動物たちからも知ることができます。先日も、春ならではの面白い鳥の行動に出会ってとても驚きました。

鳥は、通常、人が接近するなど危険の可能性を察知するとすぐに逃げて行きますが、暗くなった道を歩いていると、なんと鳥が自ら接近して来て、突然目の前で踊りだしたのです。はじめは本当に踊っていると思って驚いて見入ってしまっていたのですが、しばらく見ていると、もしかして羽をばたつかせているのは、怪我をして飛べなくて、助けを求めているの?と、ようやく気づき始めたのですが、なんと、そういう演技をする鳥がいるんですね。鳴き声に合わせて、ダンスのような華麗な動きで、思わず見とれてしまう上手な動きだったのですが、怪我をしているのかと心配になり始めてからは、どうやって助けるものなのか、本当に考えちゃいました。

実は、この鳥は、千鳥の一種、アメリカに広く生息する、胸に二本の帯柄があるのが特徴のフタオビチドリ (Killdeer) という鳥です。フタオビチドリは、繁殖期の春の産卵後、自分の身を挺して、捕食者から卵を守るために、羽が折れて、飛べない振りの演技、擬傷をして、卵から敵を遠ざける行動をするんです。ちょうど歩いて向かっていた方向に、卵があったのかもしれません。
名演技の鳥さんで、まんまと別の方向に誘導される感じで、注意を引かれてしまいました。少し離れると、鳥は、何事もなかったかのように低空飛行で、飛び去って行きました。

フタオビチドリは、駐車場や道端、建物の屋上、農園など人が活動するエリア近くに、産卵するので、こんな面白い動きもどこかで目にしたことがある人もいるかもしれません。特に巣を作ることもなく、土の上にそのまま卵を産み、演技を駆使して種として生き延びてきたようです。産卵から羽化期の春ならではの踊りと言えます。ちなみに、日本で見られるシロチドリも同様の振る舞いを見せます。

羽をバタバタとしていたかと思ったら、しばらくすると、くるっと背を向けて、羽を怪我してるの~みたいな動きをします。踊りだして驚いていたけど、演技だとわかってその名演技ぶりに本当にびっくりしました。今の季節、どこかで思いがけず出会うことがあるかもしれません。

昼間の明るい時間帯のフタオビチドリの様子は、こちら。ヒナは、物凄い勢いで成長していきます。

ニューヨークですくすく育つ可愛い野鳥のヒナたちと子育て キルディアの鳴き声とフタオビチドリの成長の様子

セントラルパークでここしばらくずっと暮らしている可愛い人気者のフクロウ君をはじめ、ニューヨーク周辺で出会った可愛い鳥たちをこちらの動画で紹介しています。設定で、最初の映像のみ720p、その他は、HD (1080p) にするとより綺麗な映像になります。

羽を怪我して飛べない振りをするアメリカの面白い鳥!必見フタオビチドリ Killdeer の可愛い演技 was last modified: 7月 14th, 2021 by mikissh