昨秋の東京滞在中、谷根千散歩の最後に、上野桜木あたりでおもしろいお店を見つけました。静かな閑静な住宅街の中、突然存在感のある光を放つモダンに改装された雰囲気のいい古民家が現れたのです。古民家は、下町風な日本の古き良き家屋の味を残しながらもモダンにデザインされていて、その中にはヨーロッパ風のお店が並んだりと、その組み合わせが面白く、独特の雰囲気を醸し出していました。
周囲は本当に静かな住宅街です。街灯も多くない落ち着いた道の奥から、突然見えた灯りに思わず近づいて行ってしまいました。
センスある雰囲気を感じますが「あたり」って何だろう?
人の家?!にしか見えないけど、普通に人々が敷地を出入りしているから、個人の家というわけではなさそうです。
やっぱり人の家にしか見えないけれど、入り口が開いているので近寄っていってみます。
おじゃましまーす、となんだか誰かのおうちに入っていくような親しみ感のある玄関です。
そしてようやく判明したのは、ここは、3軒の隣り合った古民家に色々なお店が入った、複合施設「上野桜木あたり」でした。個性的な名前のお店が並んでいます。
美味しい!カヤバベーカリー
美味しそうな香りにつられてやってきたら、そこはベーカリーでした。しかもベーカリーの目の前では、メディアのインタビュー中。お店は普通に営業中だったので、ベイカリーの中に入ってみると外国人の親子が買い物にきていて、思いがけずインターナショナルな雰囲気を感じ、なかなか活気のあるお店に思いました。そして何よりもパンのとってもいい香りが漂っていて、あれこれ色々買ってしまいました。
人気があるというお芋の入ったパンや、ナッツ、レモン、チョコなど、特徴あるパンを色々購入。モチモチ感がすばらしく、どれも本当に美味しかったです。
塩とオリーブのお店 おしおりーぶ
ベイカリーの奥のドアを入っていくと、お隣には、塩とオリーブのお店がありました。古民家の中に塩とオリーブの専門店という組み合わせがおもしろいです。食用のオリーブだけでなく、お肌にもいい商品なども置いてあり、海外のオリーブ屋さんとはまた違った、小さいながらもこまごまとした品揃えがあるところがすごく日本らしいです。
谷中ビアホール
このロケーションということで、どのくらいの人がやってくるのか分かりませんが、なんとビアホールまであります。なんだかレトロで楽しそうな雰囲気です。
このようなスペースを利用し、コミュニティーイベントが行われたりするようです。
日本のクリエイティブな古民家プロジェクトの一面を見ることができ興味深く感じました。
あたりの古民家を後にし、最寄りの駅へと向かいます。駅までの道が、ちょうど霊園のど真ん中に道があってそこを通っていくという珍しい道で、最初はドキドキしましたが、意外とたくさんの人たちが日常的に通っているようで、こういうのも海外の人にはツボになるのかな、と思いながらも、谷中霊園を通り過ぎ日暮里駅を目指しました。
そのあたりからは、押上にある東京スカイツリーも見えます。
駅近くには天王寺が。紅葉の中、光の照らされた大仏が美しく印象的です。
この他、谷根千散歩の途中、こちらにも立ち寄りました。
あらためて日本の昔ながらの風情を残したエリアを歩いてみると、やはり色々なところに日本らしさが残っていたり、それを生かした上で新しいものがつくられていたりと、なかなかおもしろい発見があり、楽しい街歩きとなりました。