ニューヨークのマンハッタンからも近い、ニュージャージー州ジャージーシティにある、アッパーニューヨーク湾に面した、リバティステートパーク(Liberty State Park) は、ニューヨークの摩天楼や自由の女神などの素晴らしい絶景ビューが魅力の州立公園です。リバティステートパーク (Liberty State Park) の一番の人気スポットは、旧鉄道ターミナルや幻想的で美しい911メモリアルなどがある、絶景ビューが見られる北部のエリアですが、実は、園内はとても広く、まだまだ魅力的なスポットがたくさんあります。広大な芝生エリアが広がり、桜並木や、森、池、入り江、塩性湿地に、ビーチまで多岐に渡った地形が広がっていて、美しい花々はもちろん、様々な鳥たちにも出会うことができる、バードウォッチングにもおすすめの公園です。
リバティステートパーク (Liberty State Park) は、ニューヨークアッパーベイに面したニュージャージー州の州立公園です。マンハッタンから近く、お天気のいい日にちょっと遊びに訪れてみるのにもおすすめの公園で、郊外にやって来たかのような自然が楽しめます。
リバティステートパーク (Liberty State Park) は、海に面している上に、園内には、淡水の池もあり、鳥たちが好きな様々な水辺の地形があるので、たくさんの鳥たちがやって来ます。そのため、バードウォッチングの人気スポットでもあります。セントラルパークほど人は多くなく、園内には、あまり人目につかない隠れスポットも多いので、のんびりとくつろいでいる鳥に出会えることも。
この時は、普段は、水中で動き回っていることが多い、ハシビロガモ (Northern Shoveler) が、日向ぼっこをしていました。なんともかわいい姿でした。
現在は、閉鎖中ですが、リバティステートパークは、通常時、自由の女神行きフェリーの発着場所の一つとなっています。自由の女神行きのフェリー乗場があるエリアが リバティステートパークの北部 となりますが、ここは、ニューヨークの Brookfield Place からのフェリーが到着したり、ライトレールからも近いことから人が多くやってくる、気軽にマンハッタンの絶景ビューを見ることができる場所です。ここのみ訪れる人も多いのですが、実は、とても広い公園で、景色のいい見どころはまだまだたくさんあり、入り江やビーチ、池まであり、びっくりさせられます。リバティステートパークをすべて回ろうと思うと、かなり広いので、歩くのが苦手な人は、サイクリングの方が園内を楽々動き回ることができておすすめです。リバティステートパークのある、ジャージーシティでは、NYC同様、シティバイクを利用することもできます。また駐車場も多く、車でも訪れやすいです。
(Liberty State Park Map by NJ – PDF)
リバティステートパークは、自由の女神が立っている、リバティ島からも近く、珍しい自由の女神の後ろ姿を見ることができます。
エリス島もすぐ近くにあり、実は、リバティステートパークから橋が架かっていて、職員さんたちが行き来しています。
海の向こうに聳え立つ、美しいロウアーマンハッタンの景色。
エリス島への橋の向こうに見えるミッドタウンの摩天楼の絶景も見逃せません。エリス島の建物やリバティステートパーク北部のかつての鉄道ターミナルの建物も趣があります。
公園の南東にある、芝生エリアには、アメリカ国旗や、ホロコーストのメモリアル、リベレーションモニュメント (Liberation Monument) があります。
実は、リバティステートパークのこの南東部のエリアは、かつて、ブラックトムアイランド (Black Tom Island) と呼ばれた島で、大爆発事件が起こった場所です。
南側の遠くには、ブルックリンとスタテンアイランドを結ぶ、ヴェラザノ=ナローズ・ブリッジ (Verrazzano-Narrows Bridge) が見えます。
海沿いの絶景遊歩道は、よく整備されていて、ランニングやサイクリングにもおすすめの道です。遊歩道からは、水鳥たちがすいすい泳いだり、潜ったりしている姿もよく見られます。
リバティステートパークの園内中央エリアは、広大な芝生エリアとなっていて、そのエリアにある、Gravel Footpath の北側には、美しい桜並木があり、今ちょうど満開となっています。
芝生エリアには、木々も点在し、美しい花も見られ、小鳥もたくさんいます。コマツグミ (American robin)、ハゴロモガラス (Red-winged blackbird)、マネシツグミ (Northern Mockingbird)、ホシムクドリ (European Starling)、オオクロムクドリモドキ (Common Grackle)、ナゲキバト (Mourning Dove)、ショウジョウコウカンチョウ (Northern Cardinal) など見かけます。リバティステートパークは、全般的に平坦で起伏がない場所なので、深い森を好む鳥は、ここにはあまりいません。
芝生エリアでは、カナダグースやブラントをはじめとしたガチョウたちが、大量に集まって大集会をしているすごい光景が見られました。
園内には、二つの入り江があります。北側の入り江 (North Cove) は小さく、ビーチのようになっていますが、残念ながら立入禁止です。
南側の入り江 (South Cove) は大きな池になっていて、こちらも立入禁止なのですが、バードウォッチングスポットでもあり、観察するには、双眼鏡か高ズームのカメラが必要です。
リバティステートパーク自然センター (Nature Center) の奥には、茂みに囲まれた淡水の池があり、水鳥が集まって来ます。タイミングによっては、マガモ (Mallard) や カナダガン (Canada Goose) に加え、アメリカガモ (American Black Duck)、ハシビロガモ (Northern Shoveler)、オカヨシガモ (Gadwall)、アメリカオシ (Wood Duck)、ユキコサギ (Snowy Egret) など様々な鳥が登場します。
池の南側には、木々に囲まれた自然探索路です。探検隊のように進んでいくと、
奥に、自由の女神が見えてきます。
黒い鳥がいっぱい枝に止まっていて、バードツリーになっていますが、高い木の上で集団で過ごしているのは、ホシムクドリ (European Starling) という鳥です。実はこのホシムクドリという鳥は、もともとアメリカ大陸には存在しなかった鳥だそうです。ホシムクドリがアメリカに現れるようになった起源はなんとセントラルパークにあり、Eugene Schieffelin さんという人が、シェークスピアに登場する鳥をアメリカ大陸にも!と、悪気のないアイデアだったようなのですが、1890年に60羽、1891年に40羽のホシムクドリ (European Starling) をセントラルパークに放ちました。それ以来、このムクドリは激増し続けているそうです。可愛らしい鳥なのですが、フルーツなどの農作物にダメージを与えたり、飛行機にぶつかってエンジンの故障などにつながる、バードストライク (Bird Strike) を引き起こしてしまう鳥なので、害鳥として知られています。
公園の南側を海沿いにさらに進んで行くと、塩性湿地帯 (Salt Marsh) が広がっていて、ここもたくさんの水鳥たちが集まる、バードウォッチングスポットです。途中、ボートが揺られていたりとリゾート感のある景色が広がっています。
途中、対岸には、静かな砂浜が見えます。
さらに進んで行くと、左手に湿地帯、右手には、ゴルフ場 (Liberty National Golf Course) があり、ここも鳥たちの隠れスポットになっていて、定番のカナダガンやカモメをはじめ、鳥たちが集まる場所になっています。
春から秋にかけては、浅瀬を好む、ダイサギ (Great Egret) もよく集まって来ます。ダイサギは、早春、ニューヨーク周辺 に戻ってきて、セントラルパークなどでもよく見かけます。
オレンジの嘴で目がクリクリとしたこちらの鳥は、アメリカミヤコドリ (American Oystercracker) です。
空を悠々と舞っているのは、アメリカヤマセミ (Belted Kingfisher)。
そして、さらに奥には、大昔の自然がそのままの姿で残されていて、鳥の自然保護区になっている、リバティステートパークの隠れスポット、Caven Point があります。10月から3月までは自然探索路が開放されていますが、鳥の繁殖期である、4月から9月末までの間は、閉鎖されています。
途中、隠れた池を横目に自然探索路を進んで行くと、とても気持ちのいい開けたビーチがあります。現在、残されている中では、マンハッタンから最も近くて、長い自然の砂浜ではないかと思います。
Caven Point は、森、砂浜、湿地からなる手つかずの自然が残されているエリアで、カモメやカモなどの水鳥はもちろん、様々な鳥がいます。そして、そんな鳥たちを狙う、タカ、ハヤブサ、フクロウなどの猛禽類もやって来ます。以前、ハヤブサの子供を見かけたことがあります。
水遊びが楽しい春から秋にかけては、閉鎖されてしまいますが、鳥たちの繁殖期終了後の10月に再びオープンします。
伸び伸びと暮らす鳥たちの様子は、こちらです。
リバティステートパークは、夕焼けや夜景も素晴らしいので、丸一日のんびりと過ごしてみるのも楽しいです。
リバティステートパークは素晴らしい絶景ビューが魅力です。幻想的な911メモリアルもあります。ニューヨークシティ近郊の遊び場としてお天気のいい日に是非遊びにいってみてください。楽しい週末を♡