毎年、個性的なホリデーウィンドウが楽しいニューヨークのミッドタウン、5番街の老舗デパート。そのうちのひとつであるロード＆テイラー (Lord & Taylor) が自社ののフラッグシップビルを売却することを発表しました。売却先は、最近、急拡大を遂げているコワーキングスペースのマネージメント会社 WeWork です。5番街のロード＆テイラー (Lord & Taylor) のビルは、来年のクリスマス以降は、WeWork の本社ビルとなることが発表されました。
デパートをはじめ、大手リテールの不振のニュースが続いていますが、今度は、ロード＆テイラーの5番街にあるフラッグシップ店舗ビルが、デパートブランドのホールディングカンパニーである Hudson’s Bay Company (HBC) から WeWork と投資会社の RhoneCapital LLC に $850 million で、売却されることが、こちらで発表されました。
数日前に、ロード＆テイラーとサックスフィフスアベニューの CEO の退任が発表されていましたが、リテール販売業にとって厳しい現実は続いており、そのホールディングカンパニーである HBC の業績も不振で、バランスシートを良くするとともに、特に北米でのデパートへの依存度を減らして行きたい HBC とコワーキングスペースを増やして行きたい WeWork の意向が一致した結果だと思います。ロード＆テイラーのフラッグシップビルだけでなく、HBC の所有する物件を WeWork が利用していく、より包括的なパートナー契約となっているようです。
ロード＆テイラー (Lord & Taylor) は、1826年に設立されたアメリカ最古の高級デパートで、2008年に、プライベートエクイティーファームに買収され、HBC 傘下の一ブランドとなっています。ビルが WeWork へ移行された後は、Lord & Taylor は、縮小した形で営業を続ける模様です。
毎年クリスマスの時期になると、このロード＆テイラーのホリデーウィンドウを楽しみに訪れる人も多くいると思いますが、さすがに本業がコワーキングスペース & 不動産投資の WeWork には、今までのような素晴らしいホリデーウィンドウを期待するのは無理かもしれません。ロード＆テイラービルの豪華なホリデーウィンドウも来年が最後となりそうです。今年はどんな素敵なホリデーウィンドウを見せてくれるか楽しみです。
WeWork は、2010年にニューヨークで誕生したスタートアップで、オフィスシェアリングと言うシンプルなアイデアで、急成長を遂げ、ニューヨークの様々な場所で見かけるようになりました。現在では、世界中での拡大を進めており、驚きの $20 billion ものバリュエーションに達しています。ベンチャーキャピタルにとって、FoMO (Fear of missing out) 効果もあると思いますが、スタートアップが使用することの多いコミュニケーションサイトの Slack や決済システムの Stripe などと同様、無数に存在するスタートアップの中からキラリと光るものを早い段階で探し当てるための貴重な情報源としての側面もあるかもしれません。
WeWrok ってどんな会社なの？とその会社をスタートさせたイスラエル出身の CEO Adam Neumann について、こちらで紹介されています。
