昨夜から、ニューヨークの華やかなリンカーンセンターで行われる夏の恒例イベント、メトロポリタンオペラの夏の無料イベント、サマーHDフェスティバル (Summer HD Festival) がはじまりました。9/4 のアメリカの祝日 Labor Day まで毎晩違う演目で行われています。昨夜は、イベント初日だったこともあり、想像以上の大入りとなっていて驚きました。それもそのはず、数あるオペラの名作の中でも、とても人気の高いモーツァルトの『魔笛』の上映でした。
毎年このMETオペラのHDフェスティバルを訪れていますが、これほどまでに人が溢れた光景を見たのは初めてかもしれません。涼しく、過ごしやすい夏の夜で、席はあっという間に満席になり、席の周りには椅子を持ってきている人、敷物を持ってきている人、そのまま座り込んでいる人たちが足の踏み場もなくなるほどたくさんいて熱気に包まれていました。
魔笛(Magic Flute)は、モーツァルトが生涯最後に完成させたもので、王子タミーノによるお姫様パミーナの救出劇かと思いきや、突然、王子がお姫様側のいるザラストロが率いる教団に受け入れられるまでの過程が描かれるストーリー展開となっています。愉快なキャラクター、パパゲーノが登場したりと、様々な楽しませる演出もされており、とても人気が高い作品です。
魔笛のハイライトとも言える名曲が、とてもドラマチックな “Queen of the Night” です。素晴らしい歌声が夜空に響いていました。パミーナの母である、夜の女王が、ザラストロを殺すようパミーナを脅す場面です。
時代背景は、古代エジプトという設定で、神がかった儀式、修行の場面も登場します。モーツァルトは、フリーメイソンに所属していたそうですが、そんな影響が随所に見られる作品です。
映像の途中で、頻繁に登場する不思議な少女。
いくつかの課題を乗り越え、魔笛を吹きながら、課された最後の苦難を2人で乗り越えます。
実際のメトロポリタンオペラの公演から作成された映像と言うことで、観客の様子も登場。
タミーノと2人の関係が、無事認められ、めでたし、めでたしとなります。
魔笛の “Queen of the Night” も含め、オペラ以外でも使用されることが多く、聞き覚えのあるオペラの名曲がこちらでまとめられています。
今年の、メットオペラサマーHDフェスティバルの演目、スケジュールはこちらです。
夏の夜のおすすめイベントです。
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