世界中どこへでも、飛行機や船で、簡単に旅することができるようになっていますが、これから10年後にはもっと驚くような旅ができるようになっていくかもしれません。地球だけではなく、ついに地球を飛び出し、火星へ行ってしまおうというプロジェクトが進行中です。本日、そんなプロジェクトも進めているロケット開発会社、SpaceX の創業者、CEOのイーロン・マスクさんによるプロジェクトの概略、進捗状況についての発表が行われました。
今回、行われた発表は、なんと、人類を火星に送り、居住するという計画についてです。漫画の世界ではありません、現実に技術の進歩はそこまで近づきつつあるんです。大きな未来の変化につながるようなプロジェクトが少ない中、この火星へ人類を送り込むというプロジェクトは、なかなか夢を描けるプロジェクトであり、期待を膨らませてくれるプレゼンでした。
人類はこれまで通り地球にとどまり続けるのか?それとも宇宙に飛び出し、他の惑星にも進出すぺきか?人類が、このまま地球にだけとどまり続けたら、何らかのきっかけで地球全体が滅びてしまう可能性があるのでは?
現在、メキシコのグアダラハラで行われている International Astronautical Congress で、イーロン・マスクさんのプレゼンはそんな問いかけではじまりました。
こちらではプレゼンのスタート部分の様子がコンパクトにまとめられています。
長いですが、フルバージョンはこちら。
こんなイメージが描かれています。
地球→火星、火星→地球へなど惑星間を移動するための、惑星間スペースシップ (Inter-Planetary Transportation) 用の新エンジン、Raptor の開発も進んでいるようです。
SpaceX propulsion just achieved first firing of the Raptor interplanetary transport engine pic.twitter.com/vRleyJvBkx
— Elon Musk (@elonmusk) September 26, 2016
火星への惑星間スペースシップ (ITS) は、思ったよりも大きいもので、なんと一度に100人程を乗せることができます。ただし、やはり火星までの道のりは遠く、到着までになんと80日から150日ほどもかかる見込みです。そのような条件ですが、上手く行けば10年以内に火星への旅がスタートするかもしれません。火星へのスペースシャトルの搭乗料金は一人 $200,000(約2000万円)。
最終的には、一度に200人ほどを乗せ、30日で移動し、料金的には$100,000 (約1000万円)ほどにすることを見込んでいるそうです。
将来的には、この新交通網により火星に数百万人単位で移住させ、自己充足的に暮らせるように開発を進めていくことが目標だそうです。
Space X は、2002年にイーロン・マスクさんによりスタートした会社ですが、着実に成果を上げ成長しています。宇宙への交通手段のコストを削減するためのロケットの再利用を提唱しており、昨年、見事に宇宙から帰ってきたロケットを再び地球上に着陸させることに成功しました。先日、再利用ロケットの発射時に爆発が起こってしまいましたが、今までの成果を見てみると、着実な進歩が見られ、将来への期待は高まります。イーロン・マスクさんらしい楽観的な見通しだとは思いますが、着実に進めて行く強い意志と安定感を感じさせてくれます。
こちらのビデオではもう少し客観的に、NASA が 2030年を目標として火星への人類到達を達成させようとしているのに対し、Space X は、とてもアグレッシブなスケジュールでプロジェクトを進めようとしていることなど多角的に解説しています。
1960年代以降あまり進展の見られなかった宇宙開発の分野ですが、このような野心的なプロジェクトを通し、現在の先進国での経済の閉塞感を破るような、目覚ましい進歩が起こっていくかもしれない、と期待させてくれます。
今さらだけど、ところで、イーロン・マスクさんって誰?についてはこちらをどうぞ。