アトランタ旅行では、アトランタを訪れたら外せない、マーティンルーサーキング牧師の聖地となっているメモリアルパーク、マーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区 (Martin Luther King Jr National Historic Site) も訪れました。マーティンルーサーキングジュニア (Martin Luther King Jr) が1968年にテネシー州メンフィスで暗殺されてから今年で50年目を迎えます。2018年4月4日がその50周年目を迎えるメモリアルの日となりますが、今アメリカ全土ではマーティンルーサーキングジュニアに関する様々なイベントが行われており、新しいドキュメンタリー映像なども登場したりしています。アトランタのマーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区には、マーティンルーサーキングジュニアの暮らした家やキング牧師が務めていた教会があり、マーティンルーサーキングジュニアについて、そして今では想像しにくい当時の時代背景に関する展示があったりと、キング牧師の功績を偲ぶことができます。
マーティンルーサーキングジュニアは、日本人にとっても、英語や歴史の教科書に登場するよく知られた人物です。「私には夢がある “I have a dream”」の演説が特に有名であり、アメリカでは、1月の第3週目の月曜日は、マーティンルーサーキングジュニアの日という祝日があり、ワシントンDCには巨大なメモリアル像まで存在しています。
キング牧師が公民権運動のリーダーであったことは広く知られていると思いますが、人種差別や隔離政策が法律的にも当たり前だった当時の様子や、そんな時代にそれらに反する公民権を主張したり、ムーブメントを引き起こしたりと、社会を大きく変えたマーティンルーサーキングジュニアという存在について詳しく知ることができる貴重な機会の旅となりました。
マーティンルーサーキングジュニアの生まれたアトランタには、キング牧師を知る上で見逃せない数々のおすすめのスポットがあり、その中心となるのがマーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区 (Martin Luther King Jr National Historic Site) です。
マーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区 (Martin Luther King Jr National Historic Site) は、アトランタのダウンタウンからすぐ東側の Sweet Auburn というエリアにあります。このエリアは、昔から黒人の多く住むエリアでした。
(MLK National Histrical Park – Map)
国立公園サービスビジターセンター
マーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区(Martin Luther King Jr National Historic Site)の一番の見どころはマーティンルーサーキング牧師の家です。家は歴史的な建物ということもあり、ナショナルパークサービス (NPS) による限定人数によるツアーでのみ中を見学することができるようになっています。ツアーチケットは無料で、ビジターセンターで先着順で配布しています。大人気のツアーなので、参加したい場合は、朝一番にチケットを受け取りに行くのがおすすめです。朝一番のツアーは10時からです。
ビジターセンターではマーティンルーサーキングジュニア、人種隔離など当時の様子を紹介した展示があったり、映像作品も上映されています。
メンフィスでの演説を終え、モーテルに滞在中、外に出た際に銃撃を受け、暗殺されたのが1968年4月4日、キング牧師はまだ39歳でした。お葬式で使用されたワゴンなども展示されていました。
マーティンルーサーキングジュニアの家
いよいよ待ちに待った、キング牧師の家の訪問です。朝早い時間にビジターセンターへ行き受け取ったマーティンルーサーキング牧師の家のチケットを持って家の前へ行きます。ビジターセンターから歩いて数分のところにあるので、少し早めに向かいます。
キング牧師の家の中は写真撮影ができませんが、センスのいいアンティーク家具が並ぶインテリアを見ることができます。牧師一家で育ったマーティンルーサーキングジュニアの逸話や当時の周辺の環境など興味深いお話を聞くことができます。ツアーは一般だけでなく、学校の遠足でやって来ている子供たちもいて、とてもにぎわっていました。
キング牧師の家のお隣には、ギフトショップがあります。ここがツアーの集合場所で、少し前に来て見て回ってみました。
マーティンルーサーキング牧師の名言を載せたお土産ものなど、グッズが色々あり、とても人気です。
アメリカ南部でだいぶ暖かく、春の始まりのとても気持ちのいい時期で、街の中を彩るお花がとても綺麗でした。
キングセンター The King Center
ビジターセンターから道路を一本挟んだお向かえに、キングセンター (The King Center) があります。キング牧師夫妻のお墓や展示がこちらにもされているので、立ち寄ってみましょう。
マーティンルーサーキングジュニア夫妻のお墓
キング牧師の夫婦のお墓がこちらにあります。キング牧師の奥さん、コレッタ・スコット・キング(Coretta Scott King)さんも、キング牧師同様、公民権運動の活動をされていました。
そんなご夫婦のお墓がここ、キングセンターの目の前の真っ青な美しい噴水のエリアにあります。
Eternal Flame
お墓の前には、永遠に灯り続ける火、エターナルフレイムがあります。万人の自由、平等への永遠の願いが込められています。
Freedom Hall
キングセンターの建物へ入ってみると、そこには開けたフリーダムホールがあります。キング牧師の家と違い、チケットは必要なく誰でも入場できる場所で、ツアーで来ている人も多く賑わっていました。
こちらでも、キング牧師にまつわる様々な展示が見られます。アラバマのバスボイコット事件の主役、ロサ・パークスさんに関する展示もありました。
マハトマ・ガンジーの影響を大きく受けたといわれている、キング牧師。意外な組み合わせのように見えるかもしれませんが、キング牧師が「非暴力主義」において、ガンジーを尊敬しモデルとしていたことが伝わってくるガンジーの展示部屋もあります。
Ebenezer Baptist Church
マーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区のもう一つの見逃せないスポットは、キング牧師が牧師を務めていたことのある教会です。キングセンターのお隣にあります。元々は、マーティンルーサーキングジュニアのお父さんが牧師を務めていた教会で、幼い頃、洗礼を受けた場所だそうで、1960年代から、マーティンルーサーキングジュニアは父親と並び、共同牧師となったそうです。ここがキング牧師としての初めての教会となります。
教会の中はとても静かでした。
美しいステンドグラスが教会を彩っています。
地下には集会用のお部屋があります。マーティンルーサーキングジュニア一家にまつわる展示もあります。
キング牧師にまつわるアート作品もありました。
ビジターセンターから駐車場へと続く小道には、The International Civil Rights Walk of Fame があり、世界の著名な公民権運動の活動家たちが刻まれています。
マーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区のビジターセンターに、どうしてインドのガンジーの像が飾られているのか最初は不思議でしたが、見学を経て、その理由に納得して帰ることができました。非暴力による公民権運動を展開した、マーティンルーサーキングジュニアが尊敬し、強く影響を受けた人物が、マハトマ・ガンジーでした。このキング牧師のメモリアルではガンジーも大きな存在感を持って紹介されています。
マーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区
Martin Luther King Jr. National Historical Park
450 Auburn Ave NE, Atlanta, GA 30312 地図
1963年ワシントンDCで行われた、キング牧師の歴史に残る有名な 「私には夢がある “I Have a dream…”」の演説です。実は “I Have a dream” の部分は、もともとのスピーチ原稿にはなかったそうで、即興だったようです。心に響く素晴らしい演説です。とてもゆっくりなわかりやすい英語で字幕付きなのでご覧ください。
マーティンルーサーキングジュニア没後、50周年メモリアルである今年、キング牧師に関する色々な角度から取り上げたドキュメンタリー映像も作られています。
例えば、メディアを効果的に利用したキング牧師のストラテジーを紹介した NBC の “Hope And Fury” (予告編)や、HBO によるあまり知られていない亡くなる前の数年間に焦点を当てた “King in the Wilderness”(予告編)などがあります。
キング牧師の故郷アトランタは、見どころ満載の今とても人気の旅行先です。