McClures (3)

ニューヨークのヒップスターピクルス The McClures

McClures (3)

先日、Murray’s Cheeseでニューヨークならではのグルメアイテムを探していて、The McClresというきゅうりのピクルスが目に止まりました。ブルックリンは、高品質グルメにフォーカスした新しいビジネスも多く、おもしろい商品が次々と生まれているので、そういうローカルのものを時々試してみています。ニューヨークには、昔から営むピクルス店もありますが、ここであえて起業し、グルメ価格で売るのだからすごく美味しいに違いないと思い、期待をこめて買ってみました。
McClures (1)

mcclures1(Hell Yeah Detroit!)

今回、試してみたピクルスは、スパイシーの方ですが、辛くないタイプもあります。おばあちゃんから教えてもらったレシピから作られたそうで、ガーリックや、ディル、ペッパーなど様々な食材が使われている個性的な味わいの一品です。他に有名な商品は、スパイシーブラッディマリーミックスだそうで、スパイシーなものが得意の様子。そのブラッディマリーの味を元に作ったチップスもあるそうです。スパイシーを食べてみた感想ですが、かなりスパシーです。おいしいですが、オリジナルのものを買った方がより味わえたかもしれません。でもスパイシーなものが得意な人には大好評です。

Mccllure(Hell Yeah Detroit!)

このThe McCluresという会社は、ふたりの兄弟を中心にしたファミリービジネスです。ブルックリンの商品かなと思い購入しましたが、現在、この商品はミシガン州のデトロイトに工場がありそちらで作っているそうです。創業前後、兄弟のうちの一人ははミシガン、もう一人はブルックリンで暮らしていたようで、商品はデトロイトで作りますが、あえてデトロイトのみの会社にはせず、ブランド作りのため、ブルックリンにも販売拠点も残した形で運営しているようです。ブルックリンの有名なグルメマーケット、Smorgasburgにも参加しています。

下のビデオにも出てきますが、もともとはおうちの小さなキッチンでお父さん、お母さんと一緒にピクルスを作っていたのが始まりだったそう。それが今では、デトロイトに、3000sq ftもあるピクルス工場を持つまでになっているようです。

ミシガン、ブルックリンで生活していたThe McClures兄弟は本格的な拠点をどこにしようか迷ったようです。自動車産業に支えられていたデトロイトは破綻前で、荒廃しきって、どうしようもない状態でしたが、ブルックリンの不動産は高騰の真っ只中。結局、家族、友人の多くはミシガンに住んでいるし、デトロイトにかけてみようということでデトロイトを拠点に選んだようです。ブルックリンもかつては工場跡の荒廃したドラッグディーラーがいるような危険なエリアだったようですが、それが今ではおしゃれなお店がたくさん並び、セレブも住むようなすごい街に生まれ変わっているんです。そういう変化を目の前で見てきた人から見たら、デトロイトの将来的な可能性が見えるのかもしれません。実は、彼らだけではなくアーティスト、アントレプレナーなども続々とデトロイトの街に集まってきていてスタートアップの拠点としても注目を集めているようです。彼らのようなスタートアップが先駆けとなり、他のビジネスもどんどん続き、デトロイトの街の再生復興が前進していくといいですね。

The McClures創業のお話です。

ちなみに、普段、ニューヨークで、よく利用するのは、ロウアーイーストサイドにあるThe Pickle Guys。こちらは、浅漬けのようなピクルスもあり、お漬物の代わりとしても頂けます。以前は、ピクルスというとハンバーガーやサンドイッチについている飾りという気がしていましたが、しっかり作られた高品質のものを食べると全然別物です。そういえば、ピクルス、キムチなどはたくさんある気がしますが、日本のお漬物屋さんって、ニューヨーク周辺にはほとんどありませんね。西海岸の方にはあるんでしょうか。意外とアメリカで受け入れられるかもしれません。
pickleguy
(PickleGuys)

ヒップスターフードと言えば、“The 22 Most Hipster Foods On The Planet”というちょっと皮肉が込められ、面白おかしく書かれた記事も。ヒップスターはさておき、例えば、チーズ、ビールの世界でもそうですが、時代は確実に大量生産から、小規模ながらも個性のある高品質のものが評価される時代へと移り変わりつつあるような気がします。

ニューヨークのヒップスターピクルス The McClures was last modified: 8月 28th, 2016 by mikissh