アメリカでは、5月の最終月曜日は、メモリアルデー (Memorial Day)(戦没将兵追悼記念日)の祝日です。2023年のメモリアルデーは 5月29日(月)です。メモリアルデーの週末は 3連休となり、様々なイベントを楽しんだり、旅行へ行ったりと、楽しい夏のはじまりの日とされています。例年、旅行に出かける人もとても多く、また、ピクニックをしたり、ビーチで遊んだり、BBQを楽しんだり、メモリアルデーイベントのパレードが開催されたりと賑やかになります。今年は、旅行を楽しむ人も昨年に比べるとぐんと増えそうです。
アメリカ人にとって大切な祝日、メモリアルデーはどんな日なのでしょうか?メモリアルデーにはどんなことをする習慣があるのか、また、メモリアルデーイベントについても紹介します。
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目次
メモリアルデーとは
メモリアルデー (Memorial Day) というと、夏の始まりの日で、真っ先に思い浮かぶのが、ビーチ開きの日であったり、BBQ や、ピクニックを楽しむ日だったり、または、大セールが開催される日、夏の旅行の始まりなど、楽しいイメージの人も多いと思います。メモリアルデーを、サマーシーズンのはじまりを告げる日として、5月のメモリアルデーから 9月のレイバーデー (Labor Day) までの間が、夏休みシーズンとなり、夏の旅行へ出かける人が大変多くなります。
そんな祝日でもあるのですが、メモリアルデー (Memorial Day) とは、本来、戦没将兵追悼記念日という、戦没者を悼むための日としてアメリカの祝日になっています。
メモリアルデーは、もともとは、南北戦争における戦没者たちを追悼するためのイベントだったのですが、現在では、広い意味で、「戦没将兵追悼記念日」となっています。11月のベテランズデー (Veteran’s Day) 同様、軍に関わるアメリカの祝日です。
メモリアルデー (Memorial Day) と ベテランズデー (Veteran’s Day) の違いですが、
メモリアルデーは、兵役中に亡くなられた、アメリカ軍の兵士たちを追悼する日です。
一方、ベテランズデー は、退役された軍人の方々に敬意を表する日となります。
メモリアルデーは、全ての戦没者を悼み、戦没者のお墓やメモリアルが美しく飾り付けされ、アメリカ各地でパレードなどのイベントが行われます。
メモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)の始まりは、南北戦争の北軍の戦没者のお墓を飾り付けするという習慣から生まれた祝日です。
戦没将兵追悼記念日は、最初は、南北戦争の北軍の戦没者のための日でしたが、その後、第一次世界大戦や、その他あらゆる戦争において亡くなられた、アメリカ軍の兵士たちすべてを追悼する日となりました。
メモリアルデーが現在のように5月の最終月曜日に祝日として制定されたのは、1971年のことです。もともとは「デコレーションデー」(Decoration Day) と呼ばれる、戦没者たちのお墓をお花などで飾る日として 5月30日に祝われていました。1968年に制定された、月曜休日統一法 (Uniform Holidays Bill) により、週末が三連休となるよう、祝日が月曜日に制定されたのです。
ちなみに、メモリアルデー (Memorial Day) 発祥の地は、ニューヨーク州ウォータールー (Waterloo) です。1866年に最初のメモリアルデーイベントが行われた場所で、1966年に、Lyndon B. Johnson 大統領により、メモリアルデーの誕生地として公式に宣言されました。
こちらの映像では、そんなメモリアルデーの歴史について詳しく紹介されています。
メモリアルデーの習慣
アメリカのメモリアルデーの習慣としては、戦没者たちのお墓を飾るのはもちろんですが、多くの人々が、楽しみにしているのが、ピクニックをしたり、ビーチへ訪れたり、バーベキューをしたり、バケーションに出かけたりなど、夏の始まりのお楽しみです。
しばらく旅行やイベントを控えていた人も多かったと思いますが、今年は、イベントも盛大に開催され、旅行者もたくさん増えそうです。
ニューヨークもメモリアルデー前の週から、すでに街中旅行者がいっぱいです。アメリカは、今年はどこも賑わう楽しいメモリアルデーになりそうですね。
また、メモリアルデーは半期に一度の大セールシーズンです。アメリカのたくさんのブランドが夏の大セールを開催します。
Amazon も Memorial Day Sale が大開催中です。
観光パス・航空券・ホテル・旅行関連のディスカウントセール も行われます!
メモリアルデーのイベント
例年メモリアルデーには、全米で様々なイベントが開催されます。
戦没者が多く眠る、ワシントンDCのすぐ近くのアーリントン墓地でも整然と並ぶ美しい墓地の中で、衛兵さんが行進したり、トランペットを演奏したりします。とても幻想的な光景となっています。
アーリントン墓地といえば、無名戦士の墓 (Tomb of the Unknown Soldier) が有名です。休みなく毎日兵士の警備が続けられています。無名戦士の墓については、こちら の映像で詳しく紹介されています。
ワシントンDCには、アーリントン墓地の他、ベトナム戦争戦没者慰霊碑 など色々メモリアルのモニュメントがあります。
ニューヨークのメモリアルデーイベント
ニューヨークでも、メモリアルデー前後には、様々なイベントが開催されます。
ブルックリンや、スタテンアイランドで、メモリアルデーパレードが開催されます。
イントレピッド海上航空宇宙博物館 (Intrepid Sea, Air & Space Museum) は、毎年メモリアルデーイベントが開催されます。
ニューヨークでメモリアルデーの時期の恒例イベントとなっているのが、フリートウィーク (Fleet Week) です。
昨年2022年は、とても巨大な USS Bataan がやって来ましたが、今年2023年のフリートウィークには、同じタイプのリードシップである USS Wasp がやって来ています。
ニューヨークでは、メモリアルデーの週末から海開きが行われ、プールもオープンします。ニューヨークで過ごす人は、コニーアイランド や ロッカウェイ など、夏らしい場所へ少し遠出して訪れてみるのもいいと思います。セントラルパークをはじめ NYC に数多くある公園でピクニックを楽しむのもおすすめです。
アメリカの歴史に興味がある人は、全米各地に様々な博物館があるので、訪れてみるのもおすすめです。
独立宣言が出されたことでも知られる、フィラデルフィアには、独立戦争など アメリカ独立期の専門博物館 があります。
アトランタ歴史博物館 では、19世紀中頃に起こったアメリカの内戦、南北戦争について、詳しく紹介されており、歴史好きにおすすめです。
カンザスシティには、第一次世界大戦博物館 (National WWI Museum and Memorial)、ニューオーリンズには、第二次世界大戦博物館 (The National World War II Museum) があります。
ニューヨークは毎年メモリアルデー連休を楽しむ旅行者がいっぱいやってきます。旅行セール も色々出ているので、お得に楽しむことができます。楽しいメモリアルデーをお過ごしください。