2014-15年のオペラシーズンが始まりました。さっそくメトロポリタン歌劇場 (メトロポリタンオペラ The Metroporitan Opera) の『カルメン (Carmen)』の初日の公演に行ってきました。とても有名な演目ですが劇場で見るのは今回が初めてです。
夜訪れるリンカーンセンターの美しさは格別です。ヨーロッパのオペラ劇場とは違いモダンな佇まい。
『カルメン』は、フランス・オペラの代表作のひとつで、最初の公演は1875年、パリにて。オペラ中の音楽は有名な曲がズラリ、誰もが一度は聞いたことがある曲ばかりなので、なじみ易い作品のひとつだと思います。とても人気の演目で、METでの最初の公演はなんと1884年、これまでに通算で1000回近く上演されています。
ビゼー(Bizet)の魅力的な音楽はどれも本当に素晴らしいです。生のオーケストラ演奏、贅沢な時間です。
音楽も楽しめるので、オペラは長くてちょっと苦手と思う人も、この作品なら退屈させません。
オペラは、本当にたくさんの役者が出演しますので見ていて圧巻です。
2011年からずっとカルメンを演じている、Anita Rachvelishvili。グルジアの出身で、ニューヨーク、ミラノのスカラ座をはじめ各地で活躍中。Carmenという役のイメージにぴったりの彼女の歌声、演技はすばらしかったです。
カルメンをちょっと覗いてみたい方は、こちらをどうぞ。数日前に行われたリハーサルの様子です。
Micaëla役のAnita Hartig。今年の春のLa BohèmeでMETにデビューしたルーマニア出身の彼女のソプラノ声は本当に美しかったです。彼女の独唱後、最後の舞台挨拶でも大喝采の拍手をあびていました。
フランス語のオペラなので、席の前の英語字幕を追いながら鑑賞します。オリジナルの言語で楽しめると一番いいんですけどね。
休憩時間の様子。ディナーをする人、バーでドリンクを楽しむ人、ロビーでおしゃべりに花が咲く人、過ごし方は色々。
オペラの時間は日常を飛び出した夢の時間。カクテルドレスに身を包む美しい女性を、タキシードできめた紳士的な男性がエスコートする、そんな場面も見られます。オペラに来る楽しみのひとつとして時には普段と違う優美なドレスを着て訪れてみるのも楽しいですね。
そういえば一時期METから度重なる寄付の勧誘の電話がありましたが、最近一段落ついた感があります。
この所の財政難により、METはMoody’sによる格付けの見直しなど、あまりいい話がありません。労働条件の再交渉が合意に至るなど、コストを抑えるとともに新たな収益源も模索しているようです。そんな中、力を入れているのはニューヨークに来てオペラを見ることのできない人にも気軽にライブに近い雰囲気で映像を提供するMetropolitan Opera Live in HDというサービス。実際のライブを撮影したものを世界各国の映画館で上映するということをはじめました。日本ではこのような予定になっています。『カルメン(Carmen)』も楽しめますよ。
ニューヨークでの公演は、同じメンバーで11月1日まで7回、その後、Elina Garancaら別のキャストで来年の3月まで8回行われます。
シーズンごとに、リンカーンセンターでは色々なイベントが行われています。
MET Opera Summer HD Festival 2022 リンカーンセンターでオペラの無料イベント今年もはじまります
リンカーンセンター Lincoln Center for the Performing Arts
10 Lincoln Center Plaza, New York, NY 10023 MAP
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