メトロポリタン美術館美しく幻想的な中国ドレス展 China: Through the Looking Glass

メトロポリタン美術館の特別展、「China: Through the Looking Glass」が現在開催中です！もともとは8月16日、今日までの予定でしたが、期間が延長され、9月7日までの開催になりましたので、まだ訪れていない方もチャンスがあります。
メトロポリタン美術館で行われる特別展はいつも楽しみにしていますが、今回の、「China: Through the Looking Glass」は、力の入れ方がすごく、今まで多くの特別展を見てきていますが、中でも特に素晴らしい展示となっていると思います。有名デザイナーたちがデザインした中国をコンセプトにしたドレスの数々も美しく素晴らしいのですが、それに加えて、その作品たちを何倍にも引き立たせて見せるトータルでの演出が本当によくできています。メトロポリタンに通常展示されている中国アート、そして映像、音楽、光を上手く使った幻想的な空間作りがされていて、とても感動させてくれる展示となっています。

メトロポリタン美術館の中国美術エリアの目玉でもあるアスターコート (Astor Court) が今回この特別展のためにこんな素敵な演出になっていました。赤く燃えるような月が空に輝き、宮廷のお庭の池に映りこむ、そんな別世界に入り込んでしまったような演出に感動の嵐です。

中国の青と白の美しい陶磁器のデザインを取り入れたドレスが本当に素敵でした。
お隣には、香水の展示もあり、おしゃれな女性たちがたくさん集まってきていました。

美術館の中国の書 (Calligraphy) が壁一面に展示されているところをバックに、中国の漢字をデザインに取り入れたシャネルとクリスチャンディオールのドレスが並びます。
外国人から見たら、とにかくクールに映るらしい漢字。

こちらのお部屋は本当に印象的でした。一歩入ったらドレスのあまりの美しさとお部屋の凛とした空気にのまれて呆然としてしまいます。この美しいドレスは、中国人デザイナー、Guo Peiさんのデザインです。ドレスの美しさに加えて周りの展示との構成、生み出す空間の演出がすごいです。

光沢のあるシルクの素材が生きた美しいドレスたち。

ゴールドとブラックというゴージャス感を出す黄金の組み合わせを取り入れながらもかわいい雰囲気のドレス。マネキンもかわいいイメージ。

アレクサンダー・マックイーンのデザイン靴も注目。

こちらは、いつも巨大な仏像が展示されているお部屋なのですが、『LOVERS (英語：House of Flying Daggers)』のカッコイイ映像がバックに流れ、この映画の世界をイメージしたような、ガラスの竹林の舞台が作られていて、周りのアートともうまく融合し美しい世界を作り出していました。

ここの空間の魅力を引きたてていたのは、何よりも、バックに流れる、『LOVERS (英語：House of Flying Daggers)』の映像と音響の効果が大きかったです。
チャン・イーモウ監督、チャン・ツィイー出演のこの映画は本当にカッコイイ、美しい華やかな中国を描いた最高傑作の映画のひとつ。

他の部屋では、同じくチャン・イーモウ監督の色使いが美しい『英雄（HERO）』の映像も。

Shigeru Umebayashiさんの曲に合わせ、チャン・イーモウ監督の作品がこんな風にまとめられていました。

豪華な映像と演出の映画ばかりでもう一度見てみたくなります。

1階のエジプト展示の近くにも展示があります。

この中国の特別展、China: Through the Looking Glass の特設ギフトショップもあります。展示のコンセプトにふさわしいおしゃれな中国の要素を取り入れたアクセサリーや雑貨などが並んでいて、女性のお客さんがいっぱいでした。100万円以上もするアクセサリーが普通に置いてあり驚きました（笑）