ニューヨークの最も人気の美術館のひとつ、現代アートのミュージアム、モマ(MOMA ニューヨーク近代美術館)は、1929年に誕生しました。常に時代に先駆けて新しい形のアートを取り上げてきたモマは、現代アート界において世界で最も影響力のあるミュージアムです。
そんな MOMA が、今までの MOMA コレクションに加えて、1929年以来、数多く行われてきた特別展の写真や文書をオンライン上で一般公開し始めました。
MOMA は、これまで MOMAコレクションの画像やデータを公開してきましたが、今回新たに、1929年から1989年までに行われた特別展の33,000もの画像と、その他、カタログ、参加アーティストなどの文書も一般公開しました。
instagram #52exhibitions にて、過去の特別展の作品の中から、毎週木曜日に一枚ずつ公開されていくそうです。
MOMA もそうですが、ニューヨークのミュージアムをはじめ、ワシントンDCのスミソニアン・インスティテュートやイェール大学、スタンフォード大学などのアカデミック機関も含め、世界中の多くのミュージアムが、このようなコレクションやその他コンテンツのオンライン化プロジェクトを進めています。世界中の誰もがアートを気軽に楽しむことができ、またその歴史を知り、調査・研究などもしやすくなることもあり、歓迎できる動向だと思います。興味がある人はこちらに著名な オンラインアートコレクション をまとめておきました。
日本からニューヨークへはじめて訪れる人は、ミュージアム館内での写真撮影が可能なことに驚く人も多いと思います。ニューヨークでは、街中にもパブリックアートが溢れ、アートはみんなでオープンに楽しむものという考えが根付いています。フラッシュなしであれば、自由に撮影できるミュージアムも多く、オンラインでシェアすることももちろん歓迎されています。
一方、日本の美術館の多くは、撮影禁止など細々とした厳しいルールがあるようです。デジタルを利用することにより、囲い込まれた堅苦しい環境から、アート作品がより多くの人に感動を与えることができるオープンな環境へ移行し、アート本来の意義が大切にされていくといいですね。見れば見るほど、伝えられれば伝えられるほど、実際にそこに足を運び、自分の目で見たい、体験したいと思うのが人の心。それまで以上に人気になっていくものだということが、ニューヨークの様子を見ていると実感できます。
MOMAのウェブサイト上のExhibition historyで公開されています。データに関してはGithubで公開されています。
MOMA 美術館についてはこちらもどうぞ。金曜日の4時から8時の間は、UNIQLO スポンサーによる フリーフライデーナイト (Free Friday Nights) で無料入場できるようになっています。