アメリカでは、これから行楽シーズンを控え、旅行計画を立てている人も多いと思いますが、旅行の行き先のアイデアとして、とてもアメリカらしいびっくりな光景が広がるおすすめスポットを紹介します。
アメリカならではの景色といえば、自由の女神や、グランドキャニオン、ヨセミテなど全米各地の様々なスポットが思い浮かびますが、外せないアメリカならではの名所の一つとしておすすめなのが、マウントラシュモア国立記念公園 (Mount Rushmore National Memorial) です。マウントラシュモア国立記念公園には、なんと巨大な岩山に、初代大統領ジョージ・ワシントンをはじめ、アメリカ史上著名な4人の大統領の顔が刻まれた、とてもスケールの大きい、マウントラシュモア国定記念建造物 (マウントラシュモア ナショナルメモリアル Mount Rushmore National Memorial) があります。ロッキー山脈の東側に位置する、グレートプレーンズ (Great Plains) にあるアメリカの州、サウスダコタ州の人気観光スポットとなっている、一度見たら忘れられない光景が広がる、マウントラシュモアの見どころと楽しみ方を紹介します。
マウントラシュモアは、巨大な岩山に、4人の著名大統領の顔が描かれた、アメリカ国立公園NPS管轄下の国定記念建造物です。
ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファソン、エイブラハム・リンカーン、セオドア・ルーズベルトの有名な大統領4人の顔が岩山のてっぺんに聳える、アメリカの有名な光景が広がる、面白い観光名所です。
日本の漫画などにも登場することもあり、一度は何かで見たことがあるという人も多いと思います。
マウントラシュモア ナショナルメモリアル (Mount Rushmore National Memorial) は、ミシシッピ川とロッキー山脈の間に、南北の細長く広がる広大な大平原、グレートプレーンズ (Great Plains) に位置する、アメリカのサウスダコタ州の南西部(Google Map)にあります。
マウントラシュモア国立記念公園への行き方は、近くに交通のハブとなるような大都市がないので、少々訪れにくいのですが、サウスダコタ州西部にある ラピッドシティ (Rapid City) から車で訪れることができ、車で30分程南に行ったところにあります。
マウントラシュモア国立記念公園の入場料は、車一台につき、$10です。アメリカ国立公園パス があれば無料で入園できます。
マウントラシュモアのメモリアルへの入口は、ワシントンDCやアーリントン墓地のような雰囲気で、重厚な感じの建築です。
入口から真っ直ぐ進んで行くと、すぐ目の前に待望のマウントラシュモアが見えてきます。
大きさに圧倒。絵を見たことがあっても、やはり、実物を見てみると圧巻です。
全米各州の旗が掲げられている道を歩いてマウントラシュモアの岩の方へと進んでいきます。
アメリカの州がそれぞれ、いつアメリカの州に加わったかがわかるものも記されています。
ニューヨーク州は、1788年に憲法を批准し、11番目の州としてアメリカ合衆国 (Union) 入りしました。
さらに進むと、メモリアルの一番の展望スポットである、グランドビューテラス (Grand View Terrace) に到着します。
ここからマウントラシュモアの全景がよく見渡せます。グランドビューテラスの奥には、円形劇場 (Amphitheater) が広がっています。
グランドビューテラスが出発点となり、大統領トレイル (Presidential Trail) と呼ばれる 30分程のサークル状のトレイルコースもあり、周辺を散策することもできます。トレイルコースの途中には、彫刻を制作したアーティストのスタジオ(Sculptor’s Studio) があり、夏の間、見学することができます。
グランドビューテラスの下には、マウントラシュモアの歴史、アーティスト、描かれている大統領などについて紹介するミュージアムが併設されています。
マウントラシュモア周辺の地形のミニチュアと工事の様子など様々な展示と共に、映像作品も上映されています。マウントラシュモア国立記念公園のアメリカ大統領の顔の建設では、ダイナマイトや空気圧ハンマーなど当時の最新技術を用いて岩山が削られました。
マウントラシュモア国立記念公園に、どうして大統領の顔が岩山が作られたのでしょう?
巨大な岩山に大統領の顔を描くというアイデアは、実は、サウスダコタの観光PRのために考えられたものでした。
19世紀末から20世紀前半にかけて活躍した彫刻家、ガットスン・ボーグラム (Gutzon Borglum) さんが、18m (60ft) もの巨大な大統領たちの顔の製作を含め、プロジェクトを担当することになりました。1927年からはじまりましたが、完成したのは 1941年で、15年以上もの歳月をかけた大プロジェクトとなりました。
ジョージ・ワシントン、トーマス・ジェファソン、エイブラハム・リンカーン、セオドア・ルーズベルトのアメリカ史上著名な4人の大統領の彫刻の詳細な写真なども展示されています。
それぞれの大統領の功績も紹介されています。こちら の NPSの映像でも詳しく紹介してくれています。
マウントラシュモアは、日没前後は、太陽の光が変化し、色が変わっていき、綺麗な光景が見られます。
じっくり見れば見る程、よくこんな巨大な岩山に彫刻を彫ったなと感心してしまいます。山の麓には、削られた岩が残されています。当初は、顔だけでなく胸像が描かれる予定だったようです。
日没後には、夜のイブニングプログラム (Evening Program) が開催され、円形劇場は観客でいっぱいになります。
気持ちのいい大自然の劇場で、映像作品が上映されます。
最後には、たくさんの人がステージに登場し、劇がはじまるような雰囲気になりました。
実は、国旗降納のセレモニーが行われました。
45分程のプログラムで、5月下旬から9月末まで毎日開催されます。悪天候の場合は、中止になることもあります。
マウントラシュモアは、夜はライトアップされ、美しく輝きます。日中、夕暮れ、夜と時間帯によって違った雰囲気が楽しめ、夜のショーも面白いので、午後からイブニングプログラムも含めて、3時間前後で訪れてみるのもおすすめです。
著名大統領の顔が聳え立つ、マウントラシュモアは、アメリカを讃える地となっていますが、一方、先住民のラコタ・スー族 (Lacota Sioux) の人々にとっては、マウントラシュモア周辺は、聖なる土地とされ、19世紀の西部開拓時代からの対立の象徴でもあります。
19世紀といえば、西部開拓の時代で、グレートプレーンズでは、先住民たちと、開拓者とアメリカ政府の間で激しい争いが繰り広げられました。マウントラシュモアがある、ブラックヒルズ (Black Hills) は、先住民のラコタ・スー族にとって聖なる地とされていた場所で、アメリカ政府は、条約により、スー族のものであることを約束していました。それにもかかわらず、後に金脈が発見されことから、土地を取り上げてしまった歴史があります。岩山に刻まれる彫刻も、もともとは、この地に縁の先住民や開拓者が想定されていましたが、彫刻家の意向で、アメリカの象徴である大統領の顔の彫刻へと変更されてしまいました。
先住民の立場から見た歴史は、こちら の映像で紹介されています。
そんなマウントラシュモアへの批判から、近くには、同じく山を削り、こちらはスー族の英雄、クレイジーホースを描いた彫刻作品を見ることができる、Crazy Horse Memorial があります。興味がある人は、こちらも合わせて訪れてみるのもいいかもしれません。
マウントラシュモアと合わせて訪れやすい国立公園は、デビルズタワーナショナルモニュメント、ウィンドケーブ国立公園(Wind Cave National Park)、ジュエルケーブ国立記念公園(Jewel Cave National Memorial)、バッドランズ国立公園(Badlands National Park) などがあります。
イエローストーン国立公園、ロッキー山脈国立公園などを含め、ロッキー山脈周辺をドライブ旅行で広範囲に巡ってみるのもおすすめです。