ニューヨークの地下鉄の駅の中には、壁画や彫刻など様々なアートが飾られていて、ミュージアムやギャラリーのように思わず見入ってしまう場所があります。最近では、2017年、ニューヨークの地下鉄の最新の延伸区間となった、セカンドアベニューQ線の駅アートが有名ですが、さらにその後 2018年に新しく登場したのが、地下鉄F線の57ストリートの駅のアート作品です。一目見たら忘れられない、イラストレーター風の独特のタッチで描く作風の著名アメリカ人現代アーティスト、アレックス・カッツ (Alex Katz) さんの作品が並ぶ、まるでミニ美術館のような楽しい地下鉄アートの駅になっています。
アレックス・カッツ (Alex Katz) さんのミニギャラリーとなっているのは、MoMA の最寄り駅の一つ、地下鉄F線の57th St です。駅に人がいないと、まるで貸し切りギャラリーのようで、ちょっとしたミュージアム気分に浸ってしまいます。アレックス・カッツ (Alex Katz) さんは、例えば、MoMA や、メトロポリタン美術館、スミソニアン・アメリカ美術館をはじめ多くの主要美術館で作品が展示されている、著名アーティストです。1927年生まれ、現在93歳ですが、現役で活躍中です。
地下鉄の駅のアートで、よくテーマとなっているのが、ニューヨーカーです。Alex Katz さんは、ブルックリン生まれのニューヨーカーで、人物画を得意としているため、適任なアーティストですが、そんな アレックス・カッツ (Alex Katz) さんの様々な人々の色々な表情を捉えた作品がたくさん飾られています。地下鉄では、壁画のような形で描かれるものが多いですが、合わせガラス (Laminated Glass) という Alex Katz さんらしい形態の作品群で、Metropolitan Faces と題されています。様々な人物を描いた、巨大なガラスパネルが、改札があるフロアいっぱいにゆったりと並んでいます。
どこか愛嬌がある個性的な表情を捉え、淡い色使いや、軽いタッチで、イラストレーター風な感じでポップに描く作風で、作品を一目見たら思い浮かぶアーティストです。
人物画の色使いに合わせ、花もカラフルなオレンジ色で描かれています。
一つの巨大ガラスパネルに、同一人物の様々な表情を描いたもの、顔を向き合わせたものなど様々なバリエーションの人物描写があります。
水色の背景に白い花。
スクラブ姿のニューヨーカーも。普段から大変なお仕事ですが、今年は、本当に大活躍でした。
ニューヨークの街角で見かける感じの様々な人々が、独特の個性的な表情で、描かれています。
白い背景に黄色い花。繊細で美しく、とても女性的な感じがします。
が、女性ではありません。アレックス・カッツ (Alex Katz) さんは、こちらの テートモダン の紹介映像に登場しているこんな方です。
人物画で有名な Alex Katz さんですが、最も得意としているのが、奥さんの Ada さんの絵です。様々な構成や表情で数多くの作品を描いていて、MoMAや、メット共に Ada さんを描いた作品が飾られています。
MoMA では、Alex Katz さんの作品は、2階に展示されています。
メトロポリタン美術館 では、1階と2階の間、正面左奥の1M にある現代アートのギャラリーに飾られています。お隣には、セカンドアベニューラインの地下鉄の駅、86th St でお馴染みのチャック・クロースさんの作品があり、ちょうど、地下鉄アートのアーティスト二人が並んで飾られています。
ニューヨークの地下鉄 についてはこちらの記事も参考にどうぞ。
セカンドアベニューライン地下鉄駅のチャック・クロースさんのアート作品は、こちらです。
アレックス・カッツ (Alex Katz) さんの作品がある MoMA も訪れてみるのもおすすめです。