公民権人権センター アトランタの新ミュージアムで学ぶ自由と平等の歴史 National Center for Civil and Human Rights

National Center for Civil and Human Rights

アトランタのあるアメリカ南部は、奴隷制のプランテーション経済により発展したエリアで、南北戦争や奴隷開放宣言後も人種隔離や差別が根強く続いた暗い歴史があります。そんな背景の中、アトランタは、マーティンルーサーキングジュニアらによる公民権運動の中心となった地であり、アメリカの社会に大きな変革を引き起こした歴史を持つアメリカ南部ならではの公民権や人権に関する歴史や現状を学ぶことができるミュージアム、公民権人権センター (National Center for Civil and Human Rights) があります。
公民権人権ナショナルセンター (National Center for Civil and Human Rights) は、アトランタのダウンタウンの中心地、アメリカ最大のジョージア水族館や、コカコーラの博物館などがある、絶好のロケーションに、2014年に新しく誕生した、現在たくさんの人々が訪れる人気ミュージアムとなっています。

National Center for Civil and Human Rights (1)

ミュージアムは、3つのセクションに分かれており、一番の見どころは、公民権獲得への歴史を紹介した “Rolls Down Like Water: The American Civil Rights Movement” です。

National Center for Civil and Human Rights (25)

現在では想像するのが難しいですが、アメリカ南部では、法律により、白人と非白人であらゆる場面で、分離しなくてはいけない時代がありました。

National Center for Civil and Human Rights (23)

そんな時代を象徴するようなシーンが、ビジュアルで紹介されています。

National Center for Civil and Human Rights (24)

アメリカ南部の州や市が制定していた、主に黒人を対象とした人種差別的な法律一般は、当時よく知られた黒人キャラクターから命名され、ジムクロウ法 (Jim Crow Laws) と呼ばれています。法制度に関わった様々な人々が紹介されています。

National Center for Civil and Human Rights (22)

鉄道の車両、待合室、バス、レストラン、トイレなど様々な場面で、白人と非白人とを分離することが法律で定められていました。

National Center for Civil and Human Rights (21)

そんな不平等に抗議するための様々な運動が行われました。こちらは、1961年の Freedom Riders。白人と黒人が混在した公民権運動の人々が、州をまたぐルートで同じバスに乗り、アメリカ南部の州に乗り込むと言う活動で、現地の警察その他に妨害、暴行を受けながらも抗議活動を行っていたそうです。

National Center for Civil and Human Rights (19)

アラバマ州のバーミンガムでは、1963年、黒人たちが集う教会 (16th Street Baptist) が、白人至上主義者によるテロにより、爆破され、少女4人が亡くなるという悲しい事件も起こりました。

National Center for Civil and Human Rights (17)

こちらは、ノーマン・ロックウェルが、1964年、分離と反分離政策の混在していた当時の状況を描いた “The Problem We All Live With” です。反分離政策で、ボディーガードに囲まれながら黒人の少女がほとんど白人生徒ばかりの学校に通う様子が描かれています。

National Center for Civil and Human Rights (20)

公民権を求め、様々なデモ行進やストライキが行われました。

National Center for Civil and Human Rights (18)

公民権運動に関わった多くの人々が紹介されています。

National Center for Civil and Human Rights (16)

公民権運動のリーダーとして活躍していたマーティンルーサーキングジュニアのテネシー州メンフィスのモーテルで起こった暗殺事件、

National Center for Civil and Human Rights (15)

マーティンルーサーキングジュニアのお葬式についても紹介されています。

National Center for Civil and Human Rights (12)

インタラクティブなコーナーがあったり、

National Center for Civil and Human Rights (10)

展示の一部として映像も上映されています。

National Center for Civil and Human Rights (13)

世界の人権活動について紹介した展示が、 “Spark of Conviction: The Global Human Rights Movement” です。ガンジー、キング牧師、ネルソン・マンデラら著名な人権活動家を紹介した Hall of Fame。

National Center for Civil and Human Rights (6)

その反対側にあるのは “Hall of Shame”。悪名高い独裁政治家がずらっと並んでいます。

National Center for Civil and Human Rights (7)

こちらは等身大です。ヒトラーは随分と背が低かったようです。

National Center for Civil and Human Rights (8)

現在でも、基本的な人権が認められていない国は、世界でどれくらいあると思いますか?アメリカや日本に住んでいると、ほとんどの国で人権が当たり前の権利だと思ってしまいますが、実はこの地図でいう黄色のエリアの国だけが平等な人権が認められている国になります。赤い国は人権に関して問題の多い国です。人権が認められている国が意外に少なくて驚きます。日本やアメリカは黄色の国、基本的人権の認められている国ですが、アジアとアフリカ大陸のほとんどは実は真っ赤に染まっています。オレンジは中間的な存在で、完全には人権が認められていない国です。

National Center for Civil and Human Rights (4)

今年は、マーティンルーサーキングジュニアが亡くなってから50周年のメモリアルの年ですが、アトランタは、マーティンルーサーキングジュニア (Martin Luther King Jr) のゆかりの街でもあります。

National Center for Civil and Human Rights (2)

地下には、マーティンルーサーキングジュニアの手紙や著書などが紹介された展示、”Voice to the Voiceless: The Morehouse College Martin Luther King, Jr. Collection” もあります。
アトランタには、マーティンルーサーキングジュニアの家やキングセンターもあり、一緒に訪れてみるといいと思います。

マーティンルーサーキングジュニア国立歴史地区 キング牧師のアトランタで知る世界を変えた偉大な影響力

ミュージアムのギフトショップは、センスのいいオリジナルデザイングッズなどが色々あり、なかなか賑わっていました。

National Center for Civil and Human Rights (3)

公民権人権センター National Center for Civil and Human Rights
100 Ivan Allen Jr Blvd NW, Atlanta, GA 30313 地図
開館時間:月 – 土: 10 AM – 5 PM  日: 12 PM – 5 PM (最終入場 4 PM)
休館日:サンクスギビングデー、クリスマス
チケット・入場料:大人 $19.99 子供(3-12歳)$16

アトランタをお得に観光できる シティパス を利用するのもおすすめです!

アトランタ旅行では他にはこんなところに訪れることができます。

アトランタ観光グルメおすすめ人気スポット最新見どころ徹底紹介!アメリカ南部旅行の楽しみ方

公民権人権センター アトランタの新ミュージアムで学ぶ自由と平等の歴史 National Center for Civil and Human Rights was last modified: 4月 22nd, 2018 by mikissh