2015年にできたばかりのシンガポールの最新の見どころといえば、ナショナルギャラリーシンガポール (National Gallery Singapore) です。美術館の巨大なギャラリーには、シンガポールと東南アジアの魅力的なアート作品が膨大な数展示されており、そんなアートをゆったりとした美しい空間で楽しめます。またアート作品以外でも、ナショナルギャラリーシンガポールで特に感動させてくれたのが、シンガポールならではの美術館の建物と、屋上からの絶景展望ビューです。
ナショナルギャラリーシンガポールは、20世紀前半に建てられたかつての市庁舎と最高裁判所という二つの歴史的な建物をシームレスに統合し、オープンスペース豊富に、自然光が多く入り込むような、最近人気のデザインで造られたとても美しい美術館です。展示作品だけでなく、この建物自体も見どころです。
美しい緑の植物が豊かで、さらに趣のある旧最高裁判所のドームやその後ろに高層ビルが立ち並ぶ現在のダウンタウンが望める美しい最上階の屋外スペース。どこへ行ってもおしゃれな空間が広がっています。
屋外展示も楽しく、おしゃれなレストランやバーもあります。
北側には、真っ白の美しい教会、St Andrew’s Cathedral, Singapore やシリンダー型の高層ホテル、Swissôtel The Stamford も見られます。
マリーナベイサンズも正面に見えます。
ギャラリーには常設展が二つあり、一つは旧市庁舎側2階のシンガポールのアートに焦点を当てた DOB シンガポールギャラリー (DOB Singapore Gallery)、もう一つは旧最高裁判所側を中心にした東南アジアアートの UOB 東南アジアギャラリー (UOB Southeast Asia Gellery) です。
その他、現在、”Artist and Empire” と題された、当時世界の最大勢力で一時代を築いた大英帝国に関するアートの特別展が開催されていました。
アジアらしい個性的な作品が色々あります。
ナショナルギャラリーシンガポール美術館は、通常、朝10時から夜7時までのオープンですが、金曜日は夜10時までオープンしているので、夜までいられる金曜日がおすすめです。
この日は午後遅めにナショナルギャラリーへ訪れ、夜、屋上へ出てみました。すると、毎晩行われている、マリーナベイサンズの光と水のショー、ワンダー・フル (Wonder Full) を見ることができました。ちなみに、ワンダー・フルは、15分間のショーで、通常、夜8時と9時からの2回、金、土のみ、さらに10時からも行われています。
ちなみに屋上のルーフトップバー Smoke & Mirrors は、とても素敵な場所です。バーのインテリア自体も洗練されているのですが、シンガポールの夜景を目の前にした贅沢なロマンティックなビューが最高です。
このバーは、毎日深夜頃までオープンしているので金土以外でも夜景を楽しむことができます。
こちらは法廷だった場所。かつての雰囲気を残したまま、作品が展示されているので、お部屋ごとに雰囲気が変わりおもしろいです。
昔の建物を生かしたまま作られた美術館なので、建物自体もまるで作品の一部のように見ることができたりします。
その下の階へ行くと、天井部分がのぞき込めたりします。ギャラリーのスタッフが色々と紹介してくれるので、自分で見ているだけでは気が付かない、こういった色々なことが楽しめます。
天井の高い真っ白な円形ホールも素敵な空間です。
シンガポールの歴史の舞台ともなった場所ということで、シンガポールがイギリスから独立した時の文書やマレーシアから分離した時の文書など歴史的な遺品が展示されている部屋もあります。
美しい廊下。
美しい天井。
モダンな作品もたくさん取り入れていて、例えば、廊下に突然、泡が噴き出すライブなアート作品まであります。
シンガポールのアーティストの作品で、飛びぬけて個性的でおもしろいと思ったのはこちらです。普通に見ていたら、いったいなんなのかさっぱりわかりません。
でも、ある一点のスポットに立って改めて作品を見てみると、なんと椅子に見えるのです。
ナショナルギャラリーのスタッフは、とてもフレンドリーで親切です。世界中の色々な美術館へ行っていますが、これほど楽しそうにお仕事をしていて、歓迎してくれる美術館のスタッフをみたことがないかもしれないほどです。それぞれのお部屋に入っていって、ふらりふらりと作品を見て周っていると、そのお部屋にいるスタッフが、声をかけてくれて、みてみて、と手招きして注目の作品を紹介してくれます。さきほどの椅子のアートも教えてもらわないとわからなかったし、この作品のアーティストさんはすごい人なんだよー、と本当にうれしそうに色々と説明してくれたります。そんなスタッフがひとりだけだったら、偶然だと思うのですが、色々なお部屋を周っているときに、そんな人に何人も出会ったのだから、本当にアートを愛しているか、おもてなし心のある人たちが働いているのかもしれません。おかげで、なんとも楽しい時間を過ごすことができました。
ソーシャルテーブル (Social Table) というものがあり、自分の好きな作品をここでチェックして、自分のeメールへ送ったりもできます。色々考えられた最新のシステムも導入されていて、世界中の様々な美術館から学んでいるのでしょう、さすがシンガポールの最新ギャラリーだと感心させてくれます。
ナショナルギャラリーは全体的にどこを見ても、洗練されたセンスのデザインですが、それはギフトショップにも言えます。まるでおしゃれなセレクトショップです。
シンガポールに来たら、アート好きの人はもちろん、その他の人もぜひ訪れて欲しいスポットです。シンガポールにはいくつかアートのミュージアムがありますが、一番のおすすめスポットだと思います。
こちらのプロモーションビデオはコンパクトですが、その雰囲気がよく伝わってきます。
ナショナルギャラリーシンガポールの華麗なリノベーションの様子はこちらの ドキュメンタリービデオ で詳しく紹介されています。
シンガポール 美術館
ナショナルギャラリー シンガポール
National Gallery Singapore
1 Saint Andrew’s Road, #01–01, Singapore 178957 地図