ナショナルパークサービス (NPS) による、2019年のアメリカ国立公園訪問者数ランキングを紹介します。もうすぐ春の絶好の旅行シーズンを迎えますが、今年は、パンデミック状態となっている新型コロナウイルス(COVID-19) の影響で、世界の様々な国々や大都市で色々な制限が課されていて、先行きが見えないのが現状です。自宅に籠っているのにも限界があり、どこかに行きたいという人も多いと思いますが、バケーション先を選ぶのも一苦労となっています。そんな中、比較的、安全な旅行先と言えば、ダイナミックな自然が魅力のアメリカ国立公園です。
現在、新型コロナウイルスの影響で、世界の様々な国で、入国制限が課されたり、人気観光スポットやレストランなどが閉鎖中のケースが増えています。ニューヨークでも多くの観光スポットやレストランが閉鎖 されていて、イタリア、フランス、スペインなどもほぼ閉鎖状態となりつつあります。そんな中、比較的安全な旅行先と言えるのが、大自然の中、あまり人が多くなく、人との安全な距離感もとれて、開放感ある楽しみ方ができるのがアメリカ国立公園で、NPS の公式サイト で最新情報が更新されていますが、ほとんどの公園が、通常通りオープンしているので、ロードトリップで、自然がいっぱいの国立公園を巡る旅行を計画してみるのもいいと思います。
アメリカの国立公園は、2016年は、NPSの設立から100周年を迎え、全ての国立公園が無料で開放されたこともあり、史上最高の訪問者数を記録しました。2017年は微減、2018年は、さらに減少となりました。アメリカの国立公園を管轄するナショナルパークサービス (NPS) による最新の 2019年のアメリカ国立公園訪問者数レポート によると、2019年は、再び盛り返し、史上3番目の訪問者数となりました。合わせて、ナショナルパークサービス (NPS) の管轄するサービスエリアの訪問者数ランキングも発表となりました。前年と比べ、2.9% 増となる3億2750万人が NPS の管轄するレクリエーションエリアを利用したそうです。
2018年は、ヨセミテ国立公園の山火事 による閉鎖、連邦政府一部シャットダウン などの影響もあり、ヨセミテ国立公園やザイオン国立公園が大きく訪問者数を減らしていましたが、復活してきています。若干順位は変動していますが、例年通りの顔ぶれとなっています。
全般的には、人口が多くハブ空港のある大都市の近くにある利便性の高いエリアや、気軽にドライブを楽しめるパークウェイ、無料で開放されているエリアの訪問者数が多くなっています。
全米国立公園訪問者数ランキング
世界的にも有名なグランドキャニオンやザイオン国立公園などが上位に並んでいますが、都市部からかなり離れたイエローストーンとグランドティトン国立公園、グレイシャー国立公園など美しい大自然を堪能できる特徴のある公園もランクインしています。
1. グレートスモーキー国立公園 Great Smoky Mountains National Park
アメリカ東海岸にある数少ない国立公園の一つで、ノースカロライナ州からテネシー州にかけた山岳エリアにあるのが、グレートスモーキー国立公園 (Great Smoky Mountains National Park) (地図)です。
四季折々の様々な景色を楽しみつつハイキングなどを楽しめる公園で、紅葉の美しさでも知られています。周囲には景観が楽しめる、ブルーリッジパークウェイがあり春から秋にかけてのドライブ旅行に人気のエリアです。The Inn at Christmas Place のようなアットホームな雰囲気の近場の町のお宿を拠点にするのもおすすめ。グレートスモーキー国立公園は入場無料です。
2. グランドキャニオン国立公園 Grand Canyon National Park
アメリカの国立公園の中でも特に有名なのがグランドキャニオン国立公園です。ネバダ州のラスベガス、アリゾナ州のフェニックスなどを拠点にアクセスするのが一般的で、自分で車で訪れる以外にもバス、ヘリコプター、ジープなど様々なツアーが出ています。朝日、夕日など光の辺り具合の変化により様々な広大な崖の絶景を見せてくれます。キャニオンの上からの眺めを楽しむのが一般的な過ごし方ですが、体力と時間があれば崖を下るトレッキングなども楽しめます。
3. ロッキーマウンテン国立公園 Rocky Mountain National Park
ロッキーマウンテン国立公園は、コロラド州デンバーから近く、かなりの高地にある公園で、ハイキングから本格的な登山まで楽しめる自然がいっぱいの公園です。車でも3000メートル後半エリアまで簡単に訪れることができ、最高峰のロングスピークは、なんと 4345メートルと本格的な装備が必要となるレベルの山もあります。
4. ザイオン国立公園 Zion National Park
巨大な岩山が連なり聖なる雰囲気を醸し出しているのが、ユタ州にあるザイオン国立公園です。ネバダ州のラスベガス、ユタ州のソルトレークシティーなどからのアクセスが便利です。初心者用から上級者用まで様々なハイキングコースがありますが、切り立った絶壁の間を流れる川を歩いていく The Narrow というコースが特に有名です。寒い冬でも、The Narrow にチャレンジする人が後を絶ちません。
5. イエローストーン国立公園 Yellowstone National Park
アメリカで最初に国立公園となり、他ではなかなか見ることが出来ない珍しいカラフルな景観が楽しめるのがイエローストーン国立公園です。火山活動の激しいエリアで、間欠泉や温泉など地球の息吹を感じることができる公園です。バイソンやカモシカなどの野生動物を見ることが出来ます。
6. ヨセミテ国立公園 Yosemite National Park
アメリカで3番目に国立公園に指定された歴史ある公園がヨセミテ国立公園で、世界遺産にも指定されています。巨大な岩山が林立し、そのスケールの大きさに圧倒される国立公園です。旅行先としてとても人気がある サンフランシスコ が最寄りにあるので、一緒に訪れるのがおすすめです。
7. アカーディア国立公園 Acadia National Park
アメリカ東海岸にある数少ない国立公園の一つが、メイン州のアカーディア国立公園です。海岸沿いにある公園で、メイン州のロブスターなどシーフードも堪能できる夏におすすめです。メイン州のポートランドが最寄りの大都市ですが、ニューヨークから9時間程と少し遠いですがドライブで訪れることも可能です。
8. グランドティトン国立公園 Grand Teton National Park
グランドティトンは、イエローストーンに隣接する公園で、一緒に訪れるのがおすすめです。イエローストーンの景観とはまた違った巨大な岩山の風景が印象的です。
9. オリンピック国立公園 Olympic National Park
シアトルから近い太平洋に面した海岸沿いのエリアの公園で、世界遺産にも指定されています。海岸からすぐのところに急峻な山脈が広がるエリアで、雨が多く温帯雨林があることでも知られています。シアトル旅行の一部として訪れると都市部では味わえない大自然も堪能できます。
10. グレイシャー国立公園 Glacier National Park
周囲に大都市がなく不便な場所にある公園ですが、わざわざ訪れる価値のある大自然が残る美しいアメリカ国立公園です。他では意外と見るのが難しいマウンテンゴートやビッグホーンシープなどに出会える確立もかなり高く、トレッキングコースで氷河を訪れることが出来たりと満足度の高い公園です。カナダのカルガリーから割と近いのでカナディアンロッキーと一緒に訪れるのもおすすめです。
アメリカ国立公園訪問者の推移
こちらは、2018年から2019年にかけての訪問者数の推移です。グランドキャニオン国立公園、イエローストーン国立公園などの訪問者数の減少が目立ちます。ヨセミテ国立公園は山火事 などの影響で、2018年に増えた反動だと思います。順位的には、ヨセミテ国立公園が、イエローストーン国立公園を抜いています。
アメリカの人気国立公園のベストシーズンについてはこちらをどうぞ。
全米国立公園サービスエリア訪問者数ランキング
NPS は、国立公園以外にもレクリエーションエリア、歴史的なメモリアル、景色を楽しむシーニックビューのパークウェイなども管轄しています。全ての管轄エリアを含めての訪問者ランキングはこちらです。
1. ゴールデンゲートナショナルリクリエーションエリア Golden Gate National Recreation Area
ゴールデンゲートナショナルリクリエーションエリアは、サンフランシスコ周辺のNPS管轄エリアで、かつての監獄の島として有名な アルカトラズ島 なども含まれます。
2. ブルーリッジパークウェイ Blue Ridge Parkway
ヴァージニア州、ノースカロライナ州、テネシー州にかけて続く景色の美しいパークウェイで、ヴァージニア州のシェナンドー国立公園エリアとノースカロライナ州とテネシー州にまたがるグレートスモーキー国立公園エリアを結んでいます。周辺には、アッシュビルなど、色々と見どころのある都市も多く点在し、ドライブ旅行に人気のエリアです。
▶️ アッシュビルで楽しむBBQ と合わせて、豪華なお屋敷ビルトモア も是非訪れて欲しい場所です。
3. グレートスモーキー国立公園 Great Smoky Mountains National Park
新緑の季節から紅葉までワシントンDC、バージニア州、ノースカロライナ州、ジョージア州を訪れた際、ちょっとハイキング気分の時に訪れるのにおすすめの国立公園です。ブルーリッジパークウェイからの絶景も一緒に楽しめます。
4. ゲートウェイナショナルレクリエーションエリア Gateway National Recreation Area
ニューヨークシティ周辺にあるのがゲートウェイナショナルレクリエーションエリアです。聞きなれない名前ですが、実は、ニューヨーク周辺の広範囲の海岸エリアは、NPSの管轄エリアとなっています。ニューヨークシティの Jamaican Bay にあるロッカウェイビーチ、スタッテンアイランドの海岸沿いの一部、ニュージャージー州のサンディーフックなどが含まれています。
5. リンカーンメモリアル Lincoln Memorial
ワシントンDCを代表するスポットの一つが、リフレクティングプール (Lincoln Memorial Reflecting Pool) とその西端にあるリンカーンメモリアルです。ワシントンDCを訪れる旅行者が必ず立ち寄る場所と言うことで上位に入っています。
6. レイクミードナショナルレクリエーションエリア Lake Mead National Recreation Area
レイクミードは、ネバダ州とアリゾナ州にかけてある1930年代に造られた巨大な人口湖で、フーバーダムがあることでも知られています。ミード湖周辺は、ナショナルリクリエーションエリアとなっており、気持ちのいいドライブコースが整備されており、エリア内では、ビーチエリア、ボート、キャンプなど様々なアクティビティーが楽しめます。
7. ジョージワシントンメモリアルパークウェイ George Washington Memorial Parkway
アメリカ初代大統領のジョージ・ワシントン邸、Mount Vernon とバージニア州ラングレーを結んだポトマック川沿いの道路がジョージワシントンメモリアルパークウェイです。さらにポトマック川の上流にある Great Falls Park なども含まれています。ワシントンDC周辺でドライブ気分の時のおすすめコースです。
8. ナッチェストレースパークウェイ Natchez Trace Parkway
ミシシッピ州ナッチェスから途中、アラバマ州を通りテネシー州ナッシュビルに続くパークウェイです。ネイティブアメリカンの時代から利用されていたという歴史的な道、Natchez Trace 沿いに作られた道路です。
9. グランドキャニオン国立公園 Grand Canyon National Park
グランドキャニオン国立公園は、様々な自然と景観が楽しめる周囲のスポットを巡る 大人気の グランドサークル 国立公園巡りの一部として訪れるのもおすすめです。
10. ガルフアイランズナショナルシーショア Gulf Islands National Seashore
メキシコ湾に面したフロリダ州とミシシッピ州の2州にまたがるアメリカ本土と島々からなる海沿いのエリアが、ガルフアイランズナショナルシーショア(Gulf Islands National Seashore) です。近くには、ペンサコーラビーチなど白砂が美しいビーチが多く、海辺で遊んだり、キャンプなどができる他、野鳥の観察なども楽しめます。
全NPS管轄エリアの訪問者数の推移
こちらは、全NPS管轄エリアの訪問者数の推移です。山火事によるヨセミテ国立公園の閉鎖の影響もあってかサンフランシスコのゴールデンゲートの訪問者が増えています。一方、ブルーリッジパークウェイの利用者が大きく減っています。洪水による一時閉鎖や連邦政府シャットダウンが影響していると思われます。政府シャットダウンに加え、トランプ大統領効果もあるかもしれませんが、ワシントンDC周辺のサイトも全般的に訪問者数が減っているようです。
ちなみに、2018年の訪問者数は、こちらです。
人気の国立公園は、2018年夏から若干値上がり しています。一年以内にいくつかの国立公園、パークウェイ、レクリエーションエリアなどを何回か利用する場合、年間パスがおすすめです。
2018年は、ミズーリ州セントルイスに、トーマス・ジェファーソンによる西部開拓を記念する歴史公園、Gateway Arch National Park、2019年は、インディアナ州、ミシガン湖畔にある砂丘を中心とするインディアナデューンズ国立公園 (Indiana Dunes National Park)、と二つの新しい国立公園も誕生しています。
今年、2020年には、これまでナショナルモニュメントだった ホワイトサンズが、ホワイトサンズ国立公園 (White Sands National Park) になりました!真っ白な砂が一面に広がり、夕日が照らす瞬間がとても幻想的で美しい素敵な場所です。
あまり人の多くない、大自然の真っ只中で過ごすスタイルが今大人気です。シティ派はこちらもご覧ください。