アメリカ国立公園の人気ランキングとなる、ナショナルパークサービス (NPS) による、2024年発表、最新のアメリカ国立公園訪問者数ランキングを紹介します。アメリカでは、これから春・夏・秋に向けて、絶好のアメリカ国立公園旅行シーズンがやって来ます。アメリカならではのダイナミックな自然が魅力の国立公園は、アメリカの定番の人気旅行先です。アメリカ国立公園の訪問者数は 2019年とほぼ同水準になってきています。今、アメリカで人気の旅行先、アメリカ国立公園の人気トップ10と、人気のアメリカ国立公園のおすすめの魅力と楽しみ方も合わせて紹介します。
アメリカ国立公園
アメリカの魅力溢れる人気の旅行先と言えば、スケールの大きい大自然の中、開放感ある楽しみ方ができる、アメリカ国立公園です。
アメリカの国立公園を管轄する、ナショナルパークサービス (NPS) は、先日、最新の アメリカ国立公園訪問者数レポート を発表しました。
アメリカでは、国内旅行者に加え、海外からの旅行者も増え、世界的にも有名なアメリカ国立公園が人気ランキングで上位になってきています。
グランドキャニオン国立公園や、ザイオン国立公園、イエローストーン国立公園、ロッキーマウンテン国立公園、ヨセミテ国立公園などお馴染みの顔ぶれが並びます。
また、アクセスのしやすさから、イエローストーン国立公園に隣接する、グランドティトン国立公園や、大都市圏から訪れやすい、アカーディア国立公園、ジョシュアツリー国立公園、オリンピック国立公園などもランクインしています。
また、有名どころの国立公園だけでなく、全体的に他の国立公園も堅調で、ジョシュアツリー国立公園を含め、20 もの NPS 管轄エリアが、訪問者数記録を更新しています。
訪問者数の多かった、人気のアメリカ国立公園ランキング 1位から 10位をみてみましょう。それぞれの国立公園の魅力も紹介していきます。
1. グレートスモーキー山脈国立公園 Great Smoky Mountains National Park
アメリカ国立公園の人気ナンバー1は、グレートスモーキー山脈国立公園 (Great Smoky Mountains National Park) (地図) です。
世界遺産のアメリカ国立公園で、アメリカ東海岸にある数少ない国立公園のひとつです。
グレートスモーキー山脈国立公園は、ノースカロライナ州からテネシー州にかけた山岳エリアにあります。
四季折々の様々な景色を楽しみつつハイキングなどを楽しめる公園で、紅葉の美しさでも知られています。周囲には景観が楽しめる、ブルーリッジパークウェイがあり春から秋にかけてのドライブ旅行に人気のエリアです。The Inn at Christmas Place のような地元民たちに人気のアメリカらしいアットホームなお宿に泊まって、近場の町も楽しみながら、そこを拠点に国立公園を訪れるのもおすすめです。
グレートスモーキー国立公園は入場料が無料です。国立公園の少ないアメリカ東部の広域から訪れやすいこともあり、なんと1944年以来、グレートスモーキー国立公園はランキングトップの人気をキープしています。2021年は、1410万人と訪問者数の最高記録を更新しました。2023年は、2022年より増え、1330万人もの人が訪れました。
2. グランドキャニオン国立公園 Grand Canyon National Park
アメリカの国立公園の中でも特に有名なのが、グランドキャニオン国立公園 (Grand Canyon National Park) です。ネバダ州の ラスベガス、アリゾナ州のフェニックスなどを拠点にアクセスするのが一般的で、自分で車で訪れる以外にも、バス、ヘリコプター、ジープなど様々なツアーが出ています。朝日、夕日など光の辺り具合の変化により様々な広大な崖の絶景を見せてくれます。キャニオンの上からの眺めを楽しむのが一般的な過ごし方ですが、体力と時間があれば崖を下るトレッキングなども楽しめます。グランドキャニオン国立公園は、アメリカを代表する国立公園で、特に海外からの旅行者が多い国立公園です。、2019年、2022年と2位が続いています。2023年の訪問者数は、2022年とほぼ同じの473万人でした。
3. ザイオン国立公園 Zion National Park
巨大な岩山が連なり、聖なる雰囲気を醸し出しているのが、アメリカユタ州にある、ザイオン国立公園 (Zion National Park) です。ネバダ州の ラスベガス、ユタ州のソルトレークシティーなどからのアクセスが便利です。初心者用から上級者用まで様々なハイキングコースがありますが、切り立った絶壁の間を流れる川を歩いていく The Narrow というコースが特に有名です。寒い冬でも、The Narrow にチャレンジする人が後を絶ちません。
2021年は、500万人もの人が訪れ、最高記録を更新しました。2023年は、2022年とほぼ同水準の462万人の人が訪れました。
4. イエローストーン国立公園 Yellowstone National Park
アメリカ最初の国立公園として有名な イエローストーン国立公園 (Yellowstone National Park) は、他ではなかなか見ることができない珍しいカラフルな景観の自然が楽しめます。火山活動の激しいエリアで、間欠泉や温泉など地球の息吹を感じることができる公園です。
バイソンやカモシカなどの野生動物を見ることができるのも楽しいです。イエローストーン国立公園があるのは、訪れにくい人里離れたエリアなのですが、近くに隣接する国立公園、グランドティトン国立公園もあるので、二つの国立公園を合わせて訪れることができ、多様な自然やリゾートライフが堪能できるのも人気の理由だと思います。
2021年は 490万人もの人が訪れ、最高記録を更新しました。2022年は大雨による土砂崩れで閉鎖されていた時期もあり、大幅減の329万人でしたが、2023年は復活し 450万人もの人が訪れています。
5. ロッキーマウンテン国立公園 Rocky Mountain National Park
ロッキーマウンテン国立公園 (Rocky Mountain National Park) は、コロラド州 デンバー から近く、かなりの高地にある国立公園です。ハイキングから本格的な登山まで楽しめる大自然いっぱいの公園です。車でも3000メートル後半エリアまで簡単に訪れることができ、最高峰のロングスピークは、なんと 4345メートルと本格的な装備が必要となるレベルの山もあります。
2021年の440万人をピークに若干減少が続いていて、2023年は412万人が訪れました。
6. ヨセミテ国立公園 Yosemite National Park
アメリカで3番目に国立公園に指定された歴史ある国立公園が、ヨセミテ国立公園です。ヨセミテ国立公園 (Yosemite National Park) は、世界遺産にも指定されています。巨大な岩山が林立し、そのスケールの大きさに圧倒される国立公園です。旅行先としてとても人気がある サンフランシスコ が最寄りにあるので、一緒に訪れるのがおすすめです。
訪問者数は 2020年は激減しトップ10 から外れていましたが、2021年以降は、順調に回復して来ていて、2023年は、390万人と増加しています。
7. アカーディア国立公園 Acadia National Park
アメリカ東海岸にある数少ない国立公園の一つが、メイン州のアカーディア国立公園 (Acadia National Park) です。地図をみてわかるように、アメリカのかなり北東にある国立公園です。
海岸沿いにある公園で、メイン州のロブスターなどシーフードも堪能できる夏におすすめの旅行先です。メイン州のポートランドが最寄りの大都市ですが、ニューヨークから9時間程と少し遠いですがドライブ旅行で訪れることもできます。
2021年は、これまでで最高となる400万人もの人が訪れました。2022年からは若干の減少が続いていて、2023年は388万人が訪れました。
8. グランドティトン国立公園 Grand Teton National Park
グランドティトン国立公園は、イエローストーンに隣接する公園で、一緒に訪れるのがおすすめです。イエローストーンの景観とはまた違った巨大な岩山の風景が印象的です。美しい自然を楽しむ他、西部開拓者たちの歴史に触れることもできます。2023年は 342万人が訪れました。
9. ジョシュアツリー国立公園 Joshua Tree National Park
ジョシュアツリー国立公園は、ロサンゼルスから車で西に2時間程の場所にある、ちょっと面白い国立公園です。園内には、無数のジョシュアツリーが林立し、幻想的な光景が楽しめます。人気上昇中の公園で、2022年は306万人でしたが、2023年は、さらに増え、327万人とこれまでの最高記録を更新しました。
ロサンゼルスからアリゾナ州へのロードトリップで立ち寄るのにおすすめです。
10. オリンピック国立公園 Olympic National Park
シアトルから近い太平洋に面した海岸沿いのエリアにあるアメリカ国立公園で、世界遺産にも指定されています。海岸からすぐのところに急峻な山脈が広がるエリアで、雨が多く温帯雨林があることでも知られています。シアトル旅行の一部として訪れると都市部では味わえない大自然も堪能できます。2023年は、295万人が訪れました。
アメリカの人気国立公園のベストシーズンについてはこちらをどうぞ。
全米国立公園サービスエリア訪問者数ランキング
ナショナルパークサービス (NPS) は、国立公園以外にも、レクリエーションエリア、歴史的なメモリアル、景色を楽しむシーニックビューのパークウェイなども管轄しています。アメリカ国立公園以外も全て含めての訪問者ランキングはこちらです。
1. ブルーリッジパークウェイ Blue Ridge Parkway
ブルーリッジパークウェイ (Blue Ridge Parkway) は、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、テネシー州にかけて続く景色の美しいパークウェイで、ヴァージニア州のシェナンドー国立公園エリアとノースカロライナ州とテネシー州にまたがるグレートスモーキー国立公園エリアを結んでいます。周辺には、アッシュビルなど、色々と見どころのある都市も多く点在し、ドライブ旅行に人気のエリアです。
アッシュビルでBBQ を楽しんだり、豪華なお屋敷 ビルトモア も訪れるのがおすすめです。
2022年は、1571万人が訪れ1位となっていましたが、2023年は、さらに増え、1676万人もの人が訪れています。
2. ゴールデンゲートナショナルリクリエーションエリア Golden Gate National Recreation Area
ゴールデンゲートナショナルリクリエーションエリアは、サンフランシスコ周辺のNPS管轄エリアで、かつての監獄の島として有名な アルカトラズ島 なども含まれます。
2023年は、2022年の 1564万人から減少し、1495万人が訪れました。
3. グレートスモーキー国立公園 Great Smoky Mountains National Park
グレートスモーキー国立公園 (Great Smoky Mountains National Park) は、新緑の季節から紅葉まで、ワシントンDC、バージニア州、ノースカロライナ州、テネシー州、ジョージア州を訪れた際、ちょっとハイキング気分の時に訪れるのにおすすめの国立公園です。ブルーリッジパークウェイからの絶景も一緒に楽しめます。
2023年は、2022年の1294万人から増加し 1330万人が訪れました。
4. ゲートウェイナショナルレクリエーションエリア Gateway National Recreation Area
ニューヨークシティ周辺にある、ゲートウェイナショナルレクリエーションエリアです。聞きなれない名前ですが、実は、ニューヨーク周辺の広範囲の海岸エリアは、NPSの管轄エリアとなっています。ニューヨークシティの Jamaican Bay にある、ロッカウェイビーチ、スタッテンアイランドの海岸沿いの一部、ニュージャージー州のサンディーフックなどが含まれています。
2023年は、2022年の873万人とほぼ同じの871万人が訪れました。
5. ガルフ アイランズ ナショナル シーショア Gulf Islands National Seashore
メキシコ湾に面したフロリダ州とミシシッピ州の2州にまたがるアメリカ本土と島々からなる海沿いのエリアが、ガルフ アイランズ ナショナル シーショア (Gulf Islands National Seashore) です。近くには、ペンサコーラビーチなど白砂が美しいビーチが多く、海辺で遊んだり、キャンプなどができる他、野鳥の観察なども楽しめます。
2023年は、2022年の569万人から大幅アップし、828万人が訪れました。
6. リンカーンメモリアル Lincoln Memorial
ワシントンDCを代表するスポットの一つが、リフレクティングプール (Lincoln Memorial Reflecting Pool) とその西端にある、リンカーンメモリアル (Lincoln Memorial) です。ワシントンDCを訪れる旅行者が必ず立ち寄る人気の観光スポットで上位に入っています。
2023年は、2022年の783万人から増加し、これまでで最高記録となる810万人が訪れました。
7. ジョージワシントン メモリアルパークウェイ George Washington Memorial Parkway
アメリカ初代大統領のジョージ・ワシントン邸、Mount Vernon と、バージニア州ラングレーを結んだ、ポトマック川沿いの道路が、ジョージワシントンメモリアルパークウェイです。さらにポトマック川の上流にある Great Falls Park なども含まれています。ワシントンDC周辺でドライブ気分の時のおすすめコースです。
2023年は、2022年の740万人とほぼ同水準の739万人が訪れました。
8. ナッチェストレースパークウェイ Natchez Trace Parkway
ミシシッピ州ナッチェスから途中、アラバマ州を通り、テネシー州ナッシュビルに続くパークウェイです。ネイティブアメリカンの時代から利用されていたという歴史的な道、Natchez Trace 沿いに作られた道路です。
2023年は、2022年の654万人からさらに増加し、678万人が利用しました。
9. レイクミードナショナルレクリエーションエリア Lake Mead National Recreation Area
レイクミードは、ネバダ州とアリゾナ州にかけてある 1930年代に造られた巨大な人口湖で、フーバーダムがあることでも知られています。ミード湖周辺は、ナショナルリクリエーションエリアとなっていて、気持ちのいいドライブコースが整備されています。エリア内では、ビーチ、ボート、キャンプなど様々なアクティビティーが楽しめます。
2023年は、2022年の558万人からさらに増え、580万人が訪れました。
ミード湖には、有名なフーバーダムがあり、人気観光スポットになっています。
10. グレンキャニオン ナショナルレクリエーションエリア Glen Canyon National Recreation Area
グレンキャニオンは、ユタ州とアリゾナ州にかけてある人工湖、レイクパウエル周辺の美しい渓谷が広がっているエリアです。近くには、アンテロープキャニオン、シューホースベンドなどがあり、周囲を様々な国立公園に囲まれている、グランドサークル の人気スポットです。2023年は 521万人が訪れました。
アメリカ国立公園の訪問者数推移
アメリカの国立公園を管轄する、ナショナルパークサービス (NPS) が毎年発表する、アメリカ国立公園訪問者数レポートによると、2021年の訪問者数は、2020年の反動もあり、44ヵ所もの場所が、軒並み過去最高の訪問者数を記録しました。一方、今年発表された、2023年の国立公園訪問者数では、2022年と同様の傾向で、有名国立公園では訪問者が横ばいに近い微増の一方、その他の多くの公園では訪問者が増え、全体では 4% 程増加しています。全体的には、最高記録を更新した 2016年には及びませんが、2019年とほぼ同水準となり、完全に通常のレベルに戻って来たと言えます。
アメリカの国立公園は、2016年は、NPSの設立100周年の年で、全ての国立公園が無料で開放されたこともあり、史上最高の訪問者数を記録しました。2020年は ロックダウンもあり、アメリカ国立公園の訪問者数は 28% 減と大幅に減少しましたが、2021年以降は一転回復し 25% の大幅増に、その後も順調に回復を続け、2023年は、2022年と比べ 4% 程増加し、ほぼ2019年と同水準にまで回復しました。
今年も、海外からの旅行者に人気のアメリカ国立公園は、さらに訪問者数が増えていくのではないかと思います。
人気のアメリカ国立公園は、混雑を避けるために、繁忙期を中心に、事前予約制を導入しているところも増えています。
2022年の訪問者数は こちら です。
アメリカ国立公園 情報
人気の国立公園は値上がりしています。一年以内に複数のアメリカ国立公園や、パークウェイ、レクリエーションエリアなどを訪問する場合は、アメリカ国立公園年間パス の利用がおすすめです。
2018年は、ミズーリ州セントルイスに、トーマス・ジェファーソンによる西部開拓を記念する歴史公園、Gateway Arch National Park、2019年は、インディアナ州、ミシガン湖畔にある砂丘を中心とする、インディアナデューンズ国立公園 (Indiana Dunes National Park) と、二つの新しい国立公園が誕生しています。
2020年には、これまでナショナルモニュメントだった ホワイトサンズが、ホワイトサンズ国立公園 (White Sands National Park) になりました。真っ白な砂が一面に広がり、夕日が照らす瞬間がとても幻想的で美しい素敵な場所です。
また、2020年末に、ウエストバージニア州に、ニューリバーゴージ国立公園 (New River Gorge National Park) が誕生しました。こちらも川沿いのダイナミックな自然の景観が楽しめる公園で、少し遠いですが、ニューヨーク周辺からロードトリップで訪れることもできる新スポットです。
アメリカ国立公園の旅行など、あまり人の多くない、大自然の真っ只中で過ごすスタイルの旅行も今人気ですが、シティスタイルの旅行も変わらず人気です。アメリカ旅行の人気都市もご覧ください。