重症コロナ患者の生存率がアップ!ステロイド抗炎症薬デキサメタゾンで死亡率大幅減

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一般に広く普及している廉価なステロイド系抗炎症薬、デキサメタゾン(Dexamethasone) が、コロナ重症患者にも大きな効果があることが発表されました!パンデミックとなり、世界中で多くの犠牲者を出し続けている新型コロナウイルスの治療法を確立すべく、様々な医療研究・ワクチン開発が進められていますが、今日、オックスフォード大学の研究者により、可能性のありそうないくつかの薬に関するクリニカルトライアルで、デキサメタゾンが、重症患者の死亡率の大幅減という素晴らしい結果が出たことが報告されました。

新型コロナウイルスは、3月頃から欧米に広がり、世界中で多くの犠牲者を出し続けていますが、現在ワクチンなど様々な医療研究・開発が進められています。ワクチンや新薬の開発には、時間がかかるため、既存の薬で治療薬として使えるものはないかを調べる研究も進められており、その効果が色々と出てきています。
4月下旬には、Remdesivir (レムデシビル) の効果が確認されましたが、今日、新たな薬のクリニカルトライアルの良好な結果が発表されました。

イギリスでは、オックスフォード大学の研究者、Peter Horby さんらを中心に、コロナに効果がある可能性があると考えられる、いくつかの薬に関して、11500人以上が参加する大規模なクリニカルトライアル、RECOVERY trial を行っていました。今日、その結果が発表され、ステロイド系抗炎症薬のデキサメタゾンが、人口呼吸器や酸素補給が必要な重症患者に対しての治療に有効で、死亡率が大幅に下がったそうです。もしイギリスで、この治療薬を最初から使っていれば、最大5000人もの命が救えたとコメントしています。

ステロイド系抗炎症薬、デキサメタゾンのクリニカルトライアルは、イギリス全域の病院で行われ、人口呼吸器を使用している患者さんの 1/3、信頼区間28-40% 程、酸素補給をしている患者さんでは、1/5、信頼区間20-25% 程、死亡率が下がった、という結果が報告されました。詳細は、こちらです。

ステロイドは、1960年頃から、リウマチや、アレルギー、喘息などに使用されている、既に広く普及している薬ですが、そのステロイドの「デキサメタゾン」を少量、最大10日間程服用するだけで効果が見られました。薬の値段が、5000円 (£35) 程と安く、シンプルな治療法で、優れものとのことです。ただし、重症患者以外には、ほとんど効果がなかったようです。

詳細なデータの公表が待たれます。

当初、コロナというと、肺炎など呼吸器系の病気として治療に取り組まれていましたが、実は、肺や呼吸器だけでなく、血栓などの問題もある病気ということが分かって来ました。血栓が起こるメカニズムは、はっきりとしていませんが、その原因の可能性の一つが、免疫系が過剰に反応してしまう「サイトカインストーム」が挙げられています。実は、ウイルスそのものというよりは、ウイルスをやっつけようとする際の過剰免疫反応が、症状の悪化をもたらしているケースが多く、その炎症を抑えることこそが大切なことだと再確認された事例といえると思います。少しづつ新型コロナに対する治療法が見えてきて、より多くの命が救えるようになってきて、希望が見えてきているのは本当に嬉しいことです。

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重症コロナ患者の生存率がアップ!ステロイド抗炎症薬デキサメタゾンで死亡率大幅減 was last modified: 6月 16th, 2020 by mikissh