ニューヨークのロウアーイーストサイドにある現代アート美術館、ニューミュージアムは、3月中旬からの閉鎖を経て、9月15日に再開しました。ウィズコロナ時代の今ということで、時間指定チケットの事前購入、マスク着用、入館時には検温とコロナ対策ルールの下での再開です。トップフロアのスカイルームからは、中々見る機会がないロウアーイーストサイドからのマンハッタンビューが楽しめる他、独特の色使いが印象に残る世代の離れた2人の個性的なアーティストの特別展などが開催されています。アート好きはもちろん、建築や写真好きにもおすすめの美術館です。
ニューミュージアム (New Museum) は、ニューヨークのロウアーイーストサイドにある、コンテンポラリーアートミュージアムです。日本の建築ファーム、SANAA がデザインした建物に入っている美術館で、大きさの違う箱が積み重なった感じの細長い面白い印象的な建築になっています。
コレクションを持たず、世界各地のアーティストの特別展を中心とする国際的な現代美術館で、来年からは、ギャラリー拡張のため、隣接した新館の建設が予定されています。
ウィズコロナのニューヨークで、今多くのミュージアムで必須となっているのが、時間指定チケットの事前購入で、ニューミュージアムでも必須となっています。詳細は、こちら です。
建物への入館前には、体温チェックが行われます。
館内では、エレベーターに人数制限があったり、階段は、上から下への一方通行になっていたりしています。
NYCの屋内文化・エンターテイメント施設では、ウィズコロナのルールにより通常時の 25% 以下のキャパシティで運営されているため、ギャラリーは、全般的にとても空いています。一つの部屋には、自分一人だったり、多くても数組程度の感じになっています。ギャラリー内には、ソーシャルディスタンス確保の目安となるように床にシールが貼られています。
階段は、下り方面への一方通行なので、まず最初にエレベーターで、最上階の7階にあるスカイルームを訪れてみました。ここは、イベント会場などで借りることもできるスペースです。
ニューミュージアムのスカイルームでは、屋外に出て、マンハッタンビューを楽しむことができます。テラスはこんな感じです。
ロウアーイーストサイドということで、普段あまり見ることがない方向からのマンハッタンビューが見えます。ワンワールドトレードセンター、トライベッカ一高い、ブロックを組み合わせた感じのコンド、56 Leonard Street、ボザール様式の NYPD のかつての本部があった建物、窓がないブルータリスト建築風の連邦政府の建物など多種多様なビルが立ち並んでいます。
ミッドタウン方面の景色も見られます。
ギリギリの角度で、お馴染みのエンパイアステートビルも見えます。
ミッドタウン西部の最新開発エリア、ハドソンヤードもよく見えます。
まだ見慣れない、今週の月曜日、9月14日に完成式典が行われたばかりの、グランドセントラル駅の隣にできたばかりの最新オフィスビル、One Vanderbilt も見えます。One Vanderbilt は、高さ 1401ft (427m)と、ワンワールドトレードセンターに続き、完成したビルとしては、ニューヨークで2番目に高いビルとなっています。ただし、57th St に建設中のコンド用スーパースレンダービル2棟にもうすぐ追い抜かれるため、4番目となります。メットライフビル、クライスラービル、57th St のスーパースレンダービルと一緒に見えています。
ギャラリーでは、開催期間を延期し、3月の閉鎖前に引き続き、二人のアーティストの特別展が開催されています。
3階と4階の2フロアでは、サンフランシスコ出身のアメリカ人アーティスト、Peter Saul さんの生涯に渡る、60点程もの作品が集まった CRIME AND PUNISHMENT と題された特別展が行われています。Peter Saul さんは、1934年生まれのベテランアーティストで、蛍光色のような独特の色使いのポップアートを社会や歴史風刺にした作風で知られています。
サンフランシスコを描いた作品。ゴールデンゲートブリッジやタワーなどみんながよく知る名所が描かれていますが、何か危機感が感じられます。
社会的なメッセージを込めた、歴代大統領をはじめ、世界各国のトップ、戦争など歴史に関する風刺画も数多く描いています。
2階では、こちらは対照的に、繊細な感じのタッチで何気ない日常の光景や人々を描いた作品が並んでいます。こちらは、1989年にコロラドで生まれ、ニューヨークを拠点に活動するアーティスト、Jordan Casteel さんの WITHIN REACH と題された特別展です。こちらの作品は、人が青く描かれていますが、Jordan Casteel さんも独特の色使いが印象に残ります。
身の回りの人を何気ない日常の中で描いた肖像画もとても味があります。
昨年、ロサンゼルスの現代美術館、MoCA の特別展で見かけた、ニューヨークの街角のちょっとしたサプライズを描いた作品も展示されていました。
一階の奥は、インストレーションアートのギャラリーになっています。少し、LA の MoCA の外にあるインストレーションアートを彷彿とさせる奇想天外なマテリアルの組み合わせで制作されています。こちらは、ラトビア出身パリを拠点に活動するアーティスト、DAIGA GRANTINA さんの WHAT EATS AROUND ITSELF と題されたインストレーションアートで、布やゴムなど柔らかい素材が使用されていますが、色使いも明るく、とても躍動感がある作品が並んでいます。ニューミュージアムは、さくっと短い時間で楽しめる気楽なミュージアムです。
ニューミュージアムの特別展
ニューミュージアムでは毎回、様々な個性的なコンテンポラリーアートの特別展が開催されています。おすすめはこちら。
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