ニューヨークのアート美術館の中でも、最も斬新な最新アートの展示が行われるミュージアムが、ロウアーイーストサイドにある、ニューヨークのコンテンポラリーアート美術館、ニュー・ミュージアム・オブ・コンテンポラリー・アート (New Museum of Contemporary Art) です。先日、久しぶりに訪れてみましたが、ニューミュージアムらしい、とても楽しいアートの世界が繰り広げられていて、とても盛り上がっていました。中でも、一番面白かったのが、アルゼンチンの著名アーティスト、Marta Minujín のコーナーで、人気ドラマ、Stranger Things のような不思議な世界が作り出されていて、観客は体験しながら楽しむ、体験型インストレーションになっていて、みんなでワクワクしながらアートの世界を進んで行き楽しい時間を過ごしました。
ニューミュージアム
ニューミュージアム (New Museum) は、1977年に設立された、ニューヨークのコンテンポラリーアートミュージアムで、2007年から、日本の建築ファーム、SANAA がデザインした現在のロウアーイーストサイドの建物に移ってきました。New Museum という名前の通り、最新の現代アートをテーマとし、コレクションは持たず、期間限定の特別展を中心とする美術館で、年々人気が高まり、入場者も増えて来ています。
来年からは、現在の建物に加え、隣に、オランダ人著名建築家、Rem Koolhaas のファーム、OMA のデザインの新館の建設がスタートし、2022年には、美術館のギャラリースペースが倍近くに拡張される予定となっています。
SANAA のデザインによる現在の建物は、そのままの形で、最終的には、別々のデザインの2棟が連結され、行き来できるようになるようです。
MARTA MINUJÍN: MENESUNDA RELOADED
ニューミュージアムの3階で開催されているのが、著名なアルゼンチン人アーティスト、MARTA MINUJÍN の MENESUNDA RELOADED という特別展です。1968年に行われたという展示を再現した体験型インストレーションアートで、アトラクションのような楽しい雰囲気になっています。入口では、スタッフによる簡単な説明があり、前の人との間隔を空けて、順番に中へと入っていきます。
華やかなネオンの世界に入ってきました。階段を上り、2階へ行きます。
下りの階段があり、降りてこようと思ったら、ベッドでくつろいでいる女の子たちが目の前に!!
びっくりしながらも、寝ている人たちの横をそーっと歩いて下の階へ降りてきます。失礼しました~。
あれれ?振り出しに戻る?さっきの入り口にまた戻ってきてしまいましたが、指示通り、再び2階へ上がり、さっきと少し違う経路を行きます。
なんだか不思議な世界にやってきました。
好きな香りを聞いて、手首に香水をつけてくれるお姉さん。
その先にはなんだかぐるぐると回っているものが。。。ぐるぐる回る扉を潜り抜けて次のお部屋へ向かいます。続いているお部屋が二つあるので、正しい方に入らないといけません。
なんだかとんでもない洞窟に入ってきてしまいました。行き止まりにぶつかり、また次のお部屋へ。
ふわふわの道を一生懸命歩いて、次のお部屋へ。
出口の暗唱番号って何?番号知らないよー、て困っていたら、なんなく次に進めてしまいました。
巨大な冷蔵庫の中へ入っていきます。
突風が吹くミラールームまであります。話を聞いているだけではわけがわからないと思いますが、とんでもないゲームに参加してしまったみたいな感覚の体験型アートです。面白いので是非体験してみてください。
こちらの楽しいアトラクション型インストレーションアートは、2019年9月15日までとなっています。
1968年に行われた展示を再現した今回の展示について、こちらの映像で紹介されています。
MIKA ROTTENBERG: EASYPIECESH
ニューミュージアム2階の見どころは、MARTA MINUJÍN と同じく、アルゼンチン出身で、現在ニューヨークで活動しているアーティスト、MIKA ROTTENBERG の展示です。このアーティストさんもなかなかの個性派であっと驚かせてくれます。
鼻が伸びるピノキオを連想させる作品から、真珠工場を連想させる作品など、独特な世界観が炸裂します。無心に真珠を種分けする真珠工場で働く人々の様子を作品にした映像など、一つのことが繰り返される現象に美を見出したアート作品が色々あります。
ポニーテールがぴょんぴょん跳ねる作品。MIKA ROTTENBERGさんの作品は、実は見るのは初めてではなく、特にこの象徴的な作品ははっきりと記憶に残っています。
前回見たのは、マイアミの美術館です。面白い作品がたくさん集まる、マイアミビーチのコンテンポラリーアートミュージアム、バス美術館を訪れたときです。
ギャラリーでの展示と、
その作品の先にある、映像作品の世界をシンクロさせてみるなどの見せ方の手法が面白いです。
時々突拍子もない世界へ連れていかれてしまったりもします。
でもそんな MIKA ROTTENBERG さんの世界観は、みんなの興味を掻き立てていて、人気があります。行列ができるほど人気になっているのは、
この口のアートです。
覗いてみるとある世界が見えてきます。
くるくると回る爪や、
ジュージューいって煙があがるフライパン。
ぽたぽたとしたたる水が植物に吸収される様子を作品にしたもの。
一定の速度でひたすらくるくる回る扇風機。
MIKA ROTTENBERG さんの作品を初めてみると、衝撃を受けてびっくりする人も多いかもしれませんが、今回作品の数がたくさんあったこともあり、なんとなく以前よりはわかる部分があったような気がします。何気ない日常の中の一瞬にアート性を見出すことができるアーティストさんで、その一瞬をそのまま作品にすることもあるけれど、そこから妄想の世界へと入り込んでいく、個性的なアーティストさんで、ニューミュージアムにマッチしています。2019年9月15日までの展示です。
LUBAINA HIMID: WORK FROM UNDERNEATH
4階では、タンザニア出身で、イギリスで活動する女性アーティスト、Lubaina Himid さんの Work from Underneath と題された展示が行われています。Lubaina Himid さんは、2017年に、イギリスで、50歳以下のアーティストの中から選ばれる栄誉あるヴィジュアルアートの賞である、ターナー賞を受賞したアーティストです。
アフリカらしい色使いやモチーフの作品の数々が展示されています。
巨大なカラフルな板が、絶妙のバランスで立てかけられたこんな作品もあります。
イラスト風の作品もあったりと様々な媒体の作品があります。2019年10月6日までの展示となっています。
DIEDRICK BRACKENS: DARLING DIVINED
1階の奥のギャラリーでは、珍しい織物アートの作品が展示されています。テキサス出身のアーティスト、DIEDRICK BRACKENS さんの展示で、西アフリカの織物、ヨーロッパのタペストリー、アメリカ南部のキルトを融合した作品の数々が展示されています。あらゆる文化が身近に存在し、融合するアメリカならではの作品です。2019年9月15日までの展示です。
1階にはレトロ可愛いカフェがあり、休憩できます。
ニューミュージアムは展示も独特ですが、ギフトショップの品揃えもなかなか個性的です。クールなグッズも見つけられるかもしれません。コンテンポラリーアートのアーティスト関連の本なども揃っています。
ニューミュージアムの現在の建物は、実は日本人建築家グループによりデザインされた建築です。
こちらのビデオでは、ニューミュージアムのコンセプトとその日本の建築家グループ SANAA により設計されたその建物について紹介されています。
ニューミュージアムの特別展
ニューミュージアムでは毎回、様々な個性的なコンテンポラリーアートの特別展が開催されています。おすすめを紹介します。
🔸 New Museum サーフィンアートが印象的な Raymond Pettibon 特別展
🔸 ニューミュージアム スカイルームからの絶景マンハッタンビュー
🔸 ニューミュージアムに有名黒人現代アーティストたちの力作が大集合!
🔸 ニューミュージアム いつも刺激的なニューヨークのコンテンポラリーアート美術館
毎週木曜日の夜は Pay what you wish で、好きな金額で美術館に入場することができます。ちょっと普段とは違った刺激になるものを見てみたい時におすすめのミュージアムで、来てみると何か新しいアイデアが思いつくかもしれません。
ニューミュージアム New Museum
235 Bowery, New York, NY 10002 MAP
開館時間:
火・水 11 a.m.–6 p.m.
木 11 a.m.–9 p.m.
金-日 11 a.m.–6 p.m.
入場料:
大人 $18
シニア $15
学生 $12
子供 無料
* 木曜日:7 p.m.–9 p.m.: Pay-What-You-Wish
また、ニューヨークパスでも入場できます。
ニューヨークにはまだまだ他にもたくさん楽しめるミュージアムがあります。