ニューヨーク州の知事、アンドリュー・クオモさんが、辞意を表明し、2週間後の8月24日に辞任することを発表しました。クオモさんと言えば、昨春、NYCを襲ったコロナ危機時に、様々な医療リソースの確保に奔走し、連日、会見を行い活躍した、コロナ危機の顔の一人として、世界に広く知られる存在となりました。そんな活躍の裏で、噴出して来たのが、これまでセクシャルハラスメントの被害にあったという11人の女性の声です。先日、これまで調査に当たっていた、ニューヨーク州司法長官によるセクシャルハラスメントの事実を確認するレポートが発表され、クオモさんの動向に注目が集まっていましたが、今日ついに、辞任の発表に至りました。
アメリカでパンデミックがはじまった昨春、前大統領のトランプさんと並んで、一躍、コロナ危機の顔となったのが、ニューヨーク州知事、アンドリュー・クオモさんです。トランプさんに立ち向かい、連日の会見が大人気となっていました。両者共に、ニューヨークのクイーンズ出身で、党派やスタイルは異なりますが、ある種、強権的な気質は共通するところがあり、パンデミックという危機時に、目立ったリーダーシップを発揮しました。
またインフラプロジェクトなどにも力を注ぎ、ラガーディア空港 のリノベーションや 地下鉄のトンネル工事、新ペンステーションの モイニハントレインホール など様々なプロジェクトも推進してきました。
そんな活躍と人気を背景に、湧いて来たのが、これまでクオモさんによりセクシャルハラスメントの被害にあったという女性たちの声です。これまでニューヨーク州司法長官、Letitia James さんを中心に調査が進められていましたが、先日、セクシャルハラスメントの事実は存在したというレポートが発表され、辞任を求める声が高まっていました。
My statement on the independent investigation into the alleged sexual harassment claims against Governor Cuomo: pic.twitter.com/DfBC0xaI37
— NY AG James (@NewYorkStateAG) August 3, 2021
そして今日、アンドリュー・クオモさんは、2週間後の8月24日に辞任することを発表しました。辞任後は、現在、副知事 (Lieutenant governor) である、Kathy Hochul さんが、州知事を務める予定で、ニューヨーク州で初の女性知事が誕生することになります。クオモさんは、行き過ぎた行動は認めているもののセクシャルハラスメントの事実を認めておらず、今後も争っていくとしていますが、州政府を潤滑に機能させていくために辞任する、としています。
デルタ変異型で再燃するコロナ、経済復興など問題は山積する中、新知事の活躍を期待しましょう。
I agree with Governor Cuomo's decision to step down. It is the right thing to do and in the best interest of New Yorkers.
As someone who has served at all levels of government and is next in the line of succession, I am prepared to lead as New York State’s 57th Governor.
— Kathy Hochul (@LtGovHochulNY) August 10, 2021
クオモさんは、コロナ危機初期の活躍を受け、一時は、大統領候補にという呼び声も上がっていましたが、突然の凋落となってしまいました。