ニューヨークでは、イベントが開催されるようになりすっかり日常の賑やかさを取り戻しつつありますが、今日、6月15日、18歳以上の少なくとも一度のワクチン接種をした人の数が、ついに目標としていた 70%に達しました!CDCにより推奨されている学校や公共交通機関でのマスク着用など一部を除いて、キャパシティ制限や、ソーシャルディスタンスなどコロナ対策に関するほぼ全ての制限が、今日を持って終了することが発表されました。
2020年3月中旬からずっと続いてきた非常事態が、ようやく一段落となる記念すべき日がやってきました。エッセンシャルワーカーへの感謝も込めて、今夜は、エンパイアステートビルをはじめ、ニューヨーク州の様々なモニュメントが青と金色でライトアップされる他、ニューヨークハーバーなどニューヨーク各地でお祝いの花火が上げられます。
ニューヨーク ほとんどの制限終了へ
ニューヨーク州では、昨年3月以来、マスク、ソーシャルディスタンス、キャパシティ制限など様々なコロナ対策に関する州の制限が継続されてきましたが、いよいよその制限も終了となります。完全経済再開に向け目標 としていた、18歳以上で一回だけでもワクチンを打ったワクチン接種率が、昨日、ついに 70% を越えたことを受け、今日、ニューヨーク州知事のクオモさんにより、ニューヨークの制限の終了が発表されました。
ビジネスやソーシャルな場での制限は、ほぼ全て終了となりますが、CDCが推奨している、学校、公共交通機関、病院などのヘルスケア機関でのマスク着用などは、これまで通り継続されます。また州から強制されることはなくなりますが、しばらくは、それぞれのビジネスやイベント主催者の判断で、コロナ対策を継続していく所もあります。
ニューヨーク お祝いのライトアップと花火開催
今夜は、ニューヨーク州内の様々なモニュメントが青と金色でライトアップされると共に、午後9時15分頃には、花火も予定されています。
Today is a momentous day, and New Yorkers deserve it because it has been a long, long road.
In honor of the lifting of nearly all COVID restrictions, and in gratitude of our essential workers, we'll have fireworks across the state to celebrate.
Look out for them at 9:15pm! 🎆
— Andrew Cuomo (@NYGovCuomo) June 15, 2021
ニューヨークシティ周辺では、エンパイアステートビル、ワンワールドトレードセンター、グランドセントラルターミナル、ペンステーション などが青くライトアップされ、ニューヨークハーバーで、花火が打ち上げられます。ナイアガラの滝 も青くライトアップされます。
お祝いの花火の様子は、こちら。
もうすぐやってくるニューヨークの大イベント、メイシーズの独立記念日花火大会 は、通常に近い形で開催される他、7月7日には、エッセンシャルワーカーへの感謝を表するパレード、Hometown Heroes Parade が予定されています。この調子だと、毎年恒例で行っていたその他のパレードなどのイベントも復活していくのではないかと思います。
アメリカ各州のワクチン接種 70%以上の州と50%以下の州
ワクチン接種が進むアメリカでは、今日現在、18歳以上の人の70%以上が少なくとも一度のワクチン接種を済ませた州が、下図の濃い青色の州となります。
昨日、新たに加わった、ニューヨーク州 (70.2%) を含め、上位から、バーモント州 (83.8%)、ハワイ州 (82%)、マサチューセッツ州 (80.6%)、コネチカット州(77.4%)、ニュージャージー州 (76.5%)、メイン州 (76.3%)、ロードアイランド州 (74.2%)、メアリーランド州 (72.3%)、カリフォルニア州 (72.2%)、ワシントン州(71.9%)、ニューハンプシャー州 (71.8%)、ワシントンDC (70.1%) の12州とワシントンDCとなります。
一方、ワクチン接種が進まない州もあり、まだ 50% 未満となっているのは、ミシシッピ州 (45.1%)、アラバマ州 (46.9%)、ルイジアナ州 (47.2%)、ワイオミング州 (48.4%) の 4州です。アメリカ全体では、現在、64.6% の接種率です。アメリカ全体で、目標としている独立記念日の7月4日までに 70% 達成というのは現状では少し難しいかもしれません。
ワクチン1回接種の効果と変異種への効果
連邦政府や州では、現在の所、少なくとも一度のワクチン接種をターゲットとしています。
J&J のワクチンは、一回のみで完了となる一方、ファイザー (Pfizer-BioNTech) と モデルナ (Moderna) のワクチンは、2度の接種が必須となっています。
気になるのは、ファイザー (Pfizer-BioNTech) と モデルナ (Moderna) を一度接種するとどれ位の効果があるのかということです。CDC の こちら の研究によると、2度の接種では、94% 程の効果となっていますが、1回目の接種だけでも 82% 程の効果が期待できるようです。一回で完了する J&J のクリニカルトライアルの結果は、66.3% なので、ファイザー (Pfizer-BioNTech) と モデルナ (Moderna) の一回目の接種だけでも J&J 以上の効果はあるようです。
現在、世界中に急速に広がり、注目を集めている、CDCにより variant of concern に指定されている、デルタ型と呼ばれるインドで登場した変異種ですが、イギリスの ファイザー (Pfizer-BioNTech) と アストラゼネカのワクチンの臨床データによると、変異種にも効果が確認されているようです。
デルタ型に対する ファイザー (Pfizer-BioNTech) と アストラゼネカのワクチンに関する、Public Health Scotland や Public Health England の研究によると、デルタ型に対しても効果があるとされています、特に、重症化して入院する可能性を大きく減少させるという点で効果を発揮していていますが、感染自体に関しては、ファイザー (Pfizer-BioNTech) は 79%、アストラゼネカは 60% と他の変異種と比べ感染の可能性は高まっています。デルタ型の感染率を下げるためには、2回目の接種の重要性がより高まるという結果となっています。