セントジョンザディバイン大聖堂ニューヨークフィルハーモニックの人気メモリアルデーコンサート！

ニューヨークは、メモリアルデーの三連休は好天に恵まれ、街中は旅行者で溢れかえり大賑わいとなりました。そんな三連休の最後となるメモリアルデーの夜の恒例イベントが、セント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂のニューヨークフィルハーモニックによる、メモリアルデーコンサートです。アップタウンのモーニングサイドハイツにある、セント・ジョン・ザ・ディバイン大聖堂 (Cathedral of St John the Divine) で 1991年から毎年開催されているコンサートです。ここ数年は、バーチャルや教会内は関係者のみとなっていましたが、今年は、久しぶりの一般開放となり、たくさんの人が幻想的な教会内での素晴らしいオーケストラの演奏を楽しむことができました。

ニューヨークでは、フリートウィークをはじめ、
メモリアルデー前後には、様々な恒例イベントが開催されていますが、そんなイベントの一つが、ニューヨーク一の巨大な教会、セントジョンザディバイン大聖堂で、1991年から毎年開催されている、ニューヨークを代表する交響楽団、ニューヨークフィルハーモニック (New York Philharmonic) によるメモリアルデーコンサートです。ここしばらくは、バーチャル、教会内での鑑賞は関係者のみなど変則的な開催となっていましたが、第30回目となる今年2022年のコンサートは、通常モードに戻り、誰でも参加できる、久しぶりの賑やかな開催となりました。
アップタウンのモーニングサイドハイツにある教会の周りには、無料チケット配布時刻の5時前には、久しぶりのコンサートを楽しみにやって来た人々の大行列が出来ていました。

行列は、裏庭の方まで続いています。最後尾に並んで、のんびりと待ちます。後ろからもどんどん人がやって来て、さらに行列は伸びていきます。

午後5時からチケット配布が開始されました。コンサート前に少し自由になる時間があるかな？と思っていましたが、ワクチン接種チェックなどがあるため、そのまま入場する形式になっていました。

教会内に入ると、青いライトアップの中、世界各国の国旗が美しく掲げられた幻想的な空間が広がっています。最前席は、VIP用となっており、一般席は、その後ろからで順番に空いている席に座って行きます。前方の席で鑑賞したい人は、早目の時間にやって来る必要がありますが、とても大きな教会で座席数もとても多いので、後ろの席でもいいという人は、わりと遅めの時間でも入場できたのではないかと思います。

コンサートは、午後7時から1時間半程で、ウォーカー (George Walker) の Lyric for Strings、ドビュッシー (Claude Debussy) の Prelude to the Afternoon of a Faun、ワグナー (Richard Wagner) の Tristan and Isolde – Prelude and Liebestod、ドビュッシー (Claude Debussy) の La Mer の幻想的な4曲が演奏されました。どんな曲かな？という人は、こちらを参考にどうぞ。Lyric for Strings(Youtube), Prelude to the Afternoon of a Faun(Youtube), Tristan and Isolde – Prelude and Liebest(Youtube), La Mer(Youtube)。

2018/2019 シーズンからニューヨークフィルハーモニックの指揮者をしている、Jaap van Zweden さんが指揮を行い、素晴らしい演奏を披露してくれました。Jaap van Zwedenさんの指揮スタイルはどこか、前任者のアラン・ギルバートさんを彷彿とさせました。

青い光で照らされた教会とファンタジー風の幻想的な曲がとてもマッチしていました。

メモリアルデーは、もともとは、アメリカ軍の戦没者を悼むイベントとしてはじまったものですが、セントジョンザディバイン大聖堂でのメモリアルデーコンサートは、その範囲は拡大され、世界中のパンデミック、災害、戦争などでなくなったあらゆる人の追悼が込められています。今年は、特にロシアによる侵攻により苦しんでいるウクライナの人々に捧げられ、ウクライナをはじめ世界各国の難民の援助などを行っている NPO の International Rescue Committee がパートナーとなり、寄付が募られていました。こちらで、寄付することができます。

教会の周囲には、美しいステンドグラスがあり、様々なアートや911事件のメモリアルなど様々なものが飾られています。

午後9時までとなっていましたが、少し早く午後8時40分頃に終了となりました。素晴らし過ぎる感動の演奏に大満足でした。

教会の南側には、Pulpit Green と呼ばれる庭園があり、こちらでも演奏の様子が流され、鑑賞することができるようになっていました。庭園には、印象的な彫刻の平和の噴水 (Peace fountain) があります。こちらは、Greg Wyatt さんの1985年の作品で、善と悪との葛藤をテーマに、堕天使ミカエルがサタンと戦っている様子が描かれ、よく見てみると、キリンやカニなど面白いキャラクターも登場していて、ファンタジーな世界感が感じられ、ここでも個性的なセントジョンザディバイン大聖堂の一面が感じられます。