ニューヨークを初めて訪れる人が気になるのが、アメリカ入国のために必要な準備やニューヨークでの交通手段だと思います。先日パリ旅行で、実際に利用してみて感じたパリの交通事情を紹介しましたが、それぞれの都市には、独特な交通事情があります。今回は、ニューヨークを訪れる旅行者が知っておきたいアメリカ入国の準備と、ニューヨークの交通事情、宿泊事情などニューヨーク旅行をする上で知っておきたい基本情報をまとめて紹介します。
ニューヨーク旅行前に必須の基本情報
アメリカ入国に必須のESTA
アメリカへの旅行計画を立てた後、実際に旅行に出発する前までに必須となる手続きがあります。日本のパスポートを持っている人は、アメリカでの滞在が90日以内であればビザは必要ありませんが、オンラインでの手続きが可能なESTA(エスタ)と呼ばれる渡航認証が必要となります。アメリカ旅行決定後、忘れないうちに早目に手続きをしてしまうのがおすすめですが、遅くとも入国の3日前までには取得しておきましょう。
ESTAの取得方法
・出発の72時間前までに取得します。
・個人で申し込む場合はインターネットで申し込みます。
・料金は $14。クレジットカード支払い。
・申請フォームを入力後、渡航認証許可が表示され完了となります。
できれば画面のプリントアウトもしておくといいでしょう。
・ESTA についての詳細は こちら をご覧ください。
ESTA は一度取得すると2年間有効となります。ただし、2年以内でもパスポートの更新がある場合は、再取得する必要があります。グアム、サイパンなど一部の地域を除き、アメリカ訪問前に必須の手続きなので、忘れないように準備しましょう。
仕事や留学などで、アメリカでの長期の滞在を予定している人は、前もってビザの取得が必要となります。ニューヨーク暮らし の記事も参考にして下さい。
ニューヨークへのフライト
ニューヨーク行きの直行便は、成田空港と羽田空港から運航しています。東京 → ニューヨークは、約13時間、ニューヨーク → 東京は 約14時間と、かなりの長時間フライトとなります。フライトの行きと帰りで、約一時間ほど飛行時間が違います。
日本からの直行便が到着するニューヨークの空港は、以下4つの航空会社があります。
到着空港は、ほとんどがJFK空港となりますが、1社だけニューアーク空港になります。
空港 | 航空会社 |
ジョンエフケネディ空港 (JFK) 着 | JAL、ANA、アメリカン航空 |
ニューアーク空港 (EWR) 着 | ユナイテッド航空 |
JALとアメリカン航空、ANAとユナイテッド航空はコードシェア便、共同運航便になることがあります。例えば、ANA の飛行機自体はJFK空港着ですが、ANAのサイトからユナイテッド航空のニューアーク空港着の飛行機を予約したりすることもできます。
日本からニューヨークまでは、直行便の他、乗り継ぎ便で経由してくる方法もあります。アメリカでの乗り継ぎの場合、最初の入国時に、入国審査と税関チェックを受ける必要があります。預けていた荷物を一度ここで受け取り、入国審査を受けるので、余裕を持った乗り継ぎ時間を確保しておく必要があります。直行便がベストですが、乗り継ぎ便の場合、カナダのトロントやバンクーバー、韓国のインチョンなどアメリカ国外での乗り換えがスムーズでおすすめです。ちなみに、アメリカでは出国審査はないので、アメリカからの帰りの便は、アメリカ国内で乗り継ぎがあっても面倒ではありません。
アメリカへの航空券を購入時または購入後に、航空会社のサイトにて事前に以下の基本情報を登録する必要があります。
・氏名
・生年月日
・性別
該当者のみの項目
・Redress Number(同性同名などで識別しておきたい時に与えられる特別なID)
・Known Traveler Number(TSA pre-check, Global Entry などの登録者)
これは、米国運輸保安局(TSA)による保安強化のため実施されているセキュア・フライト・プログラム (Secure Flight Program) と呼ばれるシステムで必要となる情報です。
機内持ち込み荷物と預け荷物
・手荷物検査:米国での荷物検査は厳格です。
・預け荷物:アメリカ行きのスーツケースは、預けた後、乗客の立ち合いがない場所で開けて中身を確認する可能性があります。そのため、アメリカ行きの場合にはTSAロックの鍵のスーツケースがおすすめです。
TSAロックというのは、米国運輸保安局(TSA)認定の鍵のことで、この鍵に対応したスーツケースだと、鍵をかけて預けていても、検査の人は開けることができます。
もし、TSAロック対応ではないスーツケースで鍵をかけて預けてしまうと、検査しなければいけなくなった際に、鍵を壊して開けられてしまう可能性もあります。
アメリカ入国
入国審査
・ニューヨークの空港の入国審査ゲートはいつもとても混んでいます。飛行機が到着してから実際に外に出られるまで1時間以上はかかるつもりでいましょう。待ち時間は こちら のサイトでチェックできる他、スマホ用のアプリ、MyTSA も用意されています。
・最近は入国審査官に会う前に、機械での手続きが必要となっています。
以前まで、税関申告書に記入していた内容や、入国審査官に質問されていた簡単な質問などを機械で自分で Yes or No または選択肢を選んで答えるような簡単な内容のものです。顔写真の撮影と指紋採取も行います。
アメリカの全ての空港で、必ずしもこの機械による手続きをするとは限らないのですが、そうではない場合は、従来の方法で、入国審査官の質問に答えて、写真撮影と指紋採取をします。
入国の際に質問されることは、滞在期間、滞在目的などです。
税関を通る時に、前もって機内で配布され、記入済みとなっている税関申告書を提出しますが、機械で手続きをするケースは、税関関連事項について入力済みなので提出が不要となります。
空港からの移動
ニューヨーク周辺には、ジョンエフケネディー空港 (JFK)、ラガーディア空港 (LGA)、ニューアーク空港 (EWR)の3つの空港があります。空港からマンハッタンへの移動方法については、こちらを参考にして下さい。
ニューヨークの市内交通
ニューヨークには、24時間運行の地下鉄の他、バス、フェリー、イエローキャブまで、様々な交通機関があり、便利に移動することができます。昔は危険だった地下鉄も、最近ではかなり安全になっています。
地下鉄
ニューヨーク中を網羅し、最も利用頻度が多いニューヨークの公共交通機関といったらやはり地下鉄です。こちらの地図にあるように、マンハッタンはもちろん、市内全域を網羅し、24時間運行しています。メトロカードを購入して乗車しますが、以下「乗車券と料金」にて詳細を紹介しています。
ニューヨークの地下鉄は、1904年から続く歴史ある交通システムです。そのため、整備や工事も多く、特に、週末は路線の変更や閉鎖などスケジュールの変更が頻繁にあるので注意が必要です。
バス
バスは、特にマンハッタンでは道が混雑していることも多いので、旅行者にはあまりおすすめではありません。ただし、地下鉄で行きにくい場所を訪れる時や地下鉄の駅まで遠い時などには、便利な存在です。バスは、複雑な路線となっていますが、グーグルマップを利用すれば、旅行者でも活用できます。通常、バスは、乗車時にメトロカードで乗車料金の支払いを行います。アッパーイーストサイドとアッパーウエストサイドを結ぶ86th Street沿いなど、時々、Select Bus Service (SBS) と呼ばれる路線があります。SBSの路線では、乗車前に、券売機のような機械にて、メトロカードで支払いを済ませ、レシートを取得し、乗車します。
ルーズベルト島トラムウェイ
番外編ですが、MTAの管轄する交通機関としてマンハッタンとルーズベルト島を結ぶトラムウェイがあります。地下鉄やバスから乗り換えることもでき、スパイダーマンの映画のような空中散歩が楽しめます。
フェリー
周囲をハドソンリバーとイーストリバー、そしてニューヨーク湾で囲まれたニューヨークには、いくつかの会社によるフェリーが運航しています。
その中で、旅行者にとって最も使い勝手がいいおすすめなものは、昨年からスタートした ニューヨークフェリー (NYC Ferry) です。MTA とは別で、地下鉄やバスへと乗り換えることはできませんが、地下鉄と同料金の2.75ドルで、利用できます。マンハッタンとブルックリンやクイーンズなどのウォーターフロントへの移動に便利です。フェリー乗場にある券売機や専用のアプリで、料金を支払います。
ニューヨークフェリー NYC Ferry 観光 乗り方 航路 料金 徹底紹介!ニューヨークの絶景が楽しめるおすすめ水上ルート
また、スタテンアイランドフェリーというスタテンアイランドへ向かう途中、自由の女神を眺められる無料のスタテンアイランドフェリーも人気があります。
この他、少し料金は高くなりますが、以前からある NY Waterway や New York Water Taxi などいくつかのフェリーがあります。
タクシー(Yellow Cab)
マンハッタンでの短距離の移動に便利なのがタクシーです。たくさん走っていますが、混雑時は、意外と捕まえるのが大変です。
シェアライドサービス
空港への移動など長距離の移動や地下鉄、バスで訪れるのに不便な場所への移動に便利なのが、Uber や Lyft などのシェアライドサービスです。
MTAの乗車料金
ニューヨークの中心で最も利用することが多いのは、地下鉄とバスですが、乗車には、共通で使えるメトロカードが必要になります。
メトロカードには、主に二つの使用方法があり、一つは、前もってチャージしておき、改札を通るたびに金額が引き落とされていく方法、もう一つは、期間中乗り放題となる方法です。子供料金はありませんが、身長110cm以下、または、3歳以下の子供の乗車は無料になります。
メトロカードは、地下鉄の駅にある券売機で購入でき、新規購入時にカード代が1ドルかかります。5ドル以上チャージすれば、5%のボーナス額が加算されます。例えば、20ドル分チャージするとボーナスとして1ドルが付いてきます。一回の乗車は、一駅でも端から端まででも距離に関係なく、一律2.75ドルです。
乗り放題は、7日券、30日券の2種類があり、7日券は32ドル、30日券は121ドルです。1週間以上の長期滞在で、地下鉄やバスを利用するつもりの人は、こちらを購入しておくと便利です。
地下鉄を一度だけ使用したいという場合は、メトロカードとは別に、通常料金より高くなりますが、3ドルで、一回券を購入することができます。
地下鉄からバス、バスから地下鉄、または、バスからバスは、2時間以内の乗り換えが可能です。地下鉄間の乗り換えは、通常、改札内での移動となり、改札を出てしまうと、一部の駅を除き、乗り換えとはみなされず、新たにチャージされてしまいます。ルーズベルト島へのトラムウェイへも乗り換えが可能です。
メトロカードは、改札を通る時のみ必要で、改札を出る時は使用しません。したがって、プラットフォームや電車内で検札が行われることもありません。乗り放題のメトロカードは、使用後、複数人での利用を防ぐために、一定時間利用できなくなります。一方、金額をチャージしたメトロカードは、複数人でシェアして使用することができます。
公共交通機関ということで、通常、割引はありませんが、タイムズスクエアにあるビッグアップルパスの窓口では、チャージ可能なメトロカード(現地購入価格:$12 → $11 )、または7日間乗り放題のメトロカード(現地購入価格:$33 → $32)をお得に入手できます。ビッグアップルパスを購入時に、まだメトロカードを持っていかなかったら一緒に購入してみるのもおすすめです。
ニューヨーク周辺の交通
PATH
マンハッタンのワールドトレードセンター、ミッドタウンのヘラルドスクエアとニュージャージー州のジャージーシティ、ホーボーケン、ニューアークなどを結ぶ交通システムがPATHです。ニューヨークの地下鉄とは別の交通システムですが、同料金の2.75ドルで、チャージしてあるメトロカードを使用し、乗車することが可能です。
Metro North Railroad
グランドセントラルステーションとウエストチェスターやコネチカット州など北部の郊外を結ぶ電車が、メトロノース(Metro-North)です。主に、通勤列車となっており、利用時間が、通勤の時間帯かそうでない時間帯かによって料金が変わります。グランドセントラルステーションで、事前に購入し、乗車します。
LIRR
ペンステーションとNYCからハンプトンやモントークなどNYC東部のロングアイランドを結ぶ電車が、ロングアイランドレイルウェイ (Long Island Railroad) です。JFK 空港へ向かう時に利用することもできます。こちらも通勤列車で、利用時間が、通勤の時間帯かそうでない時間帯かによって料金が変わります。ペンステーションで、事前に購入し、乗車します。
NJ Transit
ペンステーションとNJ郊外を結んでいるのが、NJ Transitです。ペンステーションで乗車券を購入し、乗車します。
Amtrak
ニューヨークのペンステーションとワシントンDCやボストンなど東海岸の大都市間を結ぶ高速鉄道が、アムトラック (Amtrak) です。アムトラックを利用する場合、事前にオンラインで購入しておくのがおすすめです。
長距離バス
ニューヨークとワシントンDC、フィラデルフィア、ボストンなどとを結ぶ長距離バスが、Greyhound、Megabus、Bolt など様々なバス会社により運行されています。タイミングによっては、激安価格で主要都市間を移動することができます。バス予約サイトの Wanderu などで様々なバス会社の料金一覧を調べることができます。なお、バス会社により出発場所は異なり、不便な場所となっていることも多いので購入の際は、注意しましょう。
ニューヨークでの宿泊
ニューヨークには、有名ブランドホテルから面白いコンセプトを持ったブティックホテル、リーズナブルホテル、ホステル、Airbnb、サービスアパートメントなど様々な宿泊施設があり、旅行スタイルや用途に合わせて選択することができます。ニューヨークは、宿泊施設がたくさんあり、オンライン旅行サイトで簡単に予約できるので、通常、そんなに前もって準備する必要はありません。ただし、特定の泊まってみたいホテルがある場合や大きなイベントがある時期などは、早目に予約しておくと安心です。
ニューヨークには、面白いコンセプトのホテルがたくさんあり、次々と新しいホテルも誕生しているので、滞在中、いくつかのホテルに滞在してみるのもおすすめです。それぞれのホテルで、タイミングによっては、お得なディールも出ていることがあるので、ブッキングドットコムなどのサイトをチェックしてみるのも手です。
長期の滞在の場合、ホテル代はかなり高額になってしまうので、Airbnb(エアビーアンドビー)や週や月単位で借りられる家具付きアパートなどを利用してみるのもいいかもしれません。
今回の記事で紹介していない以下記事のその他の基本情報も是非参考にして下さい。