ニューヨークの5番街は、世界のブランド店が並ぶ華やかな高級ショッピングストリートのイメージがある通りですが、近年では、様々なブランドの旗艦店の閉店と開店により大変動を続けています。そんなニューヨークのフィフスアベニューの 52ストリートの角に、昨年11月に新しく登場したのが、ナイキ (Nike) の巨大旗艦店 “House of Innovation 000” です。その個性的な名前にも表れていますが、これまでのお店とは一味違った、その場所ならではの特別な体験を提供してくれる、ナイキの心意気が感じられる新コンセプトのお店となっています。
アディダスのある所にナイキあり、ナイキのある所にアディダスあり、という感じで、アディダスとの熾烈な争いを繰り広げる、世界一のスニーカーブランドのナイキが、新しいフラッグシップ店を、ニューヨークの5番街にオープンしました。$35million という巨額のリースで、2016年のニューヨークのトップリースディールとなった絶好のロケーション (650 Fifth Avenue) に、6フロアからなる巨大ストアとなっています。
お店に入った瞬間、いつものスポーツウェアやスニーカーのお店という感じではなく、相談しながら購入するメガネ屋さんのような雰囲気となっています。
ここは、”Nike Arena” と呼ばれるエリアで、商品の販売ではなく、靴紐などスニーカーの部位などを好みに応じて、既存商品をカスタム化することができる場所になっています。
お隣は、工房のような Maker’s Studios と呼ばれる、未来的な雰囲気のスタジオです。新しいものが創造されそうなスペースになっています。
2016年にオープンした アディダスの5番街のフラッグシップ店 を受け、それを越える新コンセプトの店舗を作る、という意気込みが感じられる店内で、オンラインでは体験できないことを積極的に提供していくという、今後のリテール業界の方向性が感じられます。
2階は、女性用のスポーツウェアコーナーです。
気持ちがいいくらい、洗練されたお洒落なデザインのものが揃っていていい感じです。
3階は、男性用のスポーツウェアコーナーです。ランニング用、
バスケ用など色々なスポーツウェアが置かれています。
そして、4階は、スニーカーミュージアムのような雰囲気の Nike Sneaker Lab です。やっぱりスニーカーコーナーは大人気。
ディスプレイもカッコいいです。ナイキのファン、スニーカー好きは、特に楽しいコーナーになっています。
未来的なクールなテーマのディスプレイ。
4階には、Tシャツコーナーもあります。カッコいいTシャツが見つけられそう。
5階は、Nike Expert Studio です。お客さんはあまりいない静かなフロアです。前もって予約し、専門家に個別のニーズを相談できるコーナーだそうです。
こちらもファッションミュージアムのようなディスプレイとなっています。
女性ものもたくさんあり、女性のお客さんもたくさん来ていますが、お店の雰囲気はどちらかというと男性的なデザインな感じです。
地下1階には、オンラインでの人気商品を集めた Nike Speed Shop があります。Nike App で購入すると、レジに並ぶことなく、そのまま持ち帰ることができるそうです。
それぞれの好みに応じてカスタム化ができたりとオンラインでは提供できない、インタラクティブな体験が楽しめる店舗となっています。
Nike NYC 650 5th Flagship
650 5th Ave, New York, NY 10019 地図
ナイキは、日本の ASICS の前進、Onitsuka Tiger のディストリビューターの Blue Ribbon Sports として1964年にスタートした老舗企業ですが、消費者の趣向やテクノロジーの変化に合わせ、現在でも成長を続ける世界一のスニーカーブランドです。ライバルのアディダスとも熾烈な競争を繰り広げています。
5番街の 46ストリート には、アディダスのフラッグシップ店があり、こちらの店舗も工夫が凝らされています。
49ストリートには、プーマのフラッグシップ店もオープンしています。
この他、Gap のフラッグシップ店は、2019年1月20日に閉店を予定している一方、以前、FAOシュワルツがあったロケーション (767 Fifth Ave) には、今年、Under Armor のフラッグシップ店がオープン予定となっています。また、Puma は、昨年、サックスフィフスアベニューの南側、609 5th Ave のリース契約を完了し、そのうち Puma のフラッグシップ店も登場すると思います。と言うことで、5番街がすっかりスニーカー・スポーツウェア通りとなっていきそうです。