クイーンズの不思議と癒されるくつろぎの空間ミュージアム イサムノグチ庭園美術館

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クイーンズのアストリアにある、ノグチミュージアムに行ってきました。日系アメリカ人アーティスト、イサムノグチさんのかつてのアトリエだった場所が、イサムノグチ庭園美術館となっていて、いつ訪れても癒される居心地のいいミュージアムです。
ニューヨークフェリー (NYC Ferry) の アストリア航路もスタートし、イサムノグチミュージアムにとてもアクセスしやすくなり、マンハッタンからもちょっとした観光気分で訪れることができるようになりました。明日からはいよいよ9月、ちょうど第一金曜日で、月に一度の入場無料の日となるので訪れてみるのもおすすめです。

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イサムノグチ庭園美術館は、クイーンズのアストリア、イーストリバー近くのウォーターフロントにあるミュージアムです。もともとは、イサムノグチのアトリエに併設された、不定期のミュージアムとして1985年にオープンしました。そして2004年からは一年を通じてオープンする本格的なミュージアムとなり今に至っています。
マンハッタンからのアクセスは、今までは地下鉄からバスに乗り継ぐか、最寄り駅から美術館まで20分程歩かないといけませんでしたが、ニューヨークフェリー (NYC Ferry) のアストリア線の運航もはじまり、より便利になっています。

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ノグチ美術館のみどころ

ノグチミュージアムでは、毎週水曜日から日曜日まで2時から無料のガイドツアーが開催されています。ほとんどは英語のツアーですが、時々日本語のガイドツアーもあります。イサム・ノグチの生涯についてや、注目すべき作品、作品の見方など、とても丁寧に解説してくれるツアーです。

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アート、インテリア、パブリックスペースなど幅広い分野で活躍したアーティストで、様々な媒体を利用した作品を残しています。
このミュージアムでは、石の作品が数多く展示されています。

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美術館に入ってすぐ目にする展示がこちらの大きな石の作品になりますが、外とのつながりがあり、晴れている日は柔らかい日の光が注ぎ込み、雨の日は水しぶきがかかり石が輝き、雪の日は白い雪が舞い降りてきて白い世界を作り、自然と一体となった作品を楽しめるようになっています。

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とてもかわいい色合いのピンクとホワイトのマーブルの大理石の作品群。

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今年2017年は、第2次世界大戦時の1942年に、Franklin D. Roosevelt が発令した、アメリカにおいて日本人、日系人が強制収容されることとなるという大統領令 (Executive Order 9066) から75年目になる年です。そのため、”Self-Interned, 1942: Noguchi in Poston War Relocation Center” と題されたテーマの特別展が行われています。
イサム・ノグチは、当時ニューヨーク州の住人で、強制収容の対象外だったそうですが、大統領令への反発と、日系人コミュニティーを盛り立てようという良心から、自発的にアリゾナ州にあった強制収容施設へ向かい、そこで過ごした時期もあったようです。そんなイサム・ノグチですが、日本人からはアメリカ人として見られ、アメリカ人からは日本人として見られ、どちらのコミュニティーからも理解されることなく、スパイのような存在として見られていたようです。
そんな疎外感に苦しんでいたイサム・ノグチが、当時作成した作品が集められ展示されています。

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石を自在に操るイサム・ノグチの作品は思わず四方八方から観察したくなるおもしろさがあります。

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石の作品だけでなく、和風のとても温かみのあるデザインランプ「アカリ AKARI」も手掛けています。テーブルのデザインも有名です。

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この緑の美しい静寂な空気のお部屋は、心が穏やかになる感じで、とても居心地がいいお部屋でした。

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ノグチ美術館の庭園

前回訪れた時は、野口美術館の庭園は工事中で見れなかったのですが、今回はノグチ美術館の魅力の一つである素晴らしい庭園をじっくりと楽しんできました。庭園内には様々な場所に作品が点在していて、人々が憩いの時間を過ごせる空間になっています。たくさんの人々が午後のひと時を楽しみ、のんびりとくつろいでいます。

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自然と融合する石の作品は、イサム・ノグチのテーマそのものです。水の湧き出る石の作品の前では、感動して食い入るように水の音と石の作品を見つめている女性がいました。イサム・ノグチの作品は、優しさと癒しを感じられるのか、ミュージアムを訪れる女性の割合がすごく多いように感じました。SNS映えするような写真好きな人も多く訪れている印象です。

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ノグチ美術館の特別展

期間限定の特別展、”Solid Doubts: Robert Stadler at The Noguchi Museum” も開催中です。現在も活躍中のコンテンポラリーデザイナー、ロバート・スタドラーの作品がイサム・ノグチの作品と共に館内に点在しています。石を使ったインテリアデザインを多く手掛けているデザイナーのようです。

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ロバート・スタドラー作品とイサム・ノグチの作品は、確かにほどよく調和する、とても相性のいい感じです。この特別展は、9月10日までとなっています。

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ノグチ美術館の居心地のいいギフトショップ&カフェ

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ノグチミュージアムのギフトショップもとてもおすすめです。
イサム・ノグチデザインのフリーフォームソファに座ってくつろぐことができます。

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こちらは以前訪れた時の様子です。イサムノグチの人物像についても詳しく紹介しています。

イサム・ノグチ美術館 ニューヨークでゆったりくつろぎの空間

イサム・ノグチ美術館 Noguchi Museum
9-01 33rd Rd, Queens, NY 11106 MAP
開館時間:水-金 10 am–5 pm / 土・日 11 am–6 pm
5月-9月の第1金曜日は8pmまで延長オープンします。
休館日:月・火、11月の第3木曜日のサンクスギビングデー、12/25、1/1

イサム・ノグチの作品は、ニューヨークの様々な場所でみかけます。例えば、メトロポリタン美術館の建物の横(南側)や、館内にもイサム・ノグチの作品が飾られています。

Isamu Noguchi

メトロポリタン美術館 ミュージアム見どころ完全攻略法

イサムノグチ庭園美術館のすぐ近くの彫刻の公園も一緒に訪れてみるのも楽しいと思います。

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クイーンズの不思議と癒されるくつろぎの空間ミュージアム イサムノグチ庭園美術館 was last modified: 8月 27th, 2021 by mikissh