ロサンゼルス周辺には、数多くの美術館がありますが、中でも印象派、ポスト印象派の素晴らしいコレクションが見られるのが、ロサンゼルスの北東、パサデナにある、ノートンサイモン美術館 (Norton Simon Museum) です。美術館の外では、ロダンの彫刻群がお迎えしてくれます。館内では、ドガやゴッホなどの感動の数々の作品が目白押しで、ルネサンス以降から20世紀中頃までのヨーロッパ美術における代表的なアーティストの作品が勢揃いした見どころいっぱいのコレクションが展示されています。
ノートンサイモン美術館 (Norton Simon Museum) は、パサデナにある美術館で、名前の通り、20世紀、食品加工会社の経営やM&Aなどで巨額の富を築いた、ノートン・サイモンさんのコレクションが展示されているミュージアムです。もともとは、パサデナ美術館 / 近代美術館 (Pasadena Museum of Art / Modern Art) でしたが、1970年代に財政危機に陥り、ノートン・サイモンさんが財政援助をし、美術館経営を引き受けることにより危機を脱したのでした。1993年、ノートン・サイモンさんが亡くなった後には、著名建築家、Frank Gehry のデザインによるインテリアのリノベーションが行われ、より素敵な雰囲気の中、西洋アートや、南・東南アジアの仏像やヒンズー教の像の数々が展示されています。
ノートン・サイモンさんは、ケチャップなどの食品加工会社として知られる、Hunt’s を経営していた他、ジンジャーエールの Canada Dry、レンタカーの Avis などを所有したり、企業売買なども手掛けていた人物です。そんな20世紀の辣腕ビジネスマンが、生涯に渡り収集したのが、モネ、ルノワール、ドガ、ピカソ、ゴッホ、レンブラントなど誰もが知っている西洋美術の巨匠たちの作品です。現在では、ノートン・サイモンさんの8000点にも及ぶコレクションが、さらに増え、12000点もの数となっています。ノートンサイモン美術館では、このコレクションの中の一割弱程が展示されています。
ノートンサイモン美術館の館内は、2フロアからなり、1階が西洋美術、地下が南・東南アジア美術となっていて、見学所要時間は大体2時間程です。短い時間で一通り見て回ることができるので、大きな美術館が苦手な人でも楽しめるミュージアムです。ノートンサイモン美術館の見どころは、特に充実している印象派・ポスト印象派の展示です。印象派好き、西洋美術好きにおすすめの美術館です。
19世紀アート
19世紀から20世紀前半にかけて、アートの中心だったのが、フランスです。19世紀アートのセクションでは、19世紀中頃から20世紀初頭にかけ、フランスで隆盛だった写実主義、印象派、ポスト印象派の作品が数多く展示されています。
ノートンサイモン美術館には、驚くほどたくさんのアーティストの作品が勢揃いしています。どれもこれも素晴らしい作品ばかりですが、著名なアーティストの作品を中心に紹介します。
クールベ Gustave Courbet
メトロポリタン美術館でつい先日までドラクロワの特別展が開催されていましたが、そのドラクロワと並ぶ、19世紀フランスの著名なアーティストの一人として挙げられるアーティストが、写実主義で知られるギュスターヴ・クールベ (Gustave Courbet) です。フランスでは、19世紀後半に入り、それまでのロマン主義から、日常をありのままに描く写実主義が隆盛となり、風景画を描くアーティストが増えていました。こちらは、そんな時代のクールベの作品です。モネの作品などにも登場するフランス、ノルマンディーのエトルタ (Étretat) の断崖絶壁にあるアヴァルの門 (Porte d’ Aval) を描いた作品です。この頃は、アーティストたちが様々な場所に出向き、風景を描くことが流行していたのです。
モネ Claude Monet
クロード・モネ (Claude Monet) の作品は、一目見たら分かることが多いですが、こちらの作品はモネだとは分かりにくい、モネが若い頃の写実的作品です。ノルマンディー地方にあるセーヌ川の河口の街、Honfleur を描いた作品で、Mouth of the Seine at Honfleur です。
モネの作品は、この他、パリ郊外の街、Vétheuil の美しい庭園を描いた作品、The Artist’s Garden at Vétheuil など数点が展示されています。
ルノワール Pierre-Auguste Renoir
ピエール オーギュスト・ルノワール (Pierre-Auguste Renoir) のセーヌ川の畔のポンデザール (Pont des Arts) の光景を描いたこちらの作品も、印象派以前の写実主義隆盛の時期に、まだ若かったルノワールが描いたものです。
ルノワールらしさが見えて来た作品がこちら、Young Woman in Black などで、これらをはじめ、ルノアールの作品が他にも数点展示されています。
シスレー Alfred Sisley
印象派の一人で、同じスタイルで、風景画を描き続けたのが、アルフレッド・スレー (Alfred Sisley) です。こちらは、雪景色のパリ郊外の村、Louveciennes を描いた作品です。
マネ Édouard Manet
印象派グループの一人とされるマネは、写実主義アーティストとしても有名なアーティストです。人物画を多く描き、モリゾの肖像画が有名ですが、こちらは、自身の奥さんを描いた作品です。
モリゾ Berthe Morisot
女性印象派アーティスト、モリゾの海辺のヴィラでの様子を描いた作品、In a Villa at the Seaside。
カイユボット Gustave Caillebotte
パリ郊外の川でカヌーに乗っている様子を描いた、ギュスターヴ・カイユボット (Gustave Caillebotte) の作品、Canoe on the Yerres River。
ピサロ Camille Pissarro
カミーユ·ピサロ (Camille Pissarro) と言えば、印象派的な作品をよく見かけますが、こちらは珍しい点描っぽいポスト印象派的な作品、The Poultry Market at Pontoiseです。ピサロは、一時期、違うスタイルを追求していた時期もあったようですが、晩年、再び印象派的な描き方に戻っています。
ドガ Edgar Degas
バレエや馬のモチーフのアートでお馴染みの印象派アーティスト、エドガー・ドガ (Edgar Degas) の作品、Dancers in the Rotunda at the Paris Opéra です。
パリのオペラ座 (Opera Garnier) のリハーサル室でのバレエダンサーの様子を描いています。ノートンサイモン美術館には、この他にも、ドガの彫刻を含め、数多くの作品が展示されています。ドガ好きは必見です!
セザンヌ Paul Cézanne
自然を感じるままに描いた印象派スタイルから離れ、1880年代には、より対象物に焦点を当てたポスト印象派が登場します。ポスト印象派の代表的なアーティストの一人が、風景画や静物画を数多く描いた、ポール・セザンヌ (Paul Cézanne) です。後に誕生するキュビスムを連想させる作品、Farmhouse and Chestnut Trees at Jas de Bouffan, 1884-1885 をはじめ、何点か展示されています。
ゴッホ Vincent van Gogh
今でこそ誰もが知っている超有名なポスト印象派の代表的なアーティストの一人である、フィンセント・ファン・ゴッホ (Vincent van Gogh) ですが、実は生前はほとんど売れないアーティストだったのですが、死後にこんなにも有名になりました。こちらは、ゴッホらしい力強い描き方で農夫を描いた作品です。ノートンサイモン美術館 には、ゴッホの作品が、計6点程展示されていてどれも必見です!
ゴーギャン Paul Gauguin
ゴッホと共に南仏に暮らしていたことがあるという、タヒチをはじめ南の島の日常をモチーフとしたエキゾチックな絵画を多く描いたアーティスト、ポール・ゴーギャンの作品もあります。
ボナール Pierre Bonnard
目では見えない内面的な世界を表現しようとしたナビ派のピエール・ボナール (Pierre Bonnard) らしい独特の雰囲気の作品です。
ヴュイヤール Édouard Vuillard
ボナールと共にナビ派を代表するアーティストである、エドゥアール・ヴュイヤール (Édouard Vuillard) の作品も数点展示されています。
ノートンサイモン美術館には、印象派、ポスト印象派の著名アーティストの作品が勢揃いしている圧巻のコレクションで、昨年パリで訪れた マルモッタンモネ美術館の印象派 の特別展のコレクションが思い出されました。
20世紀アート
ルソー Henri Rousseau
同時代の他のアーティストとは全然違う、ファンタジーのような独特の世界を描いていた、アンリ・ルソー (Henri Rousseau) の作品、Exotic Landscape。
ブラック Georges Braque
ピカソと共にキュピスムの創始者とされるアーティスト、ジョルジュ・ブラック (Georges Braque) の作品。ピカソと友人で、同じモチーフの作品が多くあります。ピカソの楽器の作品も有名ですが、こちらも楽器をモチーフとしたキュピスムの作品です。
マティス Henri Matisse
フォービスムの代表的アーティストで、独特の色使いが特徴の20世紀の巨匠、アンリ・マティス (Henri Matisse) の作品、Odalisque with Tambourine (Harmony in Blue)。
モディリアーニ Amedeo Modigliani
モディリアーニの恋人で、実質上の妻だった Jeanne Hébuterne を描いた作品。モディリアーニは、肺結核をきっかけに若くして亡くなりましたが、その二日後に後追い自殺してしまったそうです。ニューヨークのジューイッシュミュージアムで、数年前に、モディリアーニの特別展 が開催されていました。
ピカソ Pablo Picasso
20世紀の最も有名なアーティスト、パブロ・ピカソ (Pablo Picasso) の本を持った女性を描いたシューレアリスムとキュビスムが融合した1930年代の作品。
ピカソは、アーティスト人生を通じ、作風をどんどん変化させていったアーティストで、そんな彼の人生が パリのピカソ美術館 で知ることができました。
クレー Paul Klee
20世紀が進むにつれて、段々、シューレアリスム的、抽象的なアートの流行になっていきます。そんな時代のパウル・クレー (Paul Klee) の作品は、どこか愛嬌があって可愛らしい感じがします。昨年、ワシントンDCの フィリップスコレクションでクレーの特別展 が開催されていました。
ムーア Henry Moore
20世紀を代表するイギリスの彫刻家、ヘンリー・ムーア (Henry Moore) の作品、Girl Seated Against a Square Wall。SFのような世界感です。
ジャコメッティ Alberto Giacometti & ブランクーシ Constantin Brancusi
こちらも20世紀を代表する、アルベルト・ジャコメッティ (Alberto Giacometti) や、コンスタンティン・ブランクーシ (Constantin Brancusi) の彫刻もあります。ニューヨークのグッゲンハイム美術館の ジャコメッティ や、MoMA の ブランクーシ の大展示が思い出されます。
古典ヨーロッパアート 14-18世紀
ルネサンスの14世紀頃から18世紀にかけてのイタリア、スペイン、オランダ、フランスを中心とした古典ヨーロッパアートの巨匠の作品が展示されています。ローマ教皇や教会、王家が絶大な権力を誇り、パトロンだった中世の最も重要なテーマは、宗教や神話をテーマとした歴史美術です。イタリア、ルネサンス期の頃のキリスト教をテーマとした作品からスタートします。
ボッティチェリ Sandro Botticelli
15世紀後半から16世紀初頭のルネサンス期に活躍したイタリア人アーティスト、ボッティチェリ(Sandro Botticelli) の作品、”Madonna and Child with Adoring Angel”。
ラファエロ Raffaello Sanzio
イタリア、ルネサンス期の15世紀後半から16世紀初期に活躍した、ラファエロ・サンツィオ (Raffaello Sanzio) の作品、”Madonna and Child with Book”。
ティツィアーノ Titian
ノートンサイモン美術館では、主にノートンサイモン美術館のコレクションから選ばれた作品が展示されていますが、今回、例外で貴重だったのが、16世紀に活躍したベネチア派の代表的アーティスト、ティツィアーノ (Titian) の1561年の作品、”Lady In White Titian” の特別展示です。ビビッドな明るい色合いで、宗教色が強い中世とは思えない近代的な印象を受けます。ドレスデンのアルテ・マイスター絵画館からやって来ている この作品の展示 は、2019年3月25日までとなっています。この他、ベネチア派では、Bellini や Giorgione の作品も展示されています。
1492年にコロンブスがアメリカ大陸を発見して以来、17世紀にかけて、南米を中心とするアメリカ大陸の植民地支配により、ヨーロッパで最も大きな勢力を誇っていたのがスペインでした。そんな時期には、現在でも名前が知られる著名なアーティストが何人も誕生しています。
エルグレコ Domenikos Theotokopoulos
16世紀後半から17世紀初頭にかけてスペインで活躍したエルグレコ (Domenikos Theotokopoulos) の作品です。
ズルバラン Francisco de Zurbarán
17世紀中頃にスペインのフィリップ3世の宮廷画家として活躍し、数多くの宗教画を描いた Francisco de Zurbarán の作品、”Saint Francis in Prayer”。スペイン植民地時代に、たくさんの作品が南米にもたらされたこともあり、アメリカの美術館でよく見かけるアーティストです。
ムリリョ Bartolomé-Esteban Murillo
17世紀中頃から後半にかけて活躍したムリリョ (Bartolomé-Esteban Murillo) の作品、”The Birth of St. John the Baptist”。
ルーベンス Peter Paul Rubens
16世紀後半から17世紀前半に活躍したフレミッシュの巨匠、ピーテル・パウル・ルーベンス (Peter Paul Rubens) は、アートだけでなく外交官としても活躍した人物です。イタリアで修業し、ベネチア派やルネサンスの巨匠たちに大きな影響を受けています。アントワープに大きな工房を持ち、作品の制作を行っていましたが、スペイン、イギリスなどヨーロッパ各国を外交官兼アーティストとして渡り歩いており、イギリス国王から Sir の称号を受けています。こちらは、イエズス会の創始者の一人で、初代総長だったイグナチオ・デ・ロヨラを描いた作品です。
オランダの黄金時代と呼ばれる17世紀にオランダで活躍したアーティストの作品も充実しています。プロテスタント国家として、カトリック国家のスペインから独立へと向かった時期で、世界初の公開株式会社、オランダ東インド会社が誕生し、その後、急激に経済が成長しました。それまでの王家や教会など一部のパトロンの時代から、より広い層がパトロンとなり得る時代へと変化していきます。
ルーラント・サーフェリー Roelandt Savery
オランダ黄金時代の初期に活躍したアーティスト、ルーラント・サーフェリー (Roelandt Savery) の神話のような作品。肖像画や日常の光景がよく描かれたオランダ黄金時代にしては、独特なミステリアスな雰囲気の作品です。絶滅してしまった空を飛べない巨大な鳥、ドードーを描いたことでも知られています。
ヤン・ファン・ベイレルト Jan van Bijlert
ヤン・ファン・ベイレルト (Jan van Bijlert) の惹きつけられてしまう魅力ある肖像画。王家ではなく、何気ない一人の騎士が描かれています。
レンブラント Rembrandt van Rijn
今年、2019年に没後350年目を迎えるオランダの巨匠、レンブラント・ファン・レイン (Rembrandt van Rijn) の作品は、ノートンサイモン美術館に3点展示されています。こちらは、レンブラントが数多く描いたモチーフ、「レンブラントの自画像」です。オランダのアムステルダム国立美術館(Rijksmuseum)では、メモリアルの年と言うことで、レンブラントの特別展、All The Rembrandt が、6月10日まで開催されています。
ニコラース・マース Nicolaes Maes
オランダのアーティスト、ニコラース・マース (Nicolaes Maes) の家族写真のように描かれた肖像画です。フェルメールの作品でも良く見られる、部屋の様子まで含めて描かれています。
ハブリエル・メツー Gabriel Metsu
ハブリエル・メツー (Gabriel Metsu) の作品も、フェルメール風な雰囲気の日常を描いた風俗画です。
ヤン・ステーン Jan Steen
ヤン・ステーン (Jan Steen) らしい愛嬌のある聖書の一場面、カナの結婚式 (Marriage at Cana) です。
オランダ黄金時代のアーティストたちの作品が目白押しでしたが、今現在ちょうど、メトロポリタン美術館でも オランダ黄金時代アート展 が開催されています。
フランソワ・ブーシェ François Boucher
フランスの18世紀を代表するアーティスト、フランソワ・ブーシェ (François Boucher) の Beautiful Country Woman。
ジャン=オノレ フラゴナール Jean-Honoré Fragonard
天使が飛び回っている姿が思い浮かぶロココ様式を代表するフランスのアーティスト、ジャン オノレ フラゴナール (Jean-Honoré Fragonard) の作品、Happy Lovers です。先生だった、フランソワ・ブーシェ (François Boucher) と共に、フランスの18世紀を代表するアーティストです。
ジョバンニ・パオロ・パンニーニ Giovanni Paolo Pannini
イタリアでは、18世紀には、まるで写真のような精密で写実的な美しい絵画が流行していました。こちらは、バチカンのサンピエトロ寺院を描いた、ジョバンニ・パオロ・パンニーニ (Giovanni Paolo Pannini) の作品です。パンニーニは、アーティストであるだけでなく、建築家でもありました。
カナレット Canaletto
カナレット (Canaletto) は、ベニス出身で、ベニスの風景画を数多く描いたアーティストです。数多くの作品がまとめてイギリス王に売却されたため、イギリスやアメリカの美術館などでよく見かけます。街の様子が、美しい写真のように詳細に描かれています。
ゴヤ Francisco de Goya
18世紀後半から19世紀初頭にかけて活躍した、スペインのロマン主義アーティスト、フランシスコ・デ・ゴヤ (Francisco de Goya) の作品、Saint Jerome in Penitence などもあります。ゴヤもスペイン王家の宮廷画家だったことのあるアーティストで、同じく17世紀前半に宮廷画家だったベラスケスの影響が感じられます。当時の著名なアーティスト同様、イタリアに何度も訪れており、イタリアの巨匠たちにも大きな影響を受けています。
南・東南アジア美術
ノートンサイモン美術館の1階は、ヨーロピアンアートのコレクションでしたが、地下は、雰囲気が一変し、南アジア、東南アジアの仏像、ヒンズー教の像がずらりと並ぶエキゾチックで美しい空間のフロアとなっています。こちらも圧倒されます。
この他、ホメーロスのイーリアス (Iliad) やオデュッセイア (Odyssey)、ウェルギリウスのアエネーイス (Aeneid) など古代の叙事詩に登場する女性が描かれたタペストリーの特別展、”Once Upon a Tapestry: Woven Tales of Helen and Dido” も開催されています。
ノートン・サイモン美術館 Norton Simon Museum
411 W Colorado Blvd, Pasadena, CA 91105 地図
パサデナには、見どころいっぱいの巨大なハンティントンライブラリーもあり、一緒に訪れるのもおすすめです。ただし、一日で両方訪れようとすると少し忙しくなってしまうので、可能であれば、ノートンサイモン美術館が夜遅く20時までオープンしている金曜、土曜がおすすめです。
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