ソーシャルディスタンス効果が出てきたニューヨーク 妊婦さんに無症状が多い?!

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ニューヨークは、ここ数週間の間、感染者の激増が続いていましたが、ようやく新規感染者数が減少してきて、少し落ち着きを取り戻しつつあります。今までは、いかに感染者を減らすか、いかに医療リソースを確保するかで精一杯でしたが、今は、今後どうやって通常の生活をスタートさせるのか、医療現場で得られた新型コロナウイルスに関する知見、今までの反省など様々な側面を振り返り考える余裕が出てきました。びっくりしたニュースの一つが、ニューヨークのいくつかの病院で、出産にやって来た妊婦さん全員に新型コロナウイルスの検査をした所、なんと約 15% もの人が陽性で、しかも、そのほとんどの人が無症状だったということです。

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(COVID-19 Case Mapper)

アメリカで猛威を奮っている新型コロナウイルスは、全土に広がり、全ての州で犠牲者が出ています。大都市では特に感染が広がり、中でも最も多くの犠牲者を出しているのがニューヨークです。新しく登場したデータツール、COVID-19 Case Mapper では、ニューヨーク周辺をはじめアメリカ全土の被害状況が視覚的に分かり、それぞれのエリアの感染者数のグラフも合わせて見ることができます。

ニューヨークでは、ここしばらく医療リソースの確保で大慌てでしたが、ようやくソーシャルディスタンシングの効果があらわれ、新規感染者や入院患者が減少をはじめ、少し落ち着きを取り戻しています。ただし、現在でも多くの重症患者が入院しており、残念ながら、まだ連日、数百人レベルの多くの犠牲者が出ています。
これまでNYCでは、新型コロナウイルス検査で陽性となった人のみ、コロナの死者数にカウントされていましたが、この一ヵ月程の間、自宅などその他の場所で、検査を受けない段階で、新型コロナウイルスらしい症状で亡くなる人が急増していました。そんな状況を踏まえ、そういう人々も入れたうえで、新たに今日発表された4月14日時点でのデータ (PDF) によると、なんと死者数は、1.5倍となり、1万人に達しています。
とは言え、新規感染者は減少してきており、心配されていた医療崩壊は免れたため、それぞれの行政レベルでは、これからどうやって普通の生活に戻るのかの次の一手を模索中で、ニューヨークシティでは、テストキットを自作することを発表しています。

大統領は、WHO の今回の対応の遅れの原因調査が完了するまでは、WHO への拠出を一時停止とすることを発表しており、これから色々な動きがありそうです。
ここ一ヵ月程の間の数多くの患者さんの治療から、様々な知見など興味深いニュースがいくつかありました。

妊婦さんの無症状感染者?

こちら のレポートによると、ニューヨークの病院、New York–Presbyterian Allen Hospital と Columbia University Irving Medical Center では、3月13日から4月4日までの間、出産で訪れる妊婦さん 215人 全てに対して、受け入れ前に、新型コロナウイルス検査を行った所、なんと全体の 15.4% もの人が陽性だったそうです。さらに驚きなのが、全体の 13.5% 、つまりほとんどの人が無症状だったそうです。
こちらがレポートにあったグラフです。
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妊婦さんは誰よりも感染に気をつけている人が多いはずなので、こんなに感染者がいるということは、ニューヨークの感染率の高さが伺われます。ランダムな抗体検査の結果もどうなるのか興味あるところです。一般的には妊婦さんは、妊娠中は免疫力が低下しているので、特に感染しないよう気を付けなければいけないといわれていますが、今回の結果が特別に無症状のケースが多かったのか、それとも一般的に妊婦さんは無症状の人の割合が高いのかも気になります。CDCによると、妊婦さんが、万が一感染していたとしても、生まれてくる赤ちゃんが、生まれてくる段階で感染していることはないようです。ただし、生まれてきた後は、かかる可能性があるので、気を付ける必要があります。CDCの妊婦さんへの ガイドライン も出ています。

コロナで苦しい時はうつぶせに寝るといい?

もうひとつ、新型コロナウイルスの治療現場から、コロナの重症患者さんが、呼吸がしにくくて苦しそうにしている時は、うつ伏せに寝ると呼吸がしやすくなり楽になるというお話がありました。こちら のCNNの記事や、武漢の医療現場のレポートによると、新型コロナウイルスの重症者の典型的な症状が、呼吸が正常にできなくて、酸素不足になることですが、そんな時おすすめの方法は、うつ伏せに寝るようにすると、酸素が行きわたるようになり呼吸が楽になるそうです。

ニューヨークの死者の島 ハートアイランド

一万人もの犠牲者を出しているニューヨークシティですが、気になるのが、その犠牲者たちのその後です。中には、身内や引き取り手がいないケースもあり、そんな犠牲者たちが埋葬されているのが、ブロンクス近くのロングアイランド海峡(Long Island Sound) にある島、ハートアイランド (Hart Island) です。ハートアイランドは、これまでも南北戦争や疫病などで亡くなった身寄りのない人の埋葬地として使用されてきた島で、100万人以上の人が眠っています。新型コロナウイルスで亡くなった方々のご冥福をお祈りします。

ニューヨークで一人目の感染者が見つかったのが、3/1、それからわずか二週間で、ニューヨークはアメリカ最大のコロナ感染都市 となり、そして、ついには、世界最多の感染者数の街となってしまいました。
怒涛の3月を経て、とにかくソーシャルディスタンスを徹底し、新検査薬の開発 なども全力で行われており、先週から今週にかけてが山場となり、ようやく落ち着きを取り戻してきたところです。

ニューヨーク 新型コロナ危機の経過とまとめ NY感染ピークまでの軌跡を振り返って

コロナの影響は計り知れず、失業者もたくさんでており、アメリカでは史上最大の経済救済の対策を立てています。その対策の一つである、一般への現金給付の入金がいよいよ始まっています。

史上最大220兆円のアメリカ経済救済法 現金給付1人$1200 失業保険拡充など盛りだくさんの支援に期待 The CARES Act

これからのアメリカの課題は、いつどのタイミングで自宅待機を解除するか、ビジネスを再スタートさせるか、国をオープンするかということで、すでに話し合いが始まっています。中途半端なタイミングで再開してしまうと、感染流行を再発させてしまうため、非常に難しいところです。

ニューヨークは、昨日、すごい嵐でしたが、夕方には、美しい希望のダブルレインボーも現れました。

ソーシャルディスタンス効果が出てきたニューヨーク 妊婦さんに無症状が多い?! was last modified: 4月 15th, 2020 by mikissh