約3ヵ月間のロックダウンを経て、NYC の経済再開の第一フェーズがはじまったのが、先週の月曜日の6月8日です。その後の感染状況の推移も良好で、来週の月曜日、6月22日には、いよいよ第二フェーズがスタートする予定となっています。ニューヨークが大流行地となった3月以来、一度も利用していなかった地下鉄に、久しぶりに乗ることになりました。かれこれ3か月ぶりです!
ニューヨークの地下鉄は、1904年10月27日開業という、とても長い歴史を誇る、ニューヨーカーたちにとって欠かせない存在です。ニューヨークの地下鉄は、なんと世界最大の地下鉄網としても知られており、大変利用者が多く、そのため混雑具合もひどく、衛生状況もあまりよくなく、老朽化など懸念材料も多い存在でした。ここしばらく地下鉄の利用を避けていた人も多いと思いますが、その間に、色々と改善が行われました。
ニューヨークシティは、6月8日から経済再開第一フェーズがはじまり、少しづつですが、街には人の動きも増えてきています。ニューヨークの地下鉄は、一時期は、ロックダウン中、90%も利用者が減少したようですが、リオープンしたビジネスがまだ限定的な第一フェーズということで、まだまだ利用者はそれほど多くありませんでした。第一フェーズの経済再開後、少しづつ回復してきている利用率は、まだ通常時の 17% ほどだそうです。
これまで、2000人程の地下鉄のスタッフのうち25%弱がコロナに感染したそうですが、そんな状況を踏まえ、ロックダウン前とは一転して、地下鉄ではしっかりとしたコロナ対策が行われています。
1.ソーシャルディスタンスのマーカー設置
プラットフォームで目立っているのが、ソーシャルディスタンスの目安となる一定間隔で用意されているマーカーです。
メトロカードの購入や補充、スタッフへの質問など列ができやすい場所には、ソーシャルディスタンス用のマーカーも貼られています。
2.UV 消毒 & 営業時間の短縮
ニューヨークの地下鉄は、開業当初から年中無休の24時間運行を続けていましたが、コロナにより、そんな伝統の 24/7 サービスが変更され、現在、午前1時から5時までの間は、清掃・消毒のため完全閉鎖となっています。新テクノロジーの 紫外光 (UVC light) を使用した消毒 も行われている他、様々な 新清掃・消毒方法 が取り入れられています。
3.新改札 OMNY
新型コロナウイルス前から一部の駅で導入されていた、スマホアプリでコンタクトレスで支払いが可能となる OMNY (One Metro New York) 用の端末が設置された改札がさらに多くの駅に拡大しています。これまでは、改札を通るには、1994年に導入されたちょっとレトロ感のあるメトロカードが必要でした。メトロカードは、読み取りがうまくいかなくて、何度もやり直さないと通れなかったりする体験をした人も多いと思いますが、これからは、スムーズに行けるようになると思います。
4.マスク着用が義務に
新型コロナウイルス前は、MTA のスタッフがマスクをしていることはあまりありませんでしたが、現在は、必須となっています。
9月からは、罰金が科される可能性も。
全ての駅ではありませんが、中には、ハンドサニタイザーやマスクが用意されている駅もあるようです。
Starting today you might notice hand sanitizer dispensers at some stations—we're testing different types so we can find a solution that we can bring systemwide. We're making sure they're sturdy enough, hold enough hand sanitizer, and function properly. Keep an eye out. pic.twitter.com/r1jntEbtfi
— NYCT Subway (@NYCTSubway) June 1, 2020
通常であれば、混み合っている夕方の時間帯でも、今はまだ電車はとても空いていて、ほとんどの人がマスクを着用しています。清掃がしっかりと行われていて、利用者もまだ少ないため、車内、プラットフォーム共に、以前より清潔感が増した感じです。
スタッフだけでなく、乗客もみんなマスクが必須となっており、正しい着用方法などもこんな可愛い感じで広告されていたり、
ニューヨーク州による、新型コロナウイルス対策のPRも行われています。
スマホを消毒してね、顔を触らないでね、握手はやめようね、などのアドバイスとともに、感染を止めるのは私たちだよ、というメッセージ。
そんなニューヨーク州知事のクオモさんらの努力などもあり、ニューヨークであっという間にマスクが定着したことには本当驚かされました。ちなみに、3月以来、クオモさんは、連日、会見を行っていましたが、ニューヨーク州での感染の収束に伴い、定例会見は、明日が最後となるそうです。
バスでは、運転手とのソーシャルディスタンスを確保するため、後部からのみの乗降が続いており、運転手の周辺エリアは閉鎖されています。地下鉄同様、バスでもマスクが必須となっています。バスは、現在、通常時の43%程まで回復しているようです。
ニューヨークの地下鉄は、昨年の10月27日に115周年を迎えました。こちらの映像では、地下鉄の歴史と共に、現在は使用されていない秘密の駅、とても美しい City Hall 駅が紹介されています。
みんなが自宅待機している間に、地下鉄の工事も予定より早く終わっていました。すばらしい!
今ニューヨークはオープン第一段階にいます。6月22日からは、ソーシャルディスタンスを考慮した人数制限などのコロナ対策下ですが、店内でお買い物ができたり、アウトドアダイニングもスタートし、一般のオフィスも再開可能になります。
2020年9月からマスクをしていない人への罰金が始まりました。
2020年10月には、ライブ地図がベータリリースされました。
ニューヨークの観光もスタートしました。