クリスティーズニューヨーク史上最高額 2000億円超のオークション！豪華ポールアレンコレクション

ニューヨークのクリスティーズ (Christie’s) では、今日11月9日から2夜に渡って、最低でも約1500億円 ($1 billion) と見積もられ、コレクションの売却で史上最高額となる、ポール・アレン・コレクション (Paul G. Allen Collection) のオークションがはじまりました。ポール・アレンさんは、マイクロソフトの共同創業者で、セザンヌやモネをはじめとした印象派の作品から、古くはルネサンス期、新しい作品では、ジャスパー・ジョーンズやデイビッド・ホックニーまで、まるで一つの美術館となり得るような素晴らしい作品が揃った充実したコレクションを築いてきました。オークションを前に、ミッドタウンのロックフェラーセンターにある、クリスティーズニューヨークでは、Visionary と銘打った大盛況なコレクション展が開催されていて、私も素晴らしいコレクションを見にいってきました。

ここしばらく、ロックフェラーセンター周辺の 6アヴェニュー & 49ストリート辺りには、いつも大行列が出来ていました。何事かとビックリした人も多かったと思いますが、

大行列の続く先は、実は、世界有数のオークションハウス、クリスティーズ (Christie’s) でした。現在、正面には、存在感のある Claes Oldenburg の作品が飾られています。

みんなのお目当てとなっていたのが、見積もり額が、最低でも約1500億円 ($1 billion) とされる、オークションを控えた、マイクロソフトの共同創業者、ポール・アレン (Paul G. Allen) さんのコレクション展、Visionary で、熱気溢れていました。

オークションは、今日11月9日と10日の2夜に渡って予定されていますが、展示も1日目、2日目に分かれ、2つのギャラリーで行われていました。

オークションの様子は、今日行われた1日目、2日目共に中継されているので、興味がある人は覗いてみるのも面白いと思います。
現在、株式、債券、不動産、仮想通貨と多くのアセットが不安定になっていますが、アートは、堅調なようで、初日だけで、最低見積額$1 billion の1.5倍となる、$1.5 billion の売上となっていました。

まるで美術館にやって来たかのような素晴らしい作品がいっぱいのコレクションでした。オークションで全部がバラバラになってしまうのはとても残念な気がします。色合いの美しい風景画や、面白い視点から描かれた作品が好きだったようです。オークションでの売上は、慈善活動に寄付されます。

以下、たくさんの作品の中からめぼしい作品をいくつか紹介します。
セザンヌ (Paul Cezanne) の有名なモチーフの一つ、サント・ヴィクトワール山を描いた、La Montagne Sainte-Victoire。$138 million で落札されました。

点描で有名なスーラ (Georges Seurat) の Les Poseuses, Ensemble (Petite version)。こちらは、今夜、$149 million で落札されました。

ゴッホの作品もあります。こちらは、南仏、プロヴァンスの果樹園と糸杉の光景を描いた、Verger avec cyprès。$117 million となっています。

クリムト (Gustav Klimt) の珍しい風景画の作品、Birch Forest。$105 million でした。以上4点の作品が、$100 million を越えました。

モネ (Claude Monet) は、ロンドンを何度か訪れたことがあります。こちらは、そんなロンドンの景色を描いた作品、Waterloo Bridge, soleil voilé。

ルネサンス期に活躍したボッティチェリ (Sandro Botticelli) の作品もあります。聖母の賛歌を描いた、Madonna of the Magnificat。

こちらは、北方ルネサンス、ブリューゲル (Pieter Brueghel the Younger) の作品です。同シリーズの作品はまとめてセットでオークションに出されていました。

著名アメリカ人女性アーティスト、ジョージア・オキーフ (Georgia O’Keeffe) の作品もコレクションの中にいくつもあり、好きだったようです。

ジャスパー・ジョーンズ (Jasper Jones) の作品もいくつもありました。今年は、ジャスパー・ジョーンズの特別展が、ホイットニー美術館とフィラデルフィア美術館で同時開催されていました。

フランシス・ベーコン (Francis Bacon)、デイビッド・ホックニー (David Hockney) をはじめ独特の作風で知られるイギリスの著名現代アーティストの作品も色々ありました。こちらは、Lucian Freud の味のある作品。

クリスティーズ (Christie’s) では、3フロアに渡ってギャラリーがあり、オークション前の様々なコレクションや作品などの展示会が行われています。まるで美術館のような作品の多さと美しい展示なのですが、展示会では、美術館と違い、それぞれの作品に、作品解説ではなく見積額がついているのが面白いです。コレクターはもちろん、アート好きの人も足を運んでみると楽しいスポットだと思います。