アイビーリーグの大学のひとつで、大学ランキングでもトップ入りすることも多いプリンストン大学 (Princeton University) は、ニューヨークのお隣、ニュージャージー州にあります。ワシントンDC とフィラデルフィアへ訪れた帰り道に、プリンストンにあるプリンストン大学にも立ち寄ってみました。以前に一度訪れたことがありますが、都会を離れたのどかな雰囲気、歴史を感じることができる趣のある建築の校舎が立ち並ぶキャンパスで、アメリカでもトップクラスのとても美しい大学です。この日は、イースター明けの初日ということで、学内を周るツアーも行われていて、驚くほどの数の人々が参加し、とてもにぎわっていました。また、大学内の美しいチャペルではパイプオルガンの演奏会が行われていたり、様々な分野の素晴らしいアート、歴史的なコレクションを誇るミュージアムがあったりと、あまりのレベルの高さに驚きの連続です。
プリンストン大学は、1746年に College of New Jersey として、ニュージャージー州のエリザベスで創設された、アメリカで最も歴史のある大学の一つです。その後、現在のプリンストンには、1756年に移転し、1896年から Princeton Universityとなりました。古くは、第5代大統領となった James Madison や、あの超人気ブロードウェイミュージカルハミルトン のストーリーにも出てくる、当時副大統領で、アレキサンダー・ハミルトンと決闘を行った Aaron Bur などの歴史に残る政治家を輩出した学校でもあり、現在でも全米トップクラスの名門大学です。あのアインシュタインも、プリンストン高等研究所の教授を務め、このプリンストンで亡くなったそうです。
プリンストン大学 (Princeton University) 見学ツアー
プリンストン大学を訪れた日、ちょうどイースター休暇も終わり、通常のスケジュールに戻り、大学内を案内してくれるツアーが始まる初日でした。そういうこともあり、とても大勢の人々が見学に訪れていて、時間的にもちょうどツアーに参加できる時間だったため、ちょっと参加して覗いて見ることにしました。
プリンストン大学の大学案内ツアーの開始時間近くになると、ツアーのガイドをしてくれる学生たちがみんなの誘導を始めます。この日、ツアーに参加しようとやってきた人の数は、なんと数百人にも上るすごい人数でした。集合場所の芝生が人で埋まるくらいのすごい人気のツアーだったのです。ガイドとなる学生も10人くらいいて、軽く自己紹介した後、参加者は好きなガイドを選んでツアーに参加することができます。
アイビーリーグらしい、綺麗なツタのからまる校舎。こちらは、Nassau Hall と呼ばれる最も古くからある建物で、大学の中心となっています。時をさかのぼること、独立戦争終結後、1783年の数か月間、ここを国の中心とし、国会が開かれたこともあったそうです。独立戦争時に活躍した兵士たちの働きに対して、国は給料を払うことができず、兵士たちが暴動を起こす恐れのあった当時の国の中心であったフィラデルフィアから逃げてきたそうなのです。
手前の芝生には Big Cannon と呼ばれる大砲が残されています。アメリカ独立戦争初期の頃、ジョージ・ワシントンの率いるアメリカ軍は連敗を続けていましたが、トレントン、そしてここプリンストンの戦いで、イギリス軍を破り、転機となったと言われています。そんな戦いで残されていったものとされています。
ツタの美しい歴史的な建築の校舎がある一方、超近代的なモダン建築の校舎もあり、
それぞれ個性的な素敵な建築です。
プリンストン大学のスポーツチームは、タイガーズと呼ばれています。
校内を歩いていると時々遭遇するアート。
プリンストン大学のツアーをするガイドの学生も、この学校を代表する生徒のひとりということで、かなりプレゼン上手な感じのしっかりした学生でした。
ガーデンも美しく整備されて。
ゴージャスなマグノリアの木々。
桜の美しい季節に訪れるのもおすすめです。
プリンストン大学の荘厳なチャペル パイプオルガンコンサート
プリンストン大学のチャペルで、パイプオルガンのコンサートが行われていたので参加してみました。パイプオルガン奏者は、Sándor Kádár さんという方で、本当にすばらしいオルガニストで、チャペルの音響も相まって、最高の演奏会となりました。
ゴシック様式で、全体的に暗めの雰囲気に美しいステンドグラスと、イギリスの教会のような雰囲気を醸し出しています。
こんな雰囲気の演奏です。
見所満載!プリンストン大学のすばらしい美術館
アメリカの有名大学は大学の敷地内に自分のミュージアムがある大学は多いのですが、その中でもプリンストン大学のミュージアムはトップレベルの美術館です。
プリンストン大学のミュージアムは、かなり本格的な美術館なので、色々なセクションがあるのですが、中でもマヤ文明関連のコレクションには定評があるそうです。
Takashi Murakami さんの作品 “Tsunami” です。
日本の展示もあります。日本古来のはにわも。
聖徳太子2歳の像です。
中国アートのコレクションもとても充実しています。
モネの美しい作品も。
アンディ・ウォーホールなどの作品も展示されていて、MOMA のよう。
メトロポリタン美術館のような美しい貫禄のある展示。
ここはまるでクロイスター美術館のよう。
ミュージアムのディレクターさんによるミュージアムの紹介ビデオです。ディスプレイに工夫を凝らしているようで、たしかに以前訪れた時より、格段に見やすくなっているような気がします。
本当にすばらしいコレクションの数々で、こちらも無料で見学することができます。
車がなくても、ニューヨークから電車で2時間弱で訪れることができ、わざわざ足を伸ばす価値のあるミュージアムです。
学校の環境や建物、教会の演奏会、ミュージアムなど、色々な意味で、このプリンストン大学は常に妥協を許さない最高峰のものを提供する学校といった感じで圧倒されます。
「Zero to One」でも有名なペイパル創業者 Peter Thiel(ピーター・ティール)の見る教育・投資の世界 でも紹介しましたが、盲目的に信じられている大学教育の信仰は中世のカトリック教会状態と評す人もいます。そんな例えから言うと、中世の荘厳なカトリック教会は、おそらく人々を圧倒したと思いますが、まさにその現代版の象徴はキャンパスと言えるかもしれません。アメリカの大学は素晴らしいキャンパス、文化的な機能を持った大学が多いですが、プリンストン大学は、その中でも特に素晴らしい大学だと思います。
ニューヨーク近郊のコネチカット州、ニューヘイブンにあるイェール大学同様、ニューヨークから日帰りでやってきて一日楽しむことができる大学です。
Princeton University
Princeton, NJ 08544 MAP