寒い冬に突入して、最近、風邪なのか、コロナなのか、インフルエンザなのかわからない症状が出ている人が、秋の頃に比べてぐっと増えています。ニューヨークでも、コホコホしている人を以前より見かけるようになって、今まで以上に気を引き締めています。普段は、滅多に使う機会がありませんが、備えあれば憂いなしということで、すぐに測れるようにと、パルスオキシメーターや非接触型赤外線体温計を念のため購入しておきました。
パルスオキシメーターとは、血液中の酸素飽和度を測ってくれる、ウィズコロナの今、できれば一家に一台用意してあれば安心のアイテムの一つです。普通おうちの救急箱に入っているようなアイテムじゃないので、パルスオキシメーターの存在なんてパンデミック前にはほとんどの人が知らなかったと思います。
アメリカでは、今年に入って全米の一日の新型コロナ感染者数は、これまでで最高レベルに推移し、最高記録を更新してしまいました。寒くて乾燥する冬は、ただでさえ風邪が流行する季節ですが、さらに年末のホリデーシーズンに人に会う機会が増えたこともあり、コロナ感染者が激増中です。
昨日、日本のお友達と話していて、旦那さんが熱があってインフルエンザかもしれないと心配していました。今の時期だったらコロナの可能性もあるのでは?と思ったのですが、さすがに PCR 検査は受けていて、陰性だったと。じゃあ、インフルエンザかもしれない、ということで、すぐ検査できそうなものですが、インフルエンザの検査すら当日にすぐできないらしく、検査待ちしていました。そうすると、とりあえず大事をとって、家の中では、空気の換気や消毒を続けて頑張っていました。
その時に、パルスオキシメーターで測ってる?っていう話をしたのですが、持ってない、と。そうだよね、普通、家に、パルスオキシメーターなんて常備してないよね、パルスオキシメーターって必要なの?いう話になったのですが、持ってて損はしないものだと思います。
パルスオキシメーター
血中酸素濃度計
コロナに感染していても無症状の陽性者がいます。完全に元気だとそれはラッキーなことなのですが、元気そうに見えて、知らず知らずのうちに、実は重症になっている患者さんもいます。それは酸素濃度で分かるのですが、コロナ感染で知らないうちに酸素濃度が低下してしまっていることがあり、そうするととても危険なのです。低酸素の状態にも関わらず、本人は全然自覚がない状態で、その自覚症状がない低酸素症のことを、ハッピー・ハイポキシア (Happy Hypoxia) なんて名前が付けられていますが、本人は自覚症状がなくハッピーなのに、突然重症化して手遅れになってしまうこともあるという危険な症状なのです。その酸素濃度を測るための道具が、パルスオキシメーターです。
パルスオキシメーターのおすすめ品
アメリカでパンデミックが始まった初期の頃、パルスオキシメーターを買おうとしたのですが、ビックリするほど値段が高騰していて、買うのをためらってしまいました。
通常時の二倍、三倍、もしくはそれ以上だったのかもしれませんが、そんな高値でもしばらくすると売れ切れてしまうほどでした。
あれから半年以上経ち、パルスオキシメーターの在庫も戻り、値段も普通の値段になってきたので買いました。
おすすめ1
今なら、結構デザインも選べて、選択肢がとても増えています。家に置いておいても見た目がいい、モダンなスタイルのパルスオキシメーター。
Amazon: Fingertip Pulse Oximeter
おすすめ2
ローズピンクなど、お洒落な色合いと質感で、好きな色を選べる人気のパルスオキシメーター
Amazon: mibest OLED Finger Pulse Oximeter
おすすめ3
アメリカのパルスオキシメーターを専門に製造しているメーカーの製品。
よさそうなパルスオキシメーターが色々あって迷うのですが、結局、アメリカのパルスオキシメーターを専門に製造しているメーカーのものがベストです。こちらを購入しました。
Amazon: Zacurate Pro Series 500DL
プロシリーズの Zacurate Pro Series 500DL 黒 が定番の一番人気の商品です。私は、その ピンク を買いました。
同じパルスオキシメーター専門会社の製品で、子供用のパルスオキシメーターもあります。おすすめは、こちらの可愛い クマさんのパルスオキシメーター です。
アメリカのパルスオキシメーターを専門メーカーの製品は、正直デザインはいいとは言えないものが多くて、ずっと最後まで気になっていて、どうしようかな、と思っていたのですが、物がきてみたら、思ったよりずっといいもので、満足いくものでした。
ホームページの写真の印象より、手にしたもののデザインの印象がずっといいという不思議。
カバーがついていて、淡い可愛いピンク色でした。
自宅でできるコロナ検査キットや、N95マスクも常備しておくと安心です。
パルスオキシメーターをもし日本で買う場合は、アメリカ同様、医療機器メーカーの商品で、医療機器認証がされているものがいいと思います。
パルスオキシメーターは、日本だと一万円くらいも当たり前みたいな感じですが、アメリカだと、20ドルくらいでもあります。日本でも日本製の医療機器認証 パルスオキシメーターにこだわらず、必要最低限の機能のパルスオキシメーターでよければ、数千円でありそうです。
高機能のパルスオキシメーターも色々あり、Bluetooth で、データを送って記録保存できるとかありますが、コロナ対策の用途としては、そこまでの機能は必要ないかもしれません。パルスオキシメーターの単独の機器だけではなく、実は、アップルウォッチなどでも、パルスオキシメーターの機能が利用できます。
日本でいいものが見つからない、というときは、アメリカのパルスオキシメーターを日本から買うこともできます。意外と送料も高くなくて、10ドル以内でした。送り先の住所に日本を入れると送料まできちんと教えてくれます。
パルスオキシメーターの使い方
パルスオキシメーターの使い方はとっても簡単で、人差し指にクリップのようにはめて、スイッチを押すだけです。
すると、上部に、酸素飽和度が、下部に、脈拍が表示されます。
指一本分のサイズなので、とても小さな可愛らしい機械です。台の上に置いたまま指を入れて測るのではなく、指にはめて宙に浮かせた状態で計測します。通常は数秒以内、遅くとも10秒以内には計測できます。
パルスオキシメーターの見方ですが、酸素飽和度の数字が「96-100」が普通です。95未満になると要注意になります。ただし、個人差があり、喫煙の有無や肥満度、年齢によって普通の数字がもう少し低い人もいるので、前もって自分の通常の数字を知っておくのも大切だと思います。
パルスオキシメーターは、ヘモグロビンと酸素がどの位結合しているかの指標、経皮的動脈血酸素飽和度 (SpO2) を測る機器です。そういうと、針が出て来て、血を採取する必要があるのかな、という印象を持ってしまう人もいるかもしれませんが、体に傷つけることなく、光で測ることができるという優れものです。
パルスオキシメーターは、1974年に、日本光電の青柳卓雄さんらにより開発された装置で、医療用の他、高地トレーニングや登山など低酸素下でのスポーツでも使用されています。
日本人研究者の貢献と言えば、先日、イギリスで、リウマチ用の薬、tocilizumab と sarilumab が、コロナ新治療薬として承認されました。イギリスで行われた治験の結果 によると、重症患者の死亡確率を 24% 低下させ、入院期間を10日間短縮することができたそうです。
I'm delighted that two new drugs, tocilizumab & sarilumab, have been approved to help save lives from COVID & will be used in our NHS from tomorrow.
THANK YOU to everyone involved in this breakthrough that British scientists have achieved, working internationally & with our NHS. pic.twitter.com/0t8rXAfl17
— Matt Hancock (@MattHancock) January 7, 2021
トシリズマブ (tocilizumab) は、アクテムラとして知られ、岸本忠三さんを代表とする大阪大学と中外製薬が共同開発したリウマチ用の薬です。重症コロナ患者の典型的な症状が、免疫系が暴走し、引き起こされるサイトカインで、その結果、血栓が出来ることが知られていますが、昨年、大阪大のグループは、インターロイキン(IL6) が、血栓を作る別のタンパク質、PAI1を増加させるというその詳細のメカニズムの研究結果を発表しています。
これまで、ステロイド薬のデキサメタゾンなどが、コロナ治療薬として承認されています。
感染者数と入院者数の割合は、あまり変わっていないと思いますが、承認された治療薬をはじめ、治療法が改善したため、入院者数に対する死者数の割合は減っているのではないかと思います。
現在、アメリカでは、ワクチン接種がどんどん進められていますが、その効果が早く現れてくれることを期待しましょう。
コロナに負けないよう、体調に気をつけてお過ごしください。