せっかくアメリカ旅行を楽しみにしていたのに、新型コロナウイルスが大流行している非常事態で、日本、アメリカ両政府も不必要な渡航の禁止をアドバイスしていて、さすがに旅行をキャンセル、延期せざるを得ないという人もたくさんいると思います。中には、こんな状態になることが全く予想できなかった時期に、航空券、ホテル、レンタカーなどを、払い戻し不可の条件で手配してしまったという人もいると思います。キャンセル変更不可の予約をしてしまったけど、返金してもらえるのか?そんなケースも含めて、今、アメリカの旅行業界では、多数の会社が柔軟に対応してくれています。
航空券、ホテル、レンタカーなどをもともとキャンセル可能の条件で購入している人は、簡単にキャンセルができるので問題ありませんが、悩ましいのが、払い戻し不可、キャンセル不可、またはキャンセル料がかかる条件で、購入している場合です。
旅行保険があるから大丈夫と安心していたら、なんと、今回のようなパンデミックは、購入していた旅行保険では、契約上の不可抗力 (Force majeure) などの除外条項に該当し、補償対象外だったというケースもあったりし、せっかくの保険も意味がなかったりすることも。
ホテルの対応
アメリカでは、宿泊施設に関しては、主要ホテルブランドや AirBnB などでは、特例でポリシーが変更されており、返金不可の予約や、キャンセル料がかかる予約でも、無料で変更や全額返金に応じてくれるケースが増えています。例えば、以下のホテルグループなどは、とても柔軟な対応をしてくれています。
・ IHG (キャンセルポリシー)
(同グループに Regent Hotels & Resorts, Kimpton Hotels & Resorts, Candlewood Suites, Crowne Plaza, Even Hotels, Holiday Inn, Holiday Inn Express, Hotel Indigo, InterContinental, Staybridge Suites などがあります。)
・ Marriott (キャンセルポリシー)
・ Hyatt (キャンセルポリシー)
・ Hilton (キャンセルポリシー)
・ Four Seasons (キャンセルポリシー)
・ Raddison (キャンセルポリシー)
・ Best Western (キャンセルポリシー)
・ Choice (キャンセルポリシー)
・ Airbnb (キャンセルポリシー)
アメリカでお馴染みのホテルブランドは、全般的に柔軟に対応してくれているところが多いです。一方、ヨーロッパ系のホテルなどになると、はっきりとポリシーの変更を公表しているところが少ない印象です。いずれにしても、キャンセルで困っている場合は、念のためホテルのウェブサイトを確認したり、またはコンタクトして確認してみたりするといいと思います。リファンドができない場合でも、日程の変更を認めてくれる場合もあるかもしれません。
OTA の対応
オンライントラベルエージェント (OTA) というと、例えば、Booking.com や Expedia などのようなサイトのことです。
オンラインの旅行予約サイト、オンライントラベルエージェント (OTA) を利用して、ホテル予約をしている人も多いと思いますが、OTA も柔軟なキャンセル返金対応をしてくれるところがあります。
Booking.com を通しての予約は、通常時の規約だと、キャンセル不可の予約は返金できませんが、今回の新型コロナウイルスによる非常事態時は、条件によって、リファンドに応じてくれる場合もあります。
・ Booking.com (ポリシー(日本語版 新型コロナウイルスに関する重要なお知らせ))
Booking.com などの Booking Group と並ぶ 2大大手オンライントラベルエージェント (OTA) グループの Expedia でも少し前までは、リファンドに該当する条件がウェブサイトに明確に書かれていたのですが、現在は、その条件ページが消えてしまっています。Expedia や その他の OTA では、少なくとも、ホテルサイドが、キャンセル不可の予約でも今回は特別扱いにするというポリシー変更をしている場合は、それに応じて対応してくれる可能性があります。
ただし、オンライントラベルエージェント (OTA) のカスタマーサービスへの連絡がなかなか容易ではなく、ウェブ上で簡単にキャンセルができればいいのですが、多くの場合は、電話をする必要があり、繋がるまでにかなりの待ち時間となる覚悟が必要です。
航空会社・レンタカー会社の対応
航空券に関しては、ほとんどの航空会社で、変更料なしで、変更することが可能ですが、場合によっては差額の支払が必要となります。いくつかの航空会社は、現金またはバウチャーの形で、リファンドしてくれるので、購入したチケットの航空会社に確認してみましょう。
通常、EU圏や、アメリカとヨーロッパ間のフライトなど、EU圏に関連するフライトにおいては、乗客保護のための手厚いルール (EU passenger rights regulations) というものが設定されています。現在は、EUの新型コロナウイルス下における乗客の権利を守るためのルールという、一時的なルールのコミュニケ (PDF) が出ているため、例えば、通常だと突然の遅延やキャンセルには、コンペンセーション(賠償)が支払われるのですが、今は、入国制限など突然の変更が頻繁に行われているため、それが原因の遅延やキャンセルの場合は、コンペンセーションの条項は免除されているようです。ただし、当然、航空会社側の責任でフライトスケジュールの変更を伝え、乗客側の状況に応じ、変更に応じられない場合は、リインバースメントはされるべきとなっています。
レンタカー会社の新型コロナウイルス非常事態下の対応は、多くのアメリカの主要レンタカー会社が、購入時の条件にかかわらず、キャンセル、変更に応じてくれています。
パンデミックの影響で、消費者だけでなく、ビジネス側も被害者ですが、このような事態でも、しっかりと対応してくれるブランドは、今後も応援していきたいですね。
現在、以下の欧米、日本の入国制限や渡航注意の他、世界各国で様々な入国制限や外出禁止が課されています。